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2003.05.19

4番のピアノコンチェルト

この作品番号58のこのピアノ協奏曲の前に(1804年)「エロイカ」といわれる曲がある(第3交響曲,作品番号55)が,この交響曲は,今現在あるシンフォニーのイメージの始祖といえるほどの画期的な曲。
エロイカが作曲された頃以降の曲は正に珠玉。
詩的な4番のピアノコンチェルトも,従来のピアノコンチェルトとかなり様相を異にしている。
曲そのものが,オーケストラは伴奏といった感の強かった従来のピアノコンチェルトとは異なり,シンフォニー的要素が強い。この曲は,独奏とオーケストラの対比と融合を指向していることが強く感じられる。
形式的にも,斬新性を出すために,ピアノ独奏から曲が開始するとう新たなパターンが用いられている。従来のコンチェルトは,オーケストラの序奏がありその後に独奏ピアノが登場してくるというパターンが一般的なものであった
また,この曲には,ベートーベンにより標準のカデンツアが作れていたと思う。カデンツア(=アドリブ)とは,独奏者による独奏場面であり,独奏者が自ら自由自在に考え出していわば即興演奏する場面であって,作曲者により作曲される部分ではなかった。
そもそも協奏曲というものは,独奏者の腕の見せるために作曲されるものであることから,カデンツアは協奏曲の本質的場面ともいえるが,曲のイメージとは関係のないカデンツアが腕を見せるために延々と続けられてしまうことも当時は多くあったようだ。
ベートーベンは,曲のイメージを壊さないために標準的なカデンツアを作曲した(確かこの曲が最初だったと思うが・・・第3番だったかも,なお,第5のピアノコンチェルトに至っては,カデンツアは1曲の一部として作曲されており,独奏者が好きに演奏する余地が全く奪われている)。
その是非はともかく,この曲は,ベートーベンが自分のスタイル確立させるための1曲であったと言えることは間違いがない。

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