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2004.08.07

「日本はなぜ敗れるのか」敗因21カ条

 新聞の書評をみて書店で購入したもので(角川Oneテーマ21,2004年3月,角川書店),1991年に亡くなった山本七平氏の作品(初出:角川書店刊「野生時代」1975年4月号?)である。
 この本は,故小松真一氏が,先の大戦時に捕虜(PW)になっていた際に書き留められた戦争体験を綴る日記(「虜人日記」1974年1月私家版にて出版,1975年筑摩書房)及びその書物に記された「敗因21ヵ条」に基づいて,作者(山本氏)の体験を交えて,記されたものである。
 戦争の生々しい体験が記されている。外からうかがい知れない現地の惨状と現場を全く前提としない非現実的な中央と考えや対応との乖離。命を無駄に奪われた人々の無念を思う。
 戦地へ兵士を運ばれることが繰り返されていたが,その実情は,
無防備な廃船同然の貨物船に多数の兵士が詰め込まれていただけで,その大半は現地に着くこともなく沈められ。それが貨物船団が壊滅するまで無為に継続されていたとか(例え,到着しても現地には兵器も食糧もない)。
 戦地で何よりも危険だったのは友軍であったとか・・・・・お互いに殺し合って食すると言うことが,大々的に行われていたようだ。
 大岡昇平氏の『野火』にも,猿の肉と称された人肉を食する場面が記されていたが,現地では,そんな生やさしいものではなかったようだ。
 なお,山本氏の指摘によれば,日本における負け戦の惨状は,明治期の「西南戦争」の西郷軍に既に現れていたとのことである。何かと英雄視される西郷氏ではあるが,その敗残軍の様子は,連合赤軍の有様とかわらず,内輪同士の殺戮等を惹き起こしたに他ならない。
 戦争(特に負け戦)の実際をしておくことは大事なことだと思う。私自身は,戦争の絶対的否定者というわけではないが,何も考えない戦争は絶対に許されるものでないことは言うまでもないことである。
 しかし,思うに,戦争の場合だけでは無かろう。色々な点においても,物事を予想し,それへの対処を予め考えておくことは。特に,重要なことを行う際は,尚更。
 自ら反省するべき点も多い。

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