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2005.02.04

審決取消請求事件(最高裁判決)

判例 平成16年06月08日 第三小法廷判決 平成15年(行ヒ)第265号 審決取消請求事件


『要旨: 他人の肖像又は他人の氏名,名称,その著名な略称等を含む商標について商標登録を受けるためには,商標登録の査定の時において当該他人の承諾があることを要する』

『内容:  件名審決取消請求事件 (最高裁判所 平成15年(行ヒ)第265号 平成16年06月08日 第三小法廷判決 棄却) 原審東京高等裁判所 (平成15年(行ケ)第183号)』2 本件は,上告人が,上記審決には8号,商標法4条3項(以下,単に「3項」という。)の解釈適用の誤りがあるなどと主張して,その取消しを求める訴訟である。
 3 8号は,その括弧書以外の部分(以下,便宜「8号本文」という。)に列挙された他人の肖像又は他人の氏名,名称,その著名な略称等を含む商標は,括弧書にいう当該他人の承諾を得ているものを除き,商標登録を受けることができないとする規定である。その趣旨は,肖像,氏名等に関する他人の人格的利益を保護することにあると解される。したがって,8号本文に該当する商標につき商標登録を受けようとする者は,他人の人格的利益を害することがないよう,自らの責任において当該他人の承諾を確保しておくべきものである。
 また,3項は,8号に該当する商標であっても,商標登録出願の時(以下「出願時」という。)に8号に該当しないものについては,8号の規定を適用しない旨を定めている。これは,商標法4条1項各号所定の商標登録を受けることができない商標に当たるかどうかを判断する基準時が,原則として商標登録査定又は拒絶査定の時(拒絶査定に対する審判が請求された場合には,これに対する審決の時。以下「査定時」と総称する。)であることを前提として,出願時には,他人の肖像又は他人の氏名,名称,その著名な略称等を含む商標に当たらず,8号本文に該当しなかった商標につき,その後,査定時までの間に,出願された商標と同一名称の他人が現れたり,他人の氏名の略称が著名となったりするなどの出願人の関与し得ない客観的事情の変化が生じたため,その商標が8号本文に該当することとなった場合に,当該出願人が商標登録を受けられないとするのは相当ではないことから,このような場合には商標登録を認めるものとする趣旨の規定であると解される。
 8号及び3項の上記趣旨にかんがみると,3項にいう出願時に8号に該当しない商標とは,出願時に8号本文に該当しない商標をいうと解すべきものであって,出願時において8号本文に該当するが8号括弧書の承諾があることにより8号に該当しないとされる商標については,3項の規定の適用はないというべきである。したがって,出願時に8号本文に該当する商標について商標登^を受けるためには,査定時において8号括弧書の承諾があることを要するのであり,出願時に上記承諾があったとしても,査定時にこれを欠くときは,商標登録を受けることができないと解するのが相当である。
 これを本件についてみると,前記事実関係によれば,本願商標は出願時に8号本文に該当するものであり,査定時において上告人が本願商標につき商標登録を受けることについてカムホートの承諾がなかったことは明らかであるから,本件出願は,本願商標が8号に該当することを理由として,拒絶されるべきものである。』

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