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2005.02.05

地代減額確認請求事件(最高裁判決)

判例 平成16年06月29日 第三小法廷判決 平成15年(受)第751号 地代減額確認請求事件

『要旨: 建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において,3年ごとに賃料を消費者物価指数の変動等に従って改定するが,同指数が下降しても賃料を減額しない旨の特約が存する場合であっても,賃料増減額請求権の行使を妨げられることはない』

『内容:  件名地代減額確認請求事件 (最高裁判所 平成15年(受)第751号 平成16年06月29日 第三小法廷判決 破棄差戻し)原審大阪高等裁判所 (平成14年(ネ)第1151号)』

『4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 (1) 前記確定事実によれば,本件各賃貸借契約は,建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約であるから,本件各賃貸借契約には,借地借家法11条1項の規定が適用されるべきものである。
 本件各賃貸借契約には,3年ごとに賃料を消費者物価指数の変動等に従って改定するが,消費者物価指数が下降したとしても賃料を減額しない旨の本件特約が存する。しかし,借地借家法11条1項の規定は,強行法規であって,本件特約によってその適用を排除することができないものである(最高裁昭和28年(オ)第861号同31年5月15日第三小法廷判決・民集10巻5号496頁,最高裁昭和54年(オ)第593号同56年4月20日第二小法廷判決・民集35巻3号656頁,最高裁平成14年(受)第689号同15年6月12日第一小法廷判決・民集57巻6号595頁,最高裁平成12年(受)第573号,第574号同15年10月21日第三小法廷判決・民集57巻9号1213頁参照)。したがって,本件各賃貸借契約の当事者は,本件特約が存することにより上記規定に基づく賃料増減額請求権の行使を妨げられるものではないと解すべきである(上記平成15年10月21日第三小法廷判決参照)。
 なお,前記の事実関係によれば,本件特約の存在は,本件各賃貸借契約の当事者が,契約締結当初の賃料額を決定する際の重要な要素となった事情であると解されるから,衡平の見地に照らし,借地借家法11条1項の規定に基づく賃料増減額請求の当否(同項所定の賃料増減額請求権行使の要件充足の有無)及び相当賃料額を判断する場合における重要な事情として十分に考慮されるべきである(上記平成15年10月21日第三小法廷判決参照)。
 (2) したがって,上告人らは,借地借家法11条1項の規定により,本件各土地の賃料の減額を求めることができ驕Bそして,この減額請求の当否及び鞄亦タ料額を判断するに当たっては,賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情その他諸般の事情を総合的に考慮すべきであり,本件特約の存在はもとより,本件各賃貸借契約において賃料額が決定されるに至った経緯や本件特約が付されるに至った事情等をも十分に考慮すべきである。
 5 以上によれば,本件特約の存在を理由として上告人らによる賃料減額請求権の行使を否定し,事情変更の原則が適用される場合に限って賃料の減額が認められるとした上で,本件はそのような場合に当たらないとして上告人らの請求を棄却した原審の前記判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上告人らの賃料減額請求の当否等につき更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。』

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