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2005.02.11

土地明渡請求事件(最高裁判決)

判例 平成16年07月13日 第三小法廷判決 平成14年(受)第1459号 土地明渡請求事件


『要旨: 時効による農地の賃借権の取得については,農地法3条の規定の適用はない』

『内容: 件名土地明渡請求事件 (最高裁判所 平成14年(受)第1459号 平成16年07月13日 第三小法廷判決 棄却)原審東京高等裁判所 (平成13年(ネ)第3637号)』

『3(1) 他人の土地の継続的な用益という外形的事実が存在し,かつ,それが賃借の意思に基づくものであることが客観的に表現されているときは,民法163条の規定により,土地賃借権を時効により取得することができるものと解すべきである(最高裁昭和42年(オ)第954号同43年10月8日第三小法廷判決・民集22巻10号2145頁)。他方,農地法3条は,農地について所有権を移転し,又は賃借権等の使用及び収益を目的とする権利を設定し,若しくは移転する場合には,農業委員会又は都道府県知事の許可を受けなければならないこと(1項),この許可を受けないでした行為はその効力を生じないこと(4項)などを定めている。同条が設けられた趣旨は,同法の目的(1条)からみて望ましくない不耕作目的の農地の取得等の権利の移転又は設定を規制し,耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ろうとするものである。そうすると,耕作するなどして農地を継続的に占有している者につき,土地の賃借権の時効取得を認めるための上記の要件が満たされた場合において,その者の継続的な占有を保護すべきものとして賃借権の時効取得を認めることは,同法3条による上記規制の趣旨に反するものではないというべきであるから,同条1項所定の賃借権の移転又は設定には,時効により賃借権を取得する場合は含まれないと解すべきである。
 以上によれば,時効による農地の賃借権の取得については,農地法3条の規定の適用はなく,同条1項所定の許可がない場合であっても,賃借権の時効取得が認められると解するのが相当である。』

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