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2005.02.07

国籍確認請求事件(最高裁判決)

判例 平成16年07月08日 第一小法廷判決 平成12年(行ヒ)第149号 国籍確認請求事件

『要旨:内地人女性の嫡出でない子であって国籍法(昭和25年法律第147号)の施行後に朝鮮人男性により認知されたものは,平和条約の発効によっても日本国籍を失わない』

『内容:件名国籍確認請求事件 (最高裁判所 平成12年(行ヒ)第149号 平成16年07月08日 第一小法廷判決 棄却) 原審大阪高等裁判所 (平成11年(行コ)第34号)』

『 3 当裁判所の判断は,次のとおりである。
 共通法3条は,内地,朝鮮,台湾等の地域ごとに,適用法令が異なるという当時の制度を前提として,旧国籍法5条,6条,18条,19条,23条等の内容に準じていわゆる地域籍の得喪を定める規定であり,地域籍は,当時の法制の下において,上記の地域ごとに国籍に準ずる役割を果たしていた。
 前記のとおり,旧国籍法23条本文は「日本人タル子カ認知ニ因リテ外国ノ国籍ヲ取得シタルトキハ日本ノ国籍ヲ失フ」と規定していたところ,昭和25年7月1日施行の国籍法は,自己の意思に基づかない身分行為によって日本国籍を失うという法制は採用せず,旧国籍法23条の規定も廃止した。地域籍の得喪が,旧国籍法の前記規定に準じて定められていたことに照らすと,上記のような法制の変動の結果,上記の国籍法施行日以降においてされた親の一方的な意思表示による認知は,もはや地域籍の得喪の原因とはならなくなったものというほかはなく,朝鮮人父によって認知された子を内地戸籍から除籍する理由はなくなったものというべきである。
 昭和25年12月6日付け法務府民事局長通達「朝鮮又は台湾と内地間における父子の認知について」は,「標記の件に関する従前の内地における戸籍の取扱については,旧国籍法第5条第3号,同法第23条,戸籍法第22条及び同法第23条の各規定の精神に則り,内地人男が朝鮮,台湾に本籍を有する女の出生した子を認知した場合は,子は内地に新戸籍を編製し,また,朝鮮,台湾に本籍を有する男が内地人女の出生した子を認知した場合は,子は内地の戸籍から除くこととされていた。右戸籍の取扱は,今後はこれを改め,前記各場合の認知によっては子の戸籍に変動を生じないこととした。」と定めているが,これは,前記の説示と同じ趣旨の下に,地域籍についても,朝鮮又は台湾と内地間における父子の認知に関する従前の取扱いを新しく施行された国籍法の趣旨に準じた取扱いに改めたものである。そうすると,上記民事局長通達の取扱いを,同通達発出日の昭和25年12月6日以降の認知に限定する理由はなく,前記説示のように,国籍法施行の同年7月1日以降の認知についても,同様の取扱いを行うべきである。そうすることによって,法フ下の平等の精神にも沿うことになるのである。
 以上のとおり,国籍法施行後に朝鮮人父から認知された子は,内地の戸籍から除籍される理由がないから,平和条約の発効によっても日本国籍を失うことはないと解するのが相当である。そうすると,被上告人は,平和条約の発効後も日本国籍を有するのであり,これと結論を同じくする原審の判断は,是認することができる。所論引用の判例(最高裁昭和36年(オ)第1390号同38年4月5日第二小法廷判決・裁判集民事65号437頁)は,昭和27年2月12日に台湾人男と自己の意思に基づき婚姻した内地人女の平和条約発効後における日本国籍喪失に関するもので,本件とは事案を異にする。論旨は採用することができない。』

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