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2006.11.08

餓死を選択しなかった裁判官

 終戦から2年以上も経過した昭和22年10月,東京地裁の判事が餓死したという一種の事件があった。同判事は,食糧管理法に基づく配給米だけを食し,つまりいわゆる闇米を拒絶し,その結果の餓死したというものである。
 この判事のことについては色々考えることがある。私による評価もその時々によって変わる。それほど難しい問題ということなのだろう。極論でいうならば聖人なのか愚人なのかということにまで及ぶ。但し,この判事が単なる変人ではなく,人間味のある人であったことはわかっている(参考)。
 そのような人が選んだ道だけに評価が難しい。
 それはさておく。
 次の2点だけは動かない。
 当時の法律に従えば生を真っ当でき得なかったこと。そして,同判事以外の裁判官は餓死しなかったこと。つまり,食糧管理法つまり法律を遵守していなかったと考えざるを得ないことである。更にいうならば,生を長らえた裁判官の中には,食糧管理法違反の罪で他人を裁いた裁判官がいたであろうことである。

92978

追記)11月9日21時40分頃
上記は,別に餓死しなかった裁判官を非難しているものではありません。
皆,餓死していれば,家族を守れません。また,我が国は滅びてしまっています。
そんなことは避けなければなりません。
法律は一定の目的があって作られているものです。当該法律は,当時としては一定の役割を果たしていたものと思います。しかしだからといって,厳格に適用すると弊害が大きく,そのようなことになると大きな問題であり,社会の実態に合わせて適用されていたものだと思います。
従って,闇米を食べていた裁判官も,違反者すべてを罰していたものではなく,法の趣旨を大きく逸脱する悪質な違反者だけを罰していたのだろうと推察できます。
このように,法律は,社会を離れてはあり得ないのであるから,単に形式的に考えるだけではなく,社会の現実或いは実態に即して考えなければならないものだという一つの例なのです。

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