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2007.01.13

新手の投資話「ロコ・ロンドン金」に注意!(国民生活センター)

新手の投資話「ロコ・ロンドン金」に注意!
国民生活センターが2007年1月12日公表したところによれば,昨年(2006年)の秋頃から「ロコ・ロンドン貴金属取引」「ロコ・ロンドン保証金取引」といった名称の取引(以下,ロコ・ロンドン金取引)について,「契約したが,大丈夫か」,「取引をしたところ損をした」などの相談が,国民生活センターや全国の消費生活センター等に寄せられはじめているとのことである。

同サイトでは,
「通常、ロコ・ロンドン金取引は、ロンドン金市場で実際に取引が行なわれているわけではなく,「ロンドン市場の金相場の価格を使った取引」であることにも注意が必要である。」
と説明されている。
なお,あるサイトによれば,「ロコ」とは,貿易条件で「現場渡し価格(運賃や保険料などを一切含まない価格)」を意味するとのことであり,金現物取引において「ロコ・ロンドン」というときは,「金現物の受渡し場所をロンドンにすることを条件とした場合の金取引価格」を指しています,と説明されている。

ロコ・ロンドン取引を宣伝するある業者のサイトをみると,
「市場:ロコ・ロンドン市場(現物市場)」
という文字がまず目につく。
金の現物の受け渡しが行われるような印象を与えるもののようにも思える。
しかし,業者のサイトを見ると,勧誘しているのは「現物の取引」ではなくいわゆる「証拠金取引」といわれるものである。
証拠金取引は,取引システム的には,金融先物取引や商品先物取引においておこなわれているものと極めて似通っていて,現物の取引とは大きく異なっており,一定の知識がないとなかなかわからない取引方法である。
なお,証拠金取引は,実際の物(例えば「金」)の引渡を全く前提としない。従って,この種の業者が勧める取引においては,金の現物が手にはいることは無いと考えなければならない(その意味で,現物入手の可能性がある先物取引とは異なる)。証拠金取引は,商品先物取引等から,商品という要素を取り去って,先物取引における差金決済のシステムのみを抽出した取引と考えることも出来よう。
信用取引・証拠金取引は,その取引方法としてはかなりの合理性があるものの,その取引システムを知らない者にとっては,やはり意外な場面を招くシステムでもある。よって,相当な勉強をして初めて取り組むべきシステムである。
また,取引対象となる,ロンドンにおける金相場の動向(その要因を含む)など,一般人ではまず理解できないのではないかと思わざるを得ない。
よって,システム的な問題及び取引対象の理解という2点から,安易に行うべき取引ではないと言える。

なお,国民生活センターのサイトは, 
ロンドン金市場は
,「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」(なお,同法施行規則
で政令指定(海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律施行令
されていないとのことである。
また,ロコ・ロンドン金取引は「先物取引ではない」とのことで,そもそも同法の適用を受けない
と指摘している。
更に,他にロコ・ロンドン金取引を規制する法律はないようで,クーリング・オフ制度のように消費者が一方的に申込みの撤回や契約の解除をすることは難しい
と指摘している。

なお,海外の市場に関連する取引の最大の問題点は,勧誘を持ちかける業者が,「本当に取引を行っているのか否か」の確認が出来ないことである。
海外の市場(所品取引所等)での取引だと称しながら,何の取引も行われていない単なる詐欺行為であったという取引例は極めて多い。さすがに,国内の市場を対象とする取引ではこのようなことは簡単ではないのだが(登録業者であるか否かは調べれば容易にわかる),海外の場合は一般の方では調査が極めて困難である。
そのような,ことを規制するために,上記ような法律が制定されているのだが,業者筋は,その法律が規制する以外の取引をわざわざ選択していることに,疑問を感じざるを得ない。

そんなこんなで,全く奨めないし,仮にどうしても行いたいという場合には,よほど信用のある業者に委託することが最低限必要と考えなければならない。

悪徳業者ほど,規制のない対象を選んで詐欺の道具に用いる。そのような場合が多いことをよくよく考えておく必要がある。

平井利明のメモ

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