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2007.02.05

最高裁判所によるWEBへの判例掲載等の基準?

月刊「FACTA」のFACTAonline2007年2月号(ファクタ出版株式会社)に
『「消えた判例」の怪 最高裁HPの浅知恵
当事者のクレームに「裁量」で突然削除。足跡が残るのを知らず、いまや赤っ恥の「無謬神話」。』

という記事がある。
この雑誌の趣旨は不明だし,その記事の真偽のほどもよく分からない。
ただ,全くの事実無根が記載されているようにも思えない。
確かに,最高裁判所による,裁判例の最高裁判所が管理するWEBへのアップ及び削除等についての基準等が全く不明であることは事実だからである。
なお,我が国における裁判は,個別の事件を解決するために存在するものであることから,裁判所が下す全ての判決には,必ず個人(法人を含む)についての個人情報が含まれる。
いくら抽象化したとしても,完全に個人を特定する情報を削除することは不可能である。
判決文を公表をする以上はその点の覚悟が裁判所には元々あるはずであり,当然に基準を定めているはずである(因みに,公表の主体は最高裁判所であると考えられるのであり,最高裁判所がその基準を定めなければならないと考えられる)。
ところで,裁判の公表は,単なる裁判所による片手間のサービスというものではない。
裁判は国権の発動であり,当然のことながら人権の侵害の可能性をも有する作用である。これは,刑事事件のみならず民事事件等でも同様である(人に対して金銭の支払い等を国家権力の背景下に命令する作用である)。
その(人権侵害の可能性のある)国権の発動たる裁判の結果を,国民の目に曝して,国民の批判に耐える裁判を行わしめることによって国民主権をより充実たらしめるという重要な意義がある。
このように,裁判内容の公表が,国民主権に由来する意義を有することを考えれば,公表の基準及び公表に異議がある利害関係人に苦情を申し立てる方法等を国民に明示することは,国家機関として当然の義務だと思う。
それにもかかわらず,そんな当然なことすらも行われていないとすれば極めて遺憾なことだと思わざるを得ないのである。

平井利明のメモ

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