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2007.06.23

総譜(スコア)は読めないですねえ・・・

オーケストラの総譜(スコア)を読むのは素人には至難の技。

        Img_3017

 写真は,イタリアの作曲家レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879-1936)の「ローマの祭り」(Festa Romane,Poema Sinfonico per orchestra)の4楽章(La Befana:主顕祭)のラストの狂乱の場面あたり(イタリアで出版された楽譜なのでイタリア語が用いられている)。

 読んでも,正確にはわからない。
 譜面上の流れをみて,こんな雰囲気なんだろうなと思うだけしか出来ない。

【楽譜そのものが難儀】
 楽譜そのものを読むことがそもそも楽ではない。
 特に,異様な高音域やとんでもない低音域,更には,♭♯等がたくさんあると,
 ?※?☆?★?□?△??。

【移調楽器の存在】
 吹奏楽を始めた頃,驚いたことの一つに,楽器には調製があり,また,楽器によって異なること。
 それまでに接した楽器,例えば,ピアノ,オルガン,木琴,ハーモニカ,リコーダー等は,ドレミファソと弾いたり吹いたりすればそれは「ハ長調(C)」のドレミファソ。
 ところが,私が担当していたEuphoniumはB♭管(ベーかん)の楽器。つまり,ドレミファソと吹けばそれは「変ロ長調の音階ドレミファソ」となる。他にも,F管のホルンはドレミファと吹けばヘ長調のドレミファとなる
・・・・・???
 このような楽器を「移調楽器」というのだが,実際に楽器を目の前にして音を出せばなんとなくわかるのだが,これを説明することは難しい(参照:Wikipedeia・・・・読んでもよくわからん・・・・笑)
 仮に,移調楽器で(♭も♯もない)ハ長調の楽曲を演奏しようとすれば,Euphoniumならばシャープが2つつく楽譜(要するにニ長調で書かれた楽譜)にてトライすることになる(←変ロは♭が2つなのでこれを打ち消すために♯を2つ付した楽譜となる)。同様に,ホルンならばシャープ1つの楽譜を演奏することになる。

 例えば,フルート(C管),クラリネット(B♭管),クラリネット(A管),ホルン(F管)の4人で,ハ長調の全く同じ曲(サンプルは,「ちょうちょ」)を吹こうとすると,フルートはハ長調で書かれた楽譜,クラリネット(B♭管)はニ長調で書かれた楽譜(♯が2つついた楽譜),クラリネット(A管・・・イ長調管)は,(♭が3つついた楽譜)ホルンはト長調で書かれた楽譜(♯が1つついた楽譜)をそれぞれ見て演奏することになる。
 各人が自分の楽譜をみて吹くのなら特に問題は無かろうが,この4種類の楽譜がひとまとめにされて,一つの楽譜に4段で書かれていたとすると,一見にて,今どのような曲なのだろう?と思ってしまって,直ちに理解することは難しいだろう。

          Choucho_1

 いずれも,ソ・ミ・ミー・ファ・レ・レー・ド・レ・ミ・ファ と書いてあって,且つ,全く同じ高さの音・・・・・それなのに楽譜で表現すると,上のようになってしまう。
この楽譜を見て,4つの楽器とも全く同じ高さの音だと,瞬時に判断することはとても難しい。

 総譜(スコア)にはこのような移調楽器の音符等が当然に記載されている。

 写真の楽譜は,「ニ長調」で書かれたものである(下の写真のpf[ピアノフォルテ=いわゆるピアノ]に♯が2つあることからわかる)。
しかし,
シャープもフラットもないもの:D管(ニ長調の調製の楽器)
 Cl.P(ピッコロクラリネット?・・いわゆるSくら)
シャープ3つのもの:F管(ヘ長調の調製の楽器)
 c.i(イングリッシュホルン)
シャープが4つのもの:B♭(変ロ長調の調製の楽器)
 Cl(クラリネット)
もっとわからないものに
 Fa(=F)と書かれてあるCr.(ホルン)やSi♭(=B♭)と書かれているTrb(トランペット)には,楽譜の左端に特に調製の指示がない。

 このように様々で書かれた楽譜の音階(ドレミファソ・・)を一見して理解することは相当困難である。
 ハーモニー(和音)を理解することは更に難しい。

【ハ音記号】
 「ト音記号」や「ヘ音記号」という音部記号はピアノの楽譜などで見かけるのでまだ馴染みがある。しかし,オーケストラの楽譜を見るとそれ以外にも「ハ音記号」なるものが出てくる。例えば,通例,ヴィオラの楽譜は,「ハ音記号」(そのなかでのアルト記号)で書かれてある。
 なお,ト音記号はその記号の最初の書き出し部分が「ト」(ハ長調で言うとソ)の位置にあるのでト音記号,ヘ音記号はその記号の書き出し部分が「へ」の位置にあるのでヘ音記号というものだが,ハ音記号は左に突き出た部分が「ハ」の音にあたるので「ハ音記号」とのこと。
 このような原理を知っておけば,楽譜の読み方自体は理解できる。しかし,慣れないだけに一見して,何の音が書かれているのかを理解することは困難である。
 
 例えば,ヴァイオリン(ト音記号),ヴィオラ(ハ音記号:アルト記号),チェロ(ヘ音記号)にて,チョウチョを表記すると次の通りとなる。

   Choucho2_1

 いずれも,ソ・ミ・ミー・ファ・レ・レー・ド・レ・ミ・ファ と書いてあって,且つ,3つの楽器とも全く同じ高さの音を示している。

上記の楽譜(写真のもの)では,
Trbn(トロンボーン)
Vle(ヴィオラ)
Vc(チェロ)
のパートが「ハ音記号」で書かれている。
 なお,ハ音記号にはいくつかの種類があって,Trbn(トロンボーン)とVc(チェロ)は5線の上から2つめの線が「ハ」と指示されているが,Vle(ヴィオラ)は,5線の上から3つめの線が「ハ」と指示されている。
 これらの楽譜を見て,瞬時に音の違いなどを理解することは,・・・・・普通は無理でしょう・・・

 このような複雑な内容の楽譜を読みこなすことが出来る,指揮者等は,相当の訓練をされたということなのでしょう。そのことだけでも凄いことだと思うのです。


 「ローマの祭」の演奏について。
 個人的には,大指揮者といわれるトスカニーニのものがお薦め(オーケストラはNBC響)。1949年のモノラル録音であり,この曲がもつオーケストレーションの妙や色彩の豊かさを考えるとそれがあますことなく再現されているとは到底言えないのだが,それを差し引いても凄まじい演奏。因みに,1929年の世界初演は,レスピーギの良き理解者であったイタリア人指揮者トスカニーニが行っている。
 ただ,この曲の色彩感を感じたければ,最近の演奏を聴くことも必要。生演奏が一番良い。しかし,何しろにぎやなので(騒然としていると言っても過言でない・・・特に4楽章),小振りで音響効果抜群のシンフォニーホールではあまり向かないかも(笑)

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