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2007.08.29

民法及び商法における責め(責任)に関する規定

民法及び商法における責め(責任)に関する規定

      平井利明のメモ

民法(民法第1編第2編第3編)(明治29年4月27日法律第89号)

(法人の不法行為能力等)
第44条
 法人は、理事その他の代理人がその職務を行うについて他人に加えた損害を賠償する【責任】を負う。
2 法人の目的の範囲を超える行為によって他人に損害を加えたときは、その行為に係る事項の決議に賛成した社員及び理事並びにその決議を履行した理事その他の代理人は、連帯してその損害を賠償する【責任】を負う。

(復代理人を選任した代理人の【責任】)
第105条
 代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその【責任】を負う。
2 代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の【責任】を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。

(法定代理人による復代理人の選任)
第106条
 法定代理人は、自己の【責任】で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第1項の【責任】のみを負う。

(代理権授与の表示による表見代理)
第109条
 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その【責任】を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

(無権代理人の【責任】)
第117条
 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の【責任】を負う。
2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

第171条
 弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務を執行した時から3年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その【責任】を免れる。

(占有者による損害賠償)
第191条
 占有物が占有者の【責めに帰すべき事由】によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。

(分割における共有者の担保【責任】)
第261条
 各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の【責任】を負う。

(転質)
第348条
 質権者は、その権利の存続期間内において、自己の【責任】で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その【責任】を負う。

(履行期と履行遅滞)
第412条
 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の【責任】を負う。
2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の【責任】を負う。
3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の【責任】を負う。

(受領遅滞)
第413条
 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の【責任】を負う。

(債務不履行による損害賠償)
第415条
 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の【責めに帰すべき事由】によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

(過失相殺)
第418条
 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の【責任】及びその額を定める。

(可分債権又は可分債務への変更)
第431条
 不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の【責任】を負う。

(連帯債務者間の求償権)
第442条
 連帯債務者の1人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の【免責】を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。
2 前項の規定による求償は、弁済その他【免責】があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
第443条
 連帯債務者の1人が債権者から履行の請求を受けたことを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の【免責】を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその【免責】を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその【免責】を得た連帯債務者に対抗したときは、過失のある連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2 連帯債務者の1人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の【免責】を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済をし、その他有償の行為をもって【免責】を得たときは、その【免責】を得た連帯債務者は、自己の弁済その他【免責】のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。

(保証人の【責任】等)
第446条
 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする【責任】を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

(主たる債務者が保証人に対して償還をする場合)
第461条
 前2条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に【免責】を得させることを請求することができる。
2 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に【免責】を得させて、その償還の義務を免れることができる。

(貸金等根保証契約の保証人の【責任】等)
第465条の2
 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であってその債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする【責任】を負う。
2 貸金等根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
3 第446条第2項及び第3項の規定は、貸金等根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。

(弁済の提供の効果)
第492条
 債務者は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の【責任】を免れる。

(債権者による担保の喪失等)
第504条
 第500条の規定により代位をすることができる者がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位をすることができる者は、その喪失又は減少によって償還を受けることができなくなった限度において、その【責任】を免れる。

(債権者の危険負担)
第534条
 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の【責めに帰することができない事由】によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。
2 不特定物に関する契約については、第401条第2項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。

(停止条件付双務契約における危険負担)
第535条
 前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない。
2 停止条件付双務契約の目的物が債務者の【責めに帰することができない事由】によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担に帰する。
3 停止条件付双務契約の目的物が債務者の【責めに帰すべき事由】によって損傷した場合において、条件が成就したときは、債権者は、その選択に従い、契約の履行の請求又は解除権の行使をすることができる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。

(債務者の危険負担等)
第536条
 前2条に規定する場合を除き、当事者双方の【責めに帰することができない事由】によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2 債権者の【責めに帰すべき事由】によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

(履行不能による解除権)
第543条
 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の【責めに帰することができない事由】によるものであるときは、この限りでない。

(贈与者の担保【責任】)
第551条
 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その【責任】を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の【責任】を負う。

(他人の権利の売買における売主の担保【責任】)
第561条
 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保【責任】)
第563条
 売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。
3 代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。

(数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保【責任】)
第565条
 前2条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。

(地上権等がある場合等における売主の担保【責任】)
第566条
 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

(抵当権等がある場合における売主の担保【責任】)
第567条
 売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
2 買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
3 前2項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。

(強制競売における担保【責任】)
第568条
 強制競売における買受人は、第561条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。
3 前2項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。

(債権の売主の担保【責任】)
第569条
 債権の売主が債務者の資力を担保したときは、契約の時における資力を担保したものと推定する。
2 弁済期に至らない債権の売主が債務者の将来の資力を担保したときは、弁済期における資力を担保したものと推定する。

(売主の瑕疵担保【責任】)
第570条
 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(売主の担保【責任】と同時履行)
第571条
 第533条の規定は、第563条から第566条まで及び前条の場合について準用する。

(担保【責任】を負わない旨の特約)
第572条
 売主は、第560条から前条までの規定による担保の【責任】を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その【責任】を免れることができない。

(貸主の担保【責任】)
第590条
 利息付きの消費貸借において、物に隠れた瑕疵があったときは、貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければならない。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。
2 無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することができる。この場合において、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、前項の規定を準用する。

(貸主の担保【責任】)
第596条
 第551条の規定は、使用貸借について準用する。

(やむを得ない事由による雇用の解除)
第628条
 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の【責任】を負う。

(請負人の担保【責任】)
第634条
 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。

(請負人の担保【責任】に関する規定の不適用)
第636条
 前2条の規定は、仕事の目的物の瑕疵が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたときは、適用しない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

(請負人の担保【責任】の存続期間)
第637条
 前3条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。
2 仕事の目的物の引渡しを要しない場合には、前項の期間は、仕事が終了した時から起算する。

第638条
 建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年間その担保の【責任】を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、こんくりーと造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、10年とする。
2 工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から1年以内に、第634条の規定による権利を行使しなければならない。

(担保【責任】の存続期間の伸長)
第639条
 第637条及び前条第1項の期間は、第167条の規定による消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる。

(担保【責任】を負わない旨の特約)
第640条
 請負人は、第634条又は第635条の規定による担保の【責任】を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その【責任】を免れることができない。

(受任者の金銭の消費についての【責任】)
第647条
 受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の【責任】を負う。

(受任者の報酬)
第648条
 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定を準用する。
3 委任が受任者の【責めに帰することができない事由】によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

(金銭出資の不履行の【責任】)
第669条
 金銭を出資の目的とした場合において、組合員がその出資をすることを怠ったときは、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。

(終身定期金債権の存続の宣告)
第693条
 終身定期金債務者の【責めに帰すべき事由】によって第689条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。
2 前項の規定は、第691条の権利の行使を妨げない。

(緊急事務管理)
第698条
 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する【責任】を負わない。

(悪意の受益者の返還義務等)
第704条
 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の【責任】を負う。

(不法行為による損害賠償)
第709条
 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する【責任】を負う。

(財産以外の損害の賠償)
第710条
 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の【責任】を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

(【責任】能力)
第712条
 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の【責任】を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の【責任】を負わない。

第713条
 精神上の障害により自己の行為の【責任】を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の【責任】を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。

(【責任】無能力者の監督義務者等の【責任】)
第714条
 前2条の規定により【責任】無能力者がその【責任】を負わない場合において、その【責任】無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その【責任】無能力者が第三者に加えた損害を賠償する【責任】を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって【責任】無能力者を監督する者も、前項の【責任】を負う。

(使用者等の【責任】)
第715条
 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する【責任】を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の【責任】を負う。
3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

(注文者の【責任】)
第716条
 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する【責任】を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。

(土地の工作物等の占有者及び所有者の【責任】)
第717条
 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する【責任】を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3 前2項の場合において、損害の原因について他にその【責任】を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

(動物の占有者等の【責任】)
第718条
 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する【責任】を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の【責任】を負う。

(共同不法行為者の【責任】)
第719条
 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する【責任】を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

(正当防衛及び緊急避難)
第720条
 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の【責任】を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。


民法(民法第4編第5編)
(明治31年6月21日法律第9号)

(婚姻の取消しの効力)
第748条
 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
3 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する【責任】を負う。


(日常の家事に関する債務の連帯【責任】)
第761条
 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその【責任】を負う。ただし、第三者に対し【責任】を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

(返還金に対する利息の支払等)
第873条
 後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息を付さなければならない。
2 後見人は、自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息を付さなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の【責任】を負う。

(共同相続人間の担保【責任】)
第911条
 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の【責任】を負う。

(遺産の分割によって受けた債権についての担保【責任】)
第912条
 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。
2 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。

(資力のない共同相続人がある場合の担保【責任】の分担)
第913条
 担保の【責任】を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、それぞれその相続分に応じて分担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。

(遺言による担保【責任】の定め)
第914条
 前3条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。

(不当な弁済をした限定承認者の【責任】等)
第934条
 限定承認者は、第927条の公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第1項の期間内に相続債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これによって生じた損害を賠償する【責任】を負う。第929条から第931条までの規定に違反して弁済をしたときも、同様とする。
2 前項の規定は、情を知って不当に弁済を受けた相続債権者又は受遺者に対する他の相続債権者又は受遺者の求償を妨げない。
3 第724条の規定は、前2項の場合について準用する。

(不特定物の遺贈義務者の担保【責任】)
第998条
 不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の【責任】を負う。
2 不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。

(負担付遺贈)
第1002条
 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する【責任】を負う。
2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の【免責】)
第1003条
 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺言執行者の復任権)
第1016条
 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2 遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第105条に規定する【責任】を負う。

民法施行法(明治31年6月21日法律第11号)
第53条
 民法施行前より債務を負担する者か其施行の後に至り債務を履行せさるときは民法の規定に従ひ不履行の【責に任す】
○2前項の規定は債権者か債務の履行を受くることを拒み又は之を受くること能はさる場合に之を準用す


商法(明治32年3月9日法律第48号)

(自己の商号の使用を他人に許諾した商人の【責任】)
第14条
 自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する【責任】を負う。


(譲渡人の商号を使用した譲受人の【責任】等)
第17条
 営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する【責任】を負う。
2 前項の規定は、営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する【責任】を負わない旨を登記した場合には、適用しない。営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人及び譲渡人から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。
3 譲受人が第1項の規定により譲渡人の債務を弁済する【責任】を負う場合には、譲渡人の【責任】は、営業を譲渡した日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
4 第1項に規定する場合において、譲渡人の営業によって生じた債権について、その譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。

(譲受人による債務の引受け)
第18条
 譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡人の営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡人の債権者は、その譲受人に対して弁済の請求をすることができる。
2 譲受人が前項の規定により譲渡人の債務を弁済する【責任】を負う場合には、譲渡人の【責任】は、同項の広告があった日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。

(指図債権等の証券の提示と履行遅滞)
第517条
 指図債権又は無記名債権の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の【責任】を負う。

(自己の氏名等の使用を許諾した匿名組合員の【責任】)
第537条
 匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する【責任】を負う。

第549条
 仲立人か当事者の一方の氏名又は商号を其相手方に示ささりしときは之に対して自ら履行を為す【責に任す】

第553条
 問屋は委託者の為めに為したる販売又は買入に付き相手方か其債務を履行せさる場合に於て自ら其履行を為す【責に任す】但別段の意思表示又は慣習あるときは此限に在らす

第560条
 運送取扱人は自己又は其使用人か運送品の受取、引渡、保管、運送人又は他の運送取扱人の選択其他運送に関する注意を怠らさりしことを証明するに非されは運送品の滅失、毀損又は延著に付き損害賠償の【責を免るる】ことを得す

第566条
 運送取扱人の【責任】は荷受人か運送品を受取りたる日より1年を経過したるときは時効に因りて消滅す
○2前項の期間は運送品の全部滅失の場合に於ては其引渡あるへかりし日より之を起算す
○3前2項の規定は運送取扱人に悪意ありたる場合には之を適用せす

第577条
 運送人は自己若くは運送取扱人又は其使用人其他運送の為め使用したる者か運送品の受取、引渡、保管及ひ運送に関し注意を怠らさりしことを証明するに非されは運送品の滅失、毀損又は延著に付き損害賠償の【責を免るる】ことを得す

第578条
 貨幣、有価証券其他の高価品に付ては荷送人か運送を委託するに当たり其種類及ひ価額を明告したるに非されは運送人は損害賠償の【責に任せす】

第579条
 数人相次て運送を為す場合に於ては各運送人は運送品の滅失、毀損又は延著に付き連帯して損害賠償の【責に任す】

第581条
 運送品か運送人の悪意又は重大なる過失に因りて滅失、毀損又は延著したるときは運送人は一切の損害を賠償する【責に任す】

第588条
 運送人の【責任】は荷受人か留保を為さすして運送品を受取り且運送賃其他の費用を支払ひたるときは消滅す但運送品に直ちに発見すること能はさる毀損又は一部滅失ありたる場合に於て荷受人か引渡の日より2週間内に運送人に対して其通知を発したるときは此限に在らす
○2前項の規定は運送人に悪意ありたる場合には之を適用せす

第590条
 旅客の運送人は自己又は其使用人か運送に関し注意を怠らさりしことを証明するに非されは旅客か運送の為めに受けたる損害を賠償する【責を免るる】ことを得す
○2損害賠償の額を定むるに付ては裁判所は被害者及ひ其家族の情況を斟酌することを要す

第591条
 旅客の運送人は旅客より引渡を受けたる手荷物に付ては特に運送賃を請求せさるときと雖も物品の運送人と同一の【責任】を負ふ
○2手荷物か到達地に達したる日より1週間内に旅客か其引渡を請求せさるときは第524条の規定を準用す但住所又は居所の知れさる旅客には催告及ひ通知を為すことを要せす

第592条
 旅客の運送人は旅客より引渡を受けさる手荷物の滅失又は毀損に付ては自己又は其使用人に過失ある場合を除く外損害賠償の【責に任せす】

第594条
 旅店、飲食店、浴場其他客の来集を目的とする場屋の主人は客より寄託を受けたる物品の滅失又は毀損に付き其不可抗力に因りたることを証明するに非されは損害賠償の【責を免るる】ことを得す
○2客か特に寄託せさる物品と雖も場屋中に携帯したる物品か場屋の主人又は其使用人の不注意に因りて滅失又は毀損したるときは場屋の主人は損害賠償の【責に任す】
○3客の携帯品に付き【責任】を負はさる旨を告示したるときと雖も場屋の主人は前2項の【責任】を免るることを得す

第595条
 貨幣、有価証券其他の高価品に付ては客か其種類及ひ価額を明告して之を前条の場屋の主人に寄託したるに非されは其場屋の主人は其物品の滅失又は毀損に因りて生したる損害を賠償する【責に任せす】

第596条
 前2条の【責任】は場屋の主人か寄託物を返還し又は客か携帯品を持去りたる後1年を経過したるときは時効に因りて消滅す
○2前項の期間は物品の全部滅失の場合に於ては客か場屋を去りたる時より之を起算す
○3前2項の規定は場屋の主人に悪意ありたる場合には之を適用せす

第617条
 倉庫営業者は自己又は其使用人か受寄物の保管に関し注意を怠らさりしことを証明するに非されは其滅失又は毀損に付き損害賠償の【責を免るる】ことを得す

第626条
 寄託物の滅失又は毀損に因りて生したる倉庫営業者の【責任】は出庫の日より1年を経過したるときは時効に因りて消滅す
○2前項の期間は寄託物の全部滅失の場合に於ては倉庫営業者か預証券の所持人、若し其所持人か知れさるときは寄託者に対して其滅失の通知を発したる日より之を起算す
○3前2項の規定は倉庫営業者に悪意ありたる場合には之を適用せす

第640条
 戦争其他の変乱に因りて生したる損害は特約あるに非されは保険者之を填補する【責に任せす】

第641条
 保険の目的の性質若くは瑕疵、其自然の消耗又は保険契約者若くは被保険者の悪意若くは重大なる過失に因りて生したる損害は保険者之を填補する【責に任せす】

第645条
 前条の規定に依り保険者か契約の解除を為したるときは其解除は将来に向てのみ其効力を生す
○2保険者は危険発生の後解除を為したる場合に於ても損害を填補する【責に任せす】若し既に保険金額の支払を為したるときは其返還を請求することを得但保険契約者に於て危険の発生か其告け又は告けさりし事実に基かさることを証明したるときは此限に在らす

第653条
 保険者の【責任】か始まる前に於ては保険契約者は契約の全部又は一部の解除を為すことを得

第654条
 保険者の【責任】か始まる前に於て保険契約者又は被保険者の行為に因らすして保険の目的の全部又は一部に付き保険者の負担に帰すへき危険か生せさるに至りたるときは保険者は保険料の全部又は一部を返還することを要す

第656条
 保険期間中危険か保険契約者又は被保険者の【責に帰すへき事由】に因りて著しく変更又は増加したるときは保険契約は其効力を失ふ

第657条
 保険期間中危険か保険契約者又は被保険者の【責に帰すへからさる事由】に因りて著しく変更又は増加したるときは保険者は契約の解除を為すことを得但其解除は将来に向てのみ其効力を生す
○2前項の場合に於て保険契約者又は被保険者か危険の著しく変更又は増加したることを知りたるときは遅滞なく之を保険者に通知することを要す若し其通知を怠りたるときは保険者は危険の変更又は増加の時より保険契約か其効力を失ひたるものと看做すことを得
○3保険者か前項の通知を受け又は危険の変更若くは増加を知りたる後遅滞なく契約の解除を為ささるときは其契約を承認したるものと看做す

第659条
 保険の目的に付き保険者の負担すへき損害か生したるときは其後に至り其目的か保険者の負担せさる危険の発生に因りて滅失したるときと雖も保険者は其損害を填補する【責を免るる】ことを得す

第665条
 火災に因りて生したる損害は其火災の原因如何を問はす保険者之を填補する【責に任す】但第640条及ひ第641条の場合は此限に在らす

第666条
 消防又は避難に必要なる処分に因り保険の目的に付き生したる損害は保険者之を填補する【責に任す】

第669条
 保険者は特約なきときは運送人か運送品を受取りたる時より之を荷受人に引渡す時まてに生することあるへき損害を填補する【責に任す】

第680条
 左の場合に於ては保険者は保険金額を支払ふ【責に任せす】
1 被保険者か自殺、決闘其他の犯罪又は死刑の執行に因りて死亡したるとき
2 保険金額を受取るへき者か故意にて被保険者を死に致したるとき但其者か保険金額の一部を受取るへき場合に於ては保険者は其残額を支払ふ【責を免るる】ことを得す
3 保険契約者か故意にて被保険者を死に致したるとき
○2前項第1号及ひ第2号の場合に於ては保険者は被保険者の為めに積立てたる金額を保険契約者に払戻すことを要す

第690条
 船舶所有者は船長其他の船員が其職務を行ふに当たり故意又は過失に因りて他人に加へたる損害を賠償する【責に任ず】

第696条
 船舶共有者は其持分の価格に応し船舶の利用に付て生したる債務を弁済する【責に任す】

第702条
 船舶共有者の持分の移転又は其国籍喪失に因りて船舶か日本の国籍を喪失すへきときは他の共有者は相当代価を以て其持分を買取り又は其競売を裁判所に請求することを得
○2社員の持分の移転に因り会社の所有に属する船舶か日本の国籍を喪失すへきときは合名会社に在ては他の社員、合資会社に在ては他の無限【責任】社員は相当代価を以て其持分を買取ることを得

第705条
 船長は其職務を行ふに付き注意を怠らさりしことを証明するに非されは船舶所有者、傭船者、荷送人其他の利害関係人に対して損害賠償の【責を免るる】ことを得す
○2船長は船舶所有者の指図に従ひたるときと雖も船舶所有者以外の者に対しては前項に定めたる【責任を免るる】ことを得す

第706条
 海員か其職務を行ふに当たり他人に損害を加へたる場合に於て船長は監督を怠らさりしことを証明するに非されは損害賠償の【責を免るる】ことを得す

第707条
 船長か已むことを得さる事由に因りて自ら船舶を指揮すること能はさるときは法令に別段の定ある場合を除く外他人を選任して自己の職務を行はしむることを得此場合に於ては船長は其選任に付き船舶所有者に対して其【責に任す】

第712条
 船長は航海中最も利害関係人の利益に適すへき方法に依りて積荷の処分を為すことを要す
○2利害関係人は船長の行為に因り其積荷に付て生したる債権の為め之を債権者に委付して其【責を免るる】ことを得但利害関係人に過失ありたるときは此限に在らす

第739条
 船舶所有者は特約を為したるときと雖も自己の過失、船員其他の使用人の悪意若くは重大なる過失又は船舶か航海に堪へさるに因りて生したる損害を賠償する【責を免るる】ことを得す

第746条
 傭船者か前条の規定に従ひて契約の解除を為したるときと雖も附随の費用及ひ立替金を支払ふ【責を免るる】ことを得す
○2前条第2項の場合に於ては傭船者は前項に掲けたるものの外運送品の価格に応し共同海損又は救助の為め負担すへき金額を支払ふことを要す

第759条
 船舶の全部又は一部を以て運送契約の目的と為したる場合に於て傭船者か更に第三者と運送契約を為したるときは其契約の履行か船長の職務に属する範囲内に於ては船舶所有者のみ其第三者に対して履行の【責に任す】

第791条
 前2条の規定に依り共同海損を分担すへき者は船舶の到達又は積荷の引渡の時に於て現存する価額の限度に於てのみ其【責に任す】

第793条
 船荷証券其他積荷の価格を評定するに足るへき書類なくして船積したる荷物又は属具目録に記載せさる属具に加へたる損害は利害関係人に於て之を分担することを要せす
○2甲板に積込みたる荷物に加へたる損害亦同し但沿岸の小航海に在りては此限に在らす
○3前2項に掲けたる積荷の利害関係人と雖も共同海損を分担する【責を免るる】ことを得す

第816条
 保険者は本章又は保険契約に別段の定ある場合を除く外保険期間中保険の目的に付き航海に関する事故に因りて生したる一切の損害を填補する【責に任す】

第817条
 保険者は被保険者か支払ふへき共同海損の分担額を填補する【責に任す】但保険価額の一部を保険に付したる場合に於ては保険者の負担は保険金額の保険価額に対する割合に依りて之を定む

第818条
 船舶の保険に付ては保険者の【責任】か始まる時に於ける其価額を以て保険価額とす

第821条
 1航海に付き船舶を保険に付したる場合に於ては保険者の【責任】は荷物又は底荷の船積に著手したる時を以て始まる
○2荷物又は底荷の船積を為したる後船舶を保険に付したるときは保険者の【責任】は契約成立の時を以て始まる
○3前2項の場合に於て保険者の【責任】は到達港に於て荷物又は底荷の陸揚か終了したる時を以て終はる但其陸揚か不可抗力に因らすして遅延したるときは其終了すへかりし時を以て終はる

第822条
 積荷を保険に付し又は積荷の到達に因りて得へき利益若くは報酬を保険に付したる場合に於ては保険者の【責任】は其積荷か陸地を離れたる時を以て始まり陸揚港に於て其陸揚か終了したる時を以て終はる
○2前条第3項但書の規定は前項の場合に之を準用す

第824条
 保険者の【責任】か始まる前に於て航海を変更したるときは保険契約は其効力を失ふ
○2保険者の【責任】か始まりたる後航海を変更したるときは保険者は其変更後の事故に付き【責任】を負ふことなし但其変更か保険契約者又は被保険者の【責に帰すへからさる事由】に因りたるときは此限に在らす
○3到達港を変更し其実行に著手したるときは保険したる航路を離れさるときと雖も航海を変更したるものと看做す

第825条
 被保険者か発航を為し若くは航海を継続することを怠り又は航路を変更し其他著しく危険を変更若くは増加したるときは保険者は其変更又は増加以後の事故に付き【責任】を負ふことなし但其変更又は増加か事故の発生に影響を及ほささりしとき又は保険者の負担に帰すへき不可抗力若くは正当の理由に因りて生したるときは此限に在らす

第827条
 積荷を保険に付し又は積荷の到達に因りて得へき利益若くは報酬を保険に付したる場合に於て船舶を変更したるときは保険者は其変更以後の事故に付き【責任】を負ふことなし但其変更か保険契約者又は被保険者の【責に帰すへからさる事由】に因りたるときは此限に在らす

第829条
 保険者は左に掲けたる損害又は費用を填補する【責に任せす】
1 保険の目的の性質若くは瑕疵、其自然の消耗又は保険契約者若くは被保険者の悪意若くは重大なる過失に因りて生したる損害
2 船舶又は運送賃を保険に付したる場合に於て発航の当時安全に航海を為すに必要なる準備を為さす又は必要なる書類を備へさるに因りて生したる損害
3 積荷を保険に付し又は積荷の到達に因りて得へき利益若くは報酬を保険に付したる場合に於て傭船者、荷送人又は荷受人の悪意若くは重大なる過失に因りて生したる損害
4 水先案内料、入港料、燈台料、検疫料其他船舶又は積荷に付き航海の為めに出たしたる通常の費用

第830条
 共同海損に非さる損害又は費用か其計算に関する費用を算入せすして保険価額の100分の2を超えさるときは保険者は之を填補する【責に任せす】
○2右の損害又は費用か保険価額の100分の2を超えたるときは保険者は其全額を支払ふことを要す
○3前2項の規定は当事者か契約を以て保険者の負担せさる損害又は費用の割合を定めたる場合に之を準用す
○4前3項に定めたる割合は各航海に付き之を計算す

第831条
 保険の目的たる積荷か毀損して陸揚港に到達したるときは保険者は其積荷か毀損したる状況に於ける価額の毀損せさる状況に於て有すへかりし価額に対する割合を以て保険価額の一部を填補する【責に任す】

商法施行法(明治32年3月9日法律第49号)

第5条
 商法施行前に会社の無限【責任】社員と為ることを許されたる未成年者又は妻は商法施行の日より其会社の業務に関し之を能力者と看做す


参考)
非訟事件手続法(明治31年6月21日法律第14号)
第22条
 当事者か其【責に帰すへからさる事由】に因り即時抗告の期間を遵守すること能はさる場合に於ては其事由の止みたる後1週間内に限り懈怠したる行為の追完を為すことを得外国に在る当事者に付ては此期間は之を2月とす

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