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2007.10.30

平成17(ワ)829損害賠償請求本訴事件,報酬金等請求反訴事件

平成17(ワ)829損害賠償請求本訴事件,報酬金等請求反訴事件
平成19年09月28日さいたま地方裁判所第5民事部判決

裁判要旨
1 弁護士は,訴訟において,法律の専門家として適切に主張・立証を行うべき義務を負っているが,現実の訴訟において,どのような主張・立証を行い,どのような訴訟行為を選択すべきかは,原則として弁護士の専門的な知識,経験等に基づく適正な判断によって決すべき事項であり,当該弁護士が行った主張・立証が裁判所に受け入れられなかったとしても,当該主張・立証が弁護士として一般的に要求される水準に比して著しく不適切・不十分であるなどの特段の事情がない限り,注意義務違反とはならないとし,本件では建築訴訟における訴訟代理人であった本訴被告の主張や立証に注意義務違反はないとして,弁護過誤を否定した事案。
2 本訴被告に対し,本訴原告らが訴訟の結果如何に関わらずいかなる請求もしない旨の約束をしているなどの事情を認めた上で,本訴原告らは本件本訴請求が事実的,法律的に根拠が極めて弱いことを認識していながら,自分らの納得できない思いを本訴被告に向けており,その方法が過分な請求という被告に過度な負担を負わせるものであったということができるから,本件本訴の提起は,裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くといわざるを得ないとし,本件本訴の提起が不法行為に当たるとした事案。

判決文

主文
1 原告らは,被告に対し,連帯して,101万7733円及びこれに対する平成17年11月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告Aは,被告に対し,100万6419円及びこれに対する平成17年11月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告Bは,被告に対し,14万6919円及びこれに対する平成17年11月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らの本訴請求及び被告のその余の反訴請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,本訴反訴を通じ,これを10分し,その9を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。
6 この判決は,第1,2項に限り,仮に執行することができる。


事案の概要(判決文より)
本件本訴は,原告らが,弁護士として訴訟を受任した被告に対し,被告が建築訴訟において適切な証拠を提出しなかったことや建替の主張に固執し瑕疵修補の主張を行わなかったことにより,認容された金額が低くなったとして,主位的に,注意義務違反の債務不履行に基づき,適切な主張や証拠の提出が行われたとしたら認容されたであろう額と実際の認容額の差額の損害賠償及びこれに対する本訴状送達日からの遅延損害金の支払を,予備的に,適切な主張や証拠の提出が行われてより高額の請求が認容されることへの期待権が侵害されたとして,債務不履行に基づき,適切な主張や証拠の提出が行われたとしたら認容されたであろう額と実際の認容額の差額の損害賠償及びこれに対する本訴状送達日からの遅延損害金の支払を求める事案
本件反訴は,被告が,原告らに対し,建築訴訟において被告が原告らを訴訟代理したことの未払報酬合計200万5000円の支払及び建築訴訟後に原告らが申し立てた埼玉弁護士会への紛議調停及び本訴提起が名誉毀損に当たるなどとして不法行為に基づく慰謝料200万円の支払並びにこれらに対する反訴状送達日の翌日からの遅延損害金の支払を求める事案

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