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2007.10.22

平成19(受)301保険金請求事件 平成19年10月19日最高裁判所第二小法廷判決

平成19(受)301保険金請求事件
平成19年10月19日最高裁判所第二小法廷判決
破棄差戻し

原審
高松高等裁判所
平成18(ネ)100
平成18年11月28日判決

裁判要旨
自動車総合保険契約の人身傷害補償特約が,「自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により被保険者が身体に傷害を被ること」を保険金支払事由と定めている場合に,保険金の支払を請求する者が主張,立証すべき事項

判決文

主文
原判決を破棄する。
本件を高松高等裁判所に差し戻す。

判決文より
『次のような内容の人身傷害補償特約(以下「本件特約」という。)が付加されていた。
ア 被上告人は,日本国内において,次の各号のいずれかに該当する急激かつ偶然な外来の事故により,被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者又はその父母,配偶者若しくは子が被る損害に対して,この特約に従い,保険金を支払う。
(ア) 自動車の運行に起因する事故(以下「運行起因事故」という。)
(イ) 被保険自動車の運行中の,飛来中若しくは落下中の他物との衝突,火災,爆発又は被保険自動車の落下(以下「運行中事故」という。)
イ アに記載された傷害には,日射,熱射又は精神的衝動による障害を含まない(以下「本件傷害除外条項」という。)。
ウ 被上告人は,被保険者の極めて重大な過失によって生じた損害については,保険金を支払わない。
エ 被上告人は,被保険者がアに記載された事故の直接の結果として死亡したときは,死亡による損害(葬祭料,逸失利益,精神的損害及びその他の損害)につき保険金を支払
本件特約と同様に被保険者が急激かつ偶然な外来の事故によってその身体に被った傷害に対して保険金を支払う旨定めた傷害保険普通保険約款には,被保険者の脳疾患,疾病又は心神喪失によって生じた傷害に対しては,保険金を支払わない旨の条項(第3条①(5)。以下「疾病免責条項」という。)が存在するが,本件特約には疾病免責条項は存在しない。また,傷害保険普通保険約款には,本件傷害除外条項と同内容の条項は存在しない。』
『前記事実関係によれば,本件特約は,急激かつ偶然な外来の事故のうち運行起因事故及び運行中事故(以下,併せて「運行事故」という。)に該当するものを保険事故としている。本件特約にいう「外来の事故」とは,その文言上,被保険者の身体の外部からの作用による事故をいうと解されるので(最高裁平成19年(受)第95号同年7月6日第二小法廷判決・裁判所時報1439号6頁参照),被保険者の疾病によって生じた運行事故もこれに該当するというべきである。本件特約は,傷害保険普通保険約款には存在する疾病免責条項を置いておらず,また,本件特約によれば,運行事故が被保険者の過失によって生じた場合であっても,その過失が故意に準ずる極めて重大な過失でない限り,保険金が支払われることとされていることからすれば,運行事故が被保険者の疾病によって生じた場合であっても保険金を支払うこととしているものと解される。
このような本件特約の文言や構造等に照らせば,保険金請求者は,運行事故と被保険者がその身体に被った傷害(本件傷害除外条項に当たるものを除く。)との間に相当因果関係があることを主張,立証すれば足りるというべきである。』


平井利明のメモ

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