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2007.10.17

「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案( 第二次試案)」における診療行為関連死と刑事処分・行政処分・民事処分等との絡みについて」

「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に
関する試案― 第二次試案 ―」(平成19年10月厚生労働省)と刑事事件等の絡みに関する抜粋

1.委員会の下に設置される地方ブロック分科会は、個別の事例の評価及び調査報告書の作成・決定を行う。

2.個別の事例の評価及び調査報告書原案の作成は、分科会の下に置かれるチームが担当する(解剖担当医(病理医や法医)臨床医、医師以外の医療従事者(例えば、薬剤師や看護師)、法律関係者遺族の立場を代表する者等により構成される。)。

3.同様の事例の再発防止、医療事故の発生動向の正確な把握、医療に係る透明性の向上等を図るため、医療機関からの診療関連死の届出を義務化する。
なお、届出を怠った場合には何らかのペナルティを科すことができることとする。

4.届出対象となる診療関連死の範囲については、現在の医療事故情報収集等事業の「医療機関における事故等の範囲」を踏まえて定める。

5.診療関連死については、全ての事例について委員会を主管する大臣がまず届出を受理し、必要な場合には警察に通報する(診療関連死の中にも刑事責任を追及すべき事例もあり得ることから、警察に対して速やかに連絡される仕組みとする。)。
なお、本制度に基づく届出と医師法第21条に基づく届出については、本制度に基づく届出がなされた場合における医師法第21条に基づく届出の在り方について整理する。

6.遺族からの相談も受け付け、医療機関からの届出がなされていない事例であっても、診療関連死が発生したおそれが認められる場合は、調査を開始する。

7.調査報告書遺族及び医療機関へ交付するとともに、公表を行う

8.行政処分民事紛争及び刑事手続における判断が適切に行われるよう、これらにおいて委員会の調査報告書を活用できることとする。また、以下の点についても、改革を進める。

行政処分の在り方について
① 行政処分は、委員会の調査報告書を活用し、医道審議会等の既存の仕組みに基づいて行う。
② 個人に対する処分のみではなく、医療機関への改善勧告等のシステムエラーに対応する仕組みを設ける。

刑事手続について
① 警察に通報された事例や遺族等から警察に直接相談等があった場合における捜査と委員会の調査との調整を図るための仕組みを設ける。
② 事例によっては、委員会の調査報告書は、刑事手続で使用されることもあり得る


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【上記抜粋のまとめ】(この部分,10月25日加筆)

1.調査報告書の使途に関して

行政処分に活用
刑事手続にも
民事事件の証拠

なお,調査報告書は,医療機関・遺族に交付され公表される。

よって, 調査報告書は,医師等の医療従事者等に対する,懲戒処分,損害賠償,刑罰の全てに影響を与える

2.調査報告書の作成経過
   
原案の作成         
 チームが行う
  【チームのメンバー】
   解剖担当医(病理医や法医)や臨床医
       医師以外の医療従事者(例えば、薬剤師や看護師)
       法律関係者
       遺族の立場を代表する者
       等

作成・決定
  地方ブロック分科会 が行う(委員会の地方版)
    参考:委員会 (中央)
           【委員会のメンバー】
                 医療従事者(臨床医,病理医,法医等)
                 法律関係者
                 遺族の立場を代表する者
                 等
調査対象事例は,当面,死亡事例のみ
遺族からの相談も受け付け,医療機関からの届出がなされていない事例であっても,診療関連死が発生したおそれが認められる場合は,調査を開始

3.届出等

医療機関→(届出)→ 大臣
     (ケースにより)警察への通報
     届出は義務:違反にはペナルティ

  大臣→(調査依頼)→委員会

4.届出等の対象
「診療関連死」
    現在の医療事故情報収集等事業の「医療機関における事故等の範囲」を踏まえて定める
    参考:医療事故情報収集等事業要綱
http://jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/med-safe/youkou.pdf


パブリックコメントを求めているということは,よほどのことがない限り,このまま制度化させるという方針となったということなのだろう。
それはさておき,制度の適用を受けるのは医療従事者ということになるのだが,ここ数日,何人かの医療従事者(管理的立場の方も含む)と話をする機会があったが,この制度について御存じの方は残念ながら皆無であった。なお,私の知る限りにおいて,厚生労働省が,新たに考えている制度について医療機関側に周知徹底をはかっている事実は見受けられないように感じられる(なお,第2次試案が公表されて殆ど日を経ていない)。
第2次試案は,調査報告書が,懲戒や刑事罰に直結することを肯定していると言わざるを得ないが,そのような「新しい仕組みにより、(中略)、医療従事者が萎縮することなく医療を行える環境を整えていかなければならない。」ということになるのだろうか?
個人的に感じるのだが,一定の効果は見込めるのだがリスクが高ければその医療行為は行わない等の今現在進行しつつある萎縮が,より進行することになる可能性があるのではないか,そう感じてしまう。
仮に,そのような事態になった場合に,損失を被ることになるのは多くの国民となる。
新たな研修制度が,地方病院の医師を激減させ,その結果,地方の患者が治療を受ける機会を奪われているということが現実に発生している。一つの制度の変革は,それほど大きな影響力を有している。
今回導入しようとする制度は,それに匹敵するような影響力が(おそらく目に見えない個所で)進行すると思うだけに,十分な議論が必要だと個人的に思うのである。

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パブリックコメントの募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495070148&OBJCD=&GROUP=

案件番号 495070148
意見募集中案件名
「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」に対する意見募集について
定めようとする命令等の題名
「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」
行政手続法に基づく手続であるか否か:任意の意見募集
案の公示日 2007年10月17日
意見・情報受付開始日 2007年10月17日
意見・情報受付締切日 2007年11月2日
関連ファイル 意見公募要領(抜粋)
募集案件の内容(第二次試案Word)
募集案件の内容(第二次試案PDF)
関連資料、
その他 診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関する課題と検討の方向性(平成19年3月厚生労働省)
これまでの議論の整理(平成19年8月公表)

参考)
12月5日
刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み―診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案―第二次試案―について―(日医NEWSより)

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