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2007.11.27

監査法人及び公認会計士の懲戒処分の例(金融庁)

「監査法人及び公認会計士の懲戒処分等について」
平成19年11月22日付金融庁

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監査法人:業務の一部の停止1ヶ月(契約の新規の締結に関する業務の停止)
財務書類に係る監査において、同監査法人の業務執行社員が、相当の注意を怠り、重大な虚偽又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽及び脱漏のないものとして証明した。

公認会計士(2名):いずれも業務停止6ヶ月
財務書類に係る監査において相当の注意を怠り、重大な虚偽又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽及び脱漏のないものとして証明した。

S社は、グループ会社の株主の名義を偽装するなどの方法により、本来連結すべき子会社を連結せず、子会社がないので連結財務諸表を作成していないとする重大な虚偽又は脱漏のある財務書類を添付した有価証券報告書を東海財務局へ提出した。
本財務書類に関し、当該業務執行社員の行った証券取引法に基づく監査証明については、以下の問題が認められた。
①公認会計士1名は、過年度に行ったS社に関する連結の判断のみに依拠し、関係会社に対する調査を行わなかったことから、子会社間の株式持合等を考慮すれば、S1社が子会社に該当する要件を満たしているということに気が付かず、連結の必要性の検討を行わなかった
また、平成16年12月に当該持合関係に気が付いたものの、S社より持合関係を解消させる等の説明があったことにより、当該有限会社を連結しないことを容認し、S社の同社に対する実質的な支配力の検討を怠った
さらに、監査調書の査閲を怠り、監査補助者が、S社と関係会社間の貸付金について、通常の取引関係では考えられない取引が行われている旨の指摘を行っていたことに気が付かず、S社の関係会社に対する実質的な支配力の検討を行わなかった
②公認会計士1名は、各担当者が監査調書に記載した指摘事項を取りまとめるのみで、自らはその内容についての判断を行っていなかったことから、上記のとおり、もう一方の業務執行社員が連結に関する判断を行っていないことに気が付かず、自らも連結の範囲の判定を行わないまま監査意見を表明した。
また、監査補助者の指摘について、もう一方の業務執行社員と協議をしなかったため、期末の貸付金残高に影響がないため問題がないと判断し、法人の審査会へ指摘事項を付議せず、自らも連結の範囲の判定を行わないまま監査意見を表明した。
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とのこと。
処分結果が重いか,軽いかは色々意見のありそうなところのように思えるが,「実質的な支配力」というものは,項目的及び数量的に把握しにくいものであるだけに,事前にチェックリスト等を作成してそれに基づいて対象となるかどうかのあたりをつける等のことを行っておかないと,同様の指摘にて処分を受けてしまうということになってしまう例も少なくないような。
それでも対象会社が真実の回答を行わなかったときのことを考えて,他にどのような調査を行うべきなのか。
どこまでが現実的なのか,判断に迷う難しい問題。

平井利明のメモ

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