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2008.02.29

平成20年02月29日最高裁判所第二小法廷判決(賃料減額請求関連)

平成18(受)192賃料減額確認請求本訴,同反訴事件
平成20年02月29日最高裁判所第二小法廷判決

【破棄差戻し】

原審
大阪高等裁判所平成17年10月25日判決   
平成16(ネ)3454

裁判要旨
賃料自動改定特約のある建物賃貸借契約の賃借人から賃料減額請求がされた場合において,当事者が現実に合意した直近の賃料を基にすることなく,上記特約によって増額された賃料を基にして,増額された日から当該請求の日までの間に限定して経済事情の変動等を考慮した原審の判断に違法があるとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=35877&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080229105542.pdf

判決文より
「 原審は借地借家法32条1項の規定の解釈を誤ったというものであるので,この点について判断する。」
借地借家法32条1項の規定は,強行法規であり,賃料自動改定特約によってその適用を排除することはできないものである(最高裁昭和28年(オ)第861号同31年5月15日第三小法廷判決・民集10巻5号496頁,最高裁昭和54年(オ)第593号同56年4月20日第二小法廷判決・民集35巻3号656頁,最高裁平成14年(受)第689号同15年6月12日第一小法廷判決・民集57巻6号595頁参照)。そして,同項の規定に基づく賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては,賃貸借契約の当事者が現実に合意した賃料のうち直近のもの(以下,この賃料を「直近合意賃料」という。)を基にして,同賃料が合意された日以降の同項所定の経済事情の変動等のほか,諸般の事情を総合的に考慮すべきであり,賃料自動改定特約が存在したとしても,上記判断に当たっては,同特約に拘束されることはなく,上記諸般の事情の一つとして,同特約の存在や,同特約が定められるに至った経緯等が考慮の対象となるにすぎないというべきである。」
「したがって,本件各減額請求の当否及び相当純賃料の額は,本件各減額請求の直近合意賃料である本件賃貸借契約締結時の純賃料を基にして,同純賃料が合意された日から本件各減額請求の日までの間の経済事情の変動等を考慮して判断されなければならず,その際,本件自動増額特約の存在及びこれが定められるに至った経緯等も重要な考慮事情になるとしても,本件自動増額特約によって増額された純賃料を基にして,増額前の経済事情の変動等を考慮の対象から除外し,増額された日から減額請求の日までの間に限定して,その間の経済事情の変動等を考慮して判断することは許されないものといわなければならない。本件自動増額特約によって増額された純賃料は,本件賃貸契約締結時における将来の経済事情等の予測に基づくものであり,自動増額時の経済事情等の下での相当な純賃料として当事者が現実に合意したものではないから,本件各減額請求の当否及び相当純賃料の額を判断する際の基準となる直近合意賃料と認めることはできない。」
「しかるに,原審は,第1減額請求については,本件自動増額特約によって平成7年12月1日に増額された純賃料を基にして,同日以降の経済事情の変動等を考慮してその当否を判断し,第2減額請求については,本件自動増額特約によって平成9年12月1日に増額された純賃料を基にして,同日以降の経済事情の変動等を考慮してその当否を判断したものであるから,原審の判断には,法令の解釈を誤った違法があり,この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。」

平井利明のメモ

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