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2008.02.11

法定債権関係と契約関係の差異は?

上村教授の「金融商品取引法がめざすもの」(コーポレートコンプライアンス季刊第8号)に,「説明義務というのは,銀行のカウンターがあって,通りを歩いている人が看板を見て曲がって,ここに座るともう説明義務があるんですよ。どうしてか。まだ買ってもいない人に対して義務と責任があるという概念を民法の理論では説明できないのです。判例は,信義誠実の原則だと言ってきたわけです。信義誠実というのは,権利や義務を行使する仕方が信義誠実にかなってないといけないという意味であって,信義誠実というものが抽象的にそこにあって,そこから義務や責任が発生するわけがないわけです。」(36~37p)との指摘があった。

・・・・・・。

民法が一種の価値観の下において,私的自治や意思表示或いは契約がその根幹をなしているものであることは疑いのない事実だろう。
しかし,それは大きく揺らいでいるというのが実情か。

仮に,信義則が,何らかの社会的接点を持つことによって何らかの法的効果を生じさせる法律上の理屈だとすれば,一定の事実関係の発生に法的効果を持たせるいわゆる法定債権関係とどこが異なるのだろうかとも考えることになる。
更に言うなれば,自らが(意思)決定したことも一定の事実関係だととらまえると統一して解釈できることにもなる。
このようなことになれば,民法の体系等は大きく変わることになるのだろうし,そうであるべきなのだろう。
そうでなければ,社会に生起する様々な関係を規律する術がないように感ずる。

平井利明のメモ

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