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2008.03.28

平成20年03月27日最高裁判所第一小法廷判決(過失相殺関連)

平成18(受)1870損害賠償請求事件
平成20年03月27日最高裁判所第一小法廷判決

破棄差戻し

原審
札幌高等裁判所平成18年07月20日判決    
平成17(ネ)135 

裁判要旨
業務上の過重負荷と従業員の基礎疾患とが共に原因となって従業員が急性心筋虚血により死亡した場合において,使用者の不法行為を理由とする損害賠償の額を定めるに当たり過失相殺に関する民法722条2項の規定を類推適用しなかった原審の判断に違法があるとされた事例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36195&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080327161954.pdf

判決文よりの抜粋
「被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した場合において,当該疾患の態様,程度等に照らし,加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,民法722条2項の規定を類推適用して,被害者の疾患をしんしゃくすることができる(最高裁昭和63年(オ)第1094号平成4年6月25日第一小法廷判決・民集46巻4号400頁参照)。」
「このことは,労災事故による損害賠償請求の場合においても,基本的に同様であると解される。」
「また,同項の規定による過失相殺については,賠償義務者から過失相殺の主張がなくとも,裁判所は訴訟にあらわれた資料に基づき被害者に過失があると認めるべき場合には,損害賠償の額を定めるに当たり,職権をもってこれをしんしゃくすることができる(最高裁昭和39年(オ)第437号同41年6月21日第三小法廷判決・民集20巻5号1078頁参照)。」
「このことは,同項の規定を類推適用する場合においても,別異に解すべき理由はない。」

「原審は,前記3(1)記載の理由により,上告人が原審において過失相殺に関する規定の類推適用を主張することは訴訟上の信義則に反するものとして許されないというのであるが,そもそも,裁判所が過失相殺に関する規定を類推適用するには賠償義務者によるその旨の主張を要しないことは前述のとおりであり,」
「この点をおくとしても,前記2(2)記載の本件訴訟の経過にかんがみれば,第1審の段階では上告人においてAが家族性高コレステロール血症にり患していた事実を認識していなかったことがうかがわれるのであって,上告人の上記主張が訴訟上の信義則に反するものということもできない。」
「 そうすると,上告人の不法行為を理由とする被上告人らに対する損害賠償の額を定めるに当たり過失相殺に関する規定(民法722条2項)の類推適用をしなかった原審の判断には,過失相殺に関する法令の解釈適用を誤った違法があるというべきである。」

平井利明のメモ

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