« 特急ひだ | トップページ | 本日から平成20年度新司法試験 »

2008.05.13

平成19(ク)1128婚姻費用分担審判に対する抗告審の変更決定に対する特別抗告事件(不利益変更に際する配慮について)

平成19(ク)1128婚姻費用分担審判に対する抗告審の変更決定に対する特別抗告事件
平成20年05月08日最高裁判所第三小法廷決定

原審
東京高等裁判所平成19年10月11日決定   
平成19(ラ)1257

裁判要旨
婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことと憲法32条

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36346&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080513092941.pdf

多数意見の抜粋(判決文より)
「本件抗告理由において,抗告人は,原決定までの間に更に仮払金を支払ったと主張している。仮に抗告人の主張するような仮払金支払の事実があったとすれば,抗告人は,原決定の執行力を排除するために,その事実を異議の事由として請求異議の訴えを提起することができるものと考えられるが,本来,仮払金支払の事実の有無については,原審において審理されるべきものである。ところが,本件記録によれば,原審においては,抗告人に対して相手方から即時抗告があったことを知らせる措置が何ら執られていないことがうかがわれ,抗告人は原審において上記主張をする機会を逸していたものと考えられる。そうであるとすると,原審においては十分な審理が尽くされていない疑いが強いし,そもそも本件において原々審の審判を即時抗告の相手方である抗告人に不利益なものに変更するのであれば,家事審判手続の特質を損なわない範囲でできる限り抗告人にも攻撃防御の機会を与えるべきであり,少なくとも実務上一般に行われているように即時抗告の抗告状及び抗告理由書の写しを抗告人に送付するという配慮が必要であったというべきである。以上のとおり,原審の手続には問題があるといわざるを得ないが,この点は特別抗告の理由には当たらないところである。」

いずれも弁護士出身となる
田原睦夫最高裁判事の補足意見
那須弘平最高裁判事の反対意見
がある。

いずれにせよ,不利益変更に際して,不利益を被るものに一言も言わせる機会すら与えない裁判官がいること,それも(東京)高等裁判所にすら存在する現実を考えると怖ろしいことである。

平井利明のメモ

|

« 特急ひだ | トップページ | 本日から平成20年度新司法試験 »

裁判例」カテゴリの記事