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2008.07.08

平成16年02月20日最高裁判所判決 (預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用している場合における譲受人の預託金返還義務の有無について:積極)

平成14(受)399預託金返還請求事件
平成16年02月20日最高裁判所第二小法廷判決
第58巻2号367頁

【破棄差し戻し】

原審
大阪高等裁判所平成13年12月07日判決   
平成13(ネ)2776

判示事項
ゴルフ場の営業の譲受人が譲渡人の用いていた預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用している場合における譲受人の預託金返還義務の有無

裁判要旨
預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の営業の譲渡がされ,譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには,譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,譲受人は,商法26条1項の類推適用により,会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25131&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/CA454C84D49D3AAD49256EDE0026A501.pdf

事案の概要(判決文より)
「上告人が,被上告人に対し,本件ゴルフ場の営業を譲り受け,本件クラブの名称を継続して使用している被上告人は,商法26条1項の類推適用により,本件預託金の返還義務を負うべきであると主張して,本件預託金及び遅延損害金の支払を求める事案である。なお,原判決においては,被上告人が上記営業を譲り受けるに際しAが本件クラブの会員に対して負担している預託金返還債務の引受けをしたという事実は,認定されていない。」

預託金会員制のゴルフクラブが設けられているゴルフ場の営業においては,当該ゴルフクラブの名称は,そのゴルフクラブはもとより,ゴルフ場の施設やこれを経営する営業主体をも表示するものとして用いられることが少なくない。本件においても,前記の事実関係によれば,Aから営業を譲り受けた被上告人は,本件クラブの名称を用いて本件ゴルフ場の経営をしているというのであり,同クラブの名称が同ゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられているとみることができる。このように,
【要旨】預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の営業の譲渡がされ,譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,会員において,同一の営業主体による営業が継続しているものと信じたり,営業主体の変更があったけれども譲受人により譲渡人の債務の引受けがされたと信じたりすることは,無理からぬものというべきである。したがって,譲受人は,上記特段の事情がない限り,商法26条1項の類推適用により,会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当である。」
「以上のとおりであるから,本件において上記特段の事情の存否につき審理判断することなく商法26条1項の類推適用を否定した原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は,上記の趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上記特段の事情の存否について更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。」

平井利明のメモ

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