« パフェはいかが? | トップページ | 箕面はみぞれ »

2008.12.26

民法(債権法)改正に関する研修会(大阪弁護士会)

昨日は午後3時から午後5時まで
大阪弁護士会2階大ホールにて
法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与
民法(債権法)改正検討委員会事務局長
(前東京大学大学院法学政治学研究科教授)
内田貴先生による
「民法(債権法)改正について」

1.これまでの経緯と今後のスケジュール
2.改正の必要性と改正の論点
 1)「市民(国民)のための民法」の必要性
 2)現代化の必要性
   契約のコンセプト
     契約交渉過程の義務
   過失責任主義
     損害賠償・解除
   売主の担保責任
     契約責任の明確化
   債権譲渡法制
   典型契約
     サービス(役務提供)契約
     ファイナンスリース
   消滅時効
   一人計算
3.再法典化の必要
   商行為法
   消費者契約法
   その他(労働契約法・借地借家法等)
4.統一化への発信の必要性
という主な項目について力の入ったご講演であった。
興味深く拝聴させて頂いた。

改正の必要性を裏付ける一つの理由である,「条文を読めば一般人でもだいたいわかるということの必要性」
これは私もかねてから思っていることである。
殆どの法律は,読めばだいたいの内容はわかる(テクニカルすぎてわからないものも少なくないが)。
しかし,誤解を生むことを覚悟して言うならば,歴史が古く且つ研究者が多い法律(それだけに重要ということでもあって研究対象と成りやすいということでもある)ほど,条文を読んでも分からないものとなっている。文理と実際の適用内容に乖離がありすぎる。民法もその例に属する。
しかしながら基本的でかつ生活に密着する法律であれば,誰が読んでもほぼ同じ内容が導かれるものでなければおかしい。明らかに文理から乖離するような運用がまかり通っている生活密着の法律を放置しておくこと事態,不適切なことと言わなければならない(政治的背景が絡む法律は考えるべき特殊な事情があるのでそれは別論といわざるをえないが)。
民事訴訟法の改正の際には,(それ以前には,基本法の大改正がなかったためやむを得ない部分はあるが),解釈がほぼ固まっているにもかかわらず,文理との乖離がある部分の修正が放置された部分が少なからずあった。このことは非常に残念だった。
今度の債権法の改正において,そのあたりがどの程度満足されるものに至るのだろうか。興味深い。

改正部分の細かい話については,末尾のサイトでチェックする方が妥当だと思うのであまり示さないが,「商人」概念の適性がほぼ妥当でないとされてしまっている昨今,消費者契約法におけるような「事業者」概念が「商人」概念に代わるものとして登場しそうだ。我が国における契約の殆どは事業者間あるいは事業者と非事業者(=消費者?)間の契約であって非事業者間での契約はあまり無いことを考えると,事業者概念は重要な位置づけを持つこと意成るのだろう。

また,契約によって何事も決定する(例えば,損害賠償の範囲等・・・・)ということが重視されるようだが,何事をも決定しようとしない人が少なくないように思えることを考えると,実際における運用として大丈夫なのだろうかとも感じられる(思うところは多いが,とりあえずここでは置く)。

民法の債権法という基本法の中の実社会に大きな影響を与える部分に関する事柄だけに考えるネタには尽きない。
今後,色々な議論が出されてくるのだろうが,その意見において我が国の実情が見えても来るのだろう。

「民法(債権法)改正検討委員会」
Japanese Civil Code (Law of Obligations)
Reform Commission
http://www.shojihomu.or.jp/saikenhou/

平井利明のメモ

|

« パフェはいかが? | トップページ | 箕面はみぞれ »

法律関連」カテゴリの記事