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2009.03.26

平成21年03月10日最高裁判所第三小法廷判決(株主代表訴訟の対象となる取締役の責任の範囲)

平成19(受)799所有権移転登記手続請求事件
平成21年03月10日最高裁判所第三小法廷判決

【原判決のうち予備的請求に関する部分を破棄差戻し】

原審
大阪高等裁判所   
平成18(ネ)1855
平成19年02月08日判決

裁判要旨
株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,同法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている厳格な責任のほか,取締役が会社との取引により負担した債務についての責任も含まれる

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37404&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090310111446.pdf

Aの株主である上告人が,Aの買い受けた土地について,同社の取締役である被上告人に所有権移転登記がされているなどと主張して,被上告人に対し,平成17年法律第87号による改正前の商法(以下,単に「商法」という。)267条1項の規定に基づき,Aへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続をすることを求める株主代表訴訟

昭和25年法律第167号により導入された商法267条所定の株主代表訴訟の制度は,取締役が会社に対して責任を負う場合,役員相互間の特殊な関係から会社による取締役の責任追及が行われないおそれがあるので,会社や株主の利益を保護するため,会社が取締役の責任追及の訴えを提起しないときは,株主が同訴えを提起することができることとしたものと解される。そして,会社が取締役の責任追及をけ怠するおそれがあるのは,取締役の地位に基づく責任が追及される場合に限られないこと同法266条1項3号は,取締役が会社を代表して他の取締役に金銭を貸し付け,その弁済がされないときは,会社を代表した取締役が会社に対し連帯して責任を負う旨定めているところ,株主代表訴訟の対象が取締役の地位に基づく責任に限られるとすると,会社を代表した取締役の責任は株主代表訴訟の対象となるが,同取締役の責任よりも重いというべき貸付けを受けた取締役の取引上の債務についての責任は株主代表訴訟の対象とならないことになり,均衡を欠くこと取締役は,このような会社との取引によって負担することになった債務(以下「取締役の会社に対する取引債務」という。)についても,会社に対して忠実に履行すべき義務を負うと解されることなどにかんがみると,同法267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役の地位に基づく責任のほか,取締役の会社に対する取引債務についての責任も含まれると解するのが相当である。

平井利明のメモ

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