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2009.05.18

平成21年04月23日最高裁判所第一小法廷判決(建物の区分所有等に関する法律70条の合憲性)

平成20(オ)1298所有権移転登記手続等請求事件
平成21年04月23日最高裁判所第一小法廷判決

原審
大阪高等裁判所   
平成19(ネ)3386
平成20年05月19日

裁判要旨
建物の区分所有等に関する法律70条は,憲法29条に違反しない

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37541&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090423151822.pdf

判決文より
「(2) 区分所有権は,1棟の建物の中の構造上区分された各専有部分を目的とする所有権であり(区分所有法1条,2条1項,3項),廊下や階段など,専有部分の使用に不可欠な専有部分以外の建物部分である共用部分は,各専有部分の所有者(区分所有者)が専有部分の床面積の割合に応じた持分を有する共有に属し,その持分は専有部分の処分に従うものとされている(同法2条2項,4項,4条,11条,14条,15条)。また,専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利である敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には,区分所有者の集会の決議によって定められた規約に別段の定めのある場合を除き,区分所有者は敷地利用権を専有部分と分離して処分することはできないものとされている(同法2条6項,22条)。このように,区分所有権は,1棟の建物の1部分を構成する専有部分を目的とする所有権であり,共用部分についての共有持分や敷地利用権を伴うものでもある。したがって,区分所有権の行使(区分所有権の行使に伴う共有持分や敷地利用権の行使を含む。以下同じ。)は,必然的に他の区分所有者の区分所有権の行使に影響を与えるものであるから,区分所有権の行使については,他の区分所有権の行使との調整が不可欠であり,区分所有者の集会の決議等による他の区分所有者の意思を反映した行使の制限は,区分所有権自体に内在するものであって,これらは,区分所有権の性質というべきものである。区分所有建物について,老朽化等によって建替えの必要が生じたような場合に,大多数の区分所有者が建替えの意思を有していても一部の区分所有者が反対すれば建替えができないということになると,良好かつ安全な住環境の確保や敷地の有効活用の支障となるばかりか,一部の区分所有者の区分所有権の行使によって,大多数の区分所有者の区分所有権の合理的な行使が妨げられることになるから,1棟建替えの場合に区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができる旨定めた区分所有法62条1項は,区分所有権の上記性質にかんがみて,十分な合理性を有するものというべきである。そして,同法70条1項は,団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば,団地内区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で団地内全建物一括建替えの決議ができるものとしているが,団地内全建物一括建替えは,団地全体として計画的に良好かつ安全な住環境を確保し,その敷地全体の効率的かつ一体的な利用を図ろうとするものであるところ,区分所有権の上記性質にかんがみると,団地全体では同法62条1項の議決要件と同一の議決要件を定め,各建物単位では区分所有者の数及び議決権数の過半数を相当超える議決要件を定めているのであり,同法70条1項の定めは,なお合理性を失うものではないというべきである。また,団地内全建物一括建替えの場合,1棟建替えの場合と同じく,上記のとおり,建替えに参加しない区分所有者は,売渡請求権の行使を受けることにより,区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すこととされているのであり(同法70条4項,63条4項),その経済的損失については相応の手当がされているというべきである。
(3) そうすると,規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば,区分所有法70条は,憲法29条に違反するものではない。このことは,最高裁平成12年(オ)第1965号,同年(受)第1703号同14年2月13日大法廷判決・民集56巻2号331頁の趣旨に徴して明らかである。」

平井利明のメモ

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