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2009.05.15

平成21年04月23日最高裁判所第一小法廷判決(住民訴訟と弁護士費用関連)

平成19(受)2069弁護士報酬請求事件
平成21年04月23日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判】

原審
大阪高等裁判所   
平成19(ネ)1438
平成19年09月28日

裁判要旨
1 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう弁護士報酬の「相当と認められる額」の意義
2 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう弁護士報酬の「相当と認められる額」についての原審の認定判断に違法があるとされた事例 
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37542&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090423153236.pdf

判決文より
「法242条の2の定める住民訴訟は,住民が,自己の個人的な権利利益の保護救済を求めて提起するものではなく,地方財務行政の適正な運営を確保することを目的として,自己を含む住民全体の利益のために,いわば公益の代表者として提起するものであり,これに勝訴すると,結果として普通地方公共団体の財務会計上の違法な行為又は怠る事実が防止され又は是正されることになる。特に,旧4号住民訴訟は,住民が普通地方公共団体に代わって提起するものであり,この訴訟において住民が勝訴したときは,そこで求められた是正等の措置が本来普通地方公共団体の自ら行うべき事務であったことが明らかとなり,かつ,これにより普通地方公共団体が現実に経済的利益を受けることになるのであるから,住民がそのために費やした費用をすべて負担しなければならないとすることは,衡平の理念に照らし適当と- 5 -はいい難い。そこで,同条7項は,旧4号住民訴訟を提起した住民が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合に,その訴訟を委任した弁護士に支払うべき報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を普通地方公共団体に対して請求することができることとしたのである。法242条の2第7項の以上のような立法趣旨に照らすと,同項にいう「相当と認められる額」とは,旧4号住民訴訟において住民から訴訟委任を受けた弁護士が当該訴訟のために行った活動の対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいい,その具体的な額は,当該訴訟における事案の難易,弁護士が要した労力の程度及び時間,認容された額,判決の結果普通地方公共団体が回収した額,住民訴訟の性格その他諸般の事情を総合的に勘案して定められるべきものと解するのが相当である。前記事実関係によれば,別件訴訟の判決認容額は1億3000万円を超え,判決の結果被上告人は約9500万円を既に回収しているというのであるから,被上告人は現実にこれだけの経済的利益を受けているのであり,別件訴訟に関する「相当と認められる額」を定めるに当たっては,これら認容額及び回収額は重要な考慮要素となる。住民訴訟の目的,性質を考慮したとしても,上記の考慮要素をもって,原審のように,一般的に,従たる要素として他の要素に加味する程度にとどめるのが相当であるということはできない。一方,原審は,別件訴訟の事案が特に易しいものであったとか,別件受任弁護士らが訴訟追行に当たり要した労力の程度及び時間がかなり小さなものであったなど,「相当と認められる額」を大きく減ずべき事情については何ら認定説示しておらず,むしろ,別件受任弁護士らは訴訟追行に当たり相当の労力を要したことが推認されるなどと説示しているのである。そうすると,原審は,一つの重要な考慮要素と認められる前記認容額及び回収額についてほとんど考慮することなく別件訴訟に関する「相当と認められる額」を認定したものであり,他に原審の認定した額を「相当と認められる額」とすべき合理的根拠を示していないから,その判断は,法242条の2第7項の解釈適用を誤ったものといわざるを得ない。」

なお,裁判官宮川光治の補足意見と裁判官涌井紀夫の意見がある。

平井利明のメモ

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