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2009.07.17

平成21年07月14日最高裁判所第三小法廷判決(差押え競合時の配当関係)

平成20(受)1134配当異議事件
平成21年07月14日最高裁判所第三小法廷判決

【破棄自判】

原審
大阪高等裁判所   
平成19(ネ)3289
平成20年03月27日

裁判要旨
債権差押命令の申立書には請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って上記命令の申立てをした債権者は,特段の事情のない限り,配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えて計算された金額の配当を受けることができる
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37827&hanreiKbn=01

判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090714143346.pdf

判決文より
上告人が,上告人及び被上告人を含む7名を債権者,Aを債務者,宝塚市を第三債務者とする大阪地方裁判所堺支部(以下「堺支部」という。)平成19年(リ)第129号配当等手続事件につき同年3月28日に作成された配当表(以下「本件配当表」という。)の変更を求める配当異議事件

堺支部では,本件取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が,配当手続において,配当期日までの遅延損害金の額を記載した計算書を提出した場合であっても,申立日の翌日から配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えないで,上記債権者の配当額を計算する運用(以下「本件運用」という。)をしていたことから,堺支部の裁判所書記官は,同月28日,上告人の配当額について,本件各申立日の翌日から本件配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えない本件配当表を作成した。

 金銭債権に対する強制執行は,本来債務者に弁済すれば足りた第三債務者に対して,差押えによって,債務者への弁済を禁じ,差押債権者への弁済又は供託をする等の義務を課すものであるから(民事執行法145条,147条,155条,156条参照),手続上,第三債務者の負担にも配慮がされなければならない。債権差押命令の申立書に記載する請求債権中の遅延損害金を申立日までの確定金額とすることを求める本件取扱いは,法令上の根拠に基づくものではないが,請求債権の金額を確定することによって,第三債務者自らが請求債権中の遅延損害金の金額を計算しなければ,差押債権者の取立てに応ずべき金額が分からないという事態が生ずることのないようにするための配慮として,合理性を有するものというべきである。そして,元金及びこれに対する支払済みまでの遅延損害金の支払を内容とする債務名義を有する債権者は,本来,請求債権中の遅延損害金を元金の支払済みまでとする債権差押命令の発令を求めることができ,差押えが競合するなどして,配当手続が実施されるに至ったときには,計算書提出の有無を問わず,債務名義の金額に基づいて,配当期日までの遅延損害金の額を配当額の計算の基礎となる債権額に加えて計算された金額の配当(以下「債務名義の金額に基づく配当」という。)を受けることができるのであるから(同法166条2項,85条1項,2項),本件取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者は,第三債務者の負担について上記のような配慮をする限度で,請求債権中の遅延損害金を申立日までの確定金額とすることを受け入れたものと解される。
 そうすると,本件取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者であっても,差押えが競合したために第三債務者が差押債権の全額に相当する金銭を供託し(同法156条2項),供託金について配当手続が実施される場合(同法166条1項1号)には,もはや第三債務者の負担に配慮する必要はないのであるから,通常は,債務名義の金額に基づく配当を求める意思を有していると解するのが相当である。
したがって,本件取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者については,計算書で請求債権中の遅延損害金を申立日までの確定金額として配当を受けることを求める意思を明らかにしたなどの特段の事情のない限り,配当手続において,債務名義の金額に基づく配当を求める意思を有するものとして取り扱われるべきであり,計算書提出の有無を問わず,債務名義の金額に基づく配当を受けることができるというべきである。

平井利明のメモ

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