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2009.07.28

民法と商法における「悪意」

民法と商法における「悪意」という用語を含んだ条文。

平井利明のメモ

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
(善意の占有者による果実の取得等)
第百八十九条
 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から◆悪意◆の占有者とみなす。
(◆悪意◆の占有者による果実の返還等)
第百九十条
 ◆悪意◆の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
2 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
(占有者による損害賠償)
第百九十一条
 占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、◆悪意◆の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
(占有者による費用の償還請求)
第百九十六条
 占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、◆悪意◆の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
(指図債権の債務者の調査の権利等)
第四百七十条
 指図債権の債務者は、その証書の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に◆悪意◆又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。
第五百六十四条
 前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、◆悪意◆であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。
(緊急事務管理)
第六百九十八条
 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、◆悪意◆又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
(◆悪意◆の受益者の返還義務等)
第七百四条
 ◆悪意◆の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
(裁判上の離婚)
第七百七十条
 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から◆悪意◆で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
(裁判上の離縁)
第八百十四条
 縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から◆悪意◆で遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2 第七百七十条第二項の規定は、前項第一号及び第二号に掲げる場合について準用する。
(父母の同意)
第八百十七条の六
 特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、◆悪意◆の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。
(特別養子縁組の離縁)
第八百十七条の十
 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一 養親による虐待、◆悪意◆の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二 実父母が相当の監護をすることができること。
2 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。
(父母の一方が共同の名義でした行為の効力)
第八百二十五条
 父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が◆悪意◆であったときは、この限りでない。
(法定単純承認)
第九百二十一条
 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は◆悪意◆でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

商法(明治三十二年三月九日法律第四十八号)
(表見支配人)
第二十四条
 商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が◆悪意◆であったときは、この限りでない。
(物品の販売等を目的とする店舗の使用人)
第二十六条
 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が◆悪意◆であったときは、この限りでない。
(買主による目的物の検査及び通知)
第五百二十六条
 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。
3 前項の規定は、売主がその瑕疵又は数量の不足につき◆悪意◆であった場合には、適用しない。
第五百六十六条
 運送取扱人ノ責任ハ荷受人カ運送品ヲ受取リタル日ヨリ一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
2 前項ノ期間ハ運送品ノ全部滅失ノ場合ニ於テハ其引渡アルヘカリシ日ヨリ之ヲ起算ス
3 前二項ノ規定ハ運送取扱人ニ◆悪意◆アリタル場合ニハ之ヲ適用セス
第五百八十一条
 運送品カ運送人ノ◆悪意◆又ハ重大ナル過失ニ因リテ滅失、毀損又ハ延著シタルトキハ運送人ハ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス
第五百八十八条
 運送人ノ責任ハ荷受人カ留保ヲ為サスシテ運送品ヲ受取リ且運送賃其他ノ費用ヲ支払ヒタルトキハ消滅ス但運送品ニ直チニ発見スルコト能ハサル毀損又ハ一部滅失アリタル場合ニ於テ荷受人カ引渡ノ日ヨリ二週間内ニ運送人ニ対シテ其通知ヲ発シタルトキハ此限ニ在ラス
2 前項ノ規定ハ運送人ニ◆悪意◆アリタル場合ニハ之ヲ適用セス
第五百九十六条
 前二条ノ責任ハ場屋ノ主人カ寄託物ヲ返還シ又ハ客カ携帯品ヲ持去リタル後一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
2 前項ノ期間ハ物品ノ全部滅失ノ場合ニ於テハ客カ場屋ヲ去リタル時ヨリ之ヲ起算ス
3 前二項ノ規定ハ場屋ノ主人ニ◆悪意◆アリタル場合ニハ之ヲ適用セス
第六百二十六条
 寄託物ノ滅失又ハ毀損ニ因リテ生シタル倉庫営業者ノ責任ハ出庫ノ日ヨリ一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
2 前項ノ期間ハ寄託物ノ全部滅失ノ場合ニ於テハ倉庫営業者カ預証券ノ所持人、若シ其所持人カ知レサルトキハ寄託者ニ対シテ其滅失ノ通知ヲ発シタル日ヨリ之ヲ起算ス
3 前二項ノ規定ハ倉庫営業者ニ◆悪意◆アリタル場合ニハ之ヲ適用セス
第六百四十一条
 保険ノ目的ノ性質若クハ瑕疵、其自然ノ消耗又ハ保険契約者若クハ被保険者ノ◆悪意◆若クハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル損害ハ保険者之ヲ填補スル責ニ任セス
第六百四十四条
 保険契約ノ当時保険契約者カ◆悪意◆又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
2 前項ノ解除権ハ保険者カ解除ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一个月間之ヲ行ハサルトキハ消滅ス契約ノ時ヨリ五年ヲ経過シタルトキ亦同シ
第六百七十八条
 保険契約ノ当時保険契約者又ハ被保険者カ◆悪意◆又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
2 第六百四十四条第二項及ヒ第六百四十五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七百三十九条
 船舶所有者ハ特約ヲ為シタルトキト雖モ自己ノ過失、船員其他ノ使用人ノ◆悪意◆若クハ重大ナル過失又ハ船舶カ航海ニ堪ヘサルニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス
第八百二十九条
 保険者ハ左ニ掲ケタル損害又ハ費用ヲ填補スル責ニ任セス
一 保険ノ目的ノ性質若クハ瑕疵、其自然ノ消耗又ハ保険契約者若クハ被保険者ノ◆悪意◆若クハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル損害
二 船舶又ハ運送賃ヲ保険ニ付シタル場合ニ於テ発航ノ当時安全ニ航海ヲ為スニ必要ナル準備ヲ為サス又ハ必要ナル書類ヲ備ヘサルニ因リテ生シタル損害
三 積荷ヲ保険ニ付シ又ハ積荷ノ到達ニ因リテ得ヘキ利益若クハ報酬ヲ保険ニ付シタル場合ニ於テ傭船者、荷送人又ハ荷受人ノ◆悪意◆若クハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル損害
四 水先案内料、入港料、燈台料、検疫料其他船舶又ハ積荷ニ付キ航海ノ為メニ出タシタル通常ノ費用

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