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2009.09.08

所有権の二重譲渡はなぜ可能なのか?

かなり前のことになるが
どこかの方がブログか何かに
「法律学の教員が,所有権の二重譲渡が可能である理由を説明できなくて,驚いた。」といったようなことを書いていたのを読んだ記憶がある。
そのときに思ったのは
私自身,(対抗問題をも含めて)所有権の二重譲渡がなぜ可能であるのかを法律的に整然と説明することは不可能である。
だから,私も,こんな風に書かれちゃうんだろうなと(笑)
しかし,自己弁護になるが,(対抗問題をも含めて)所有権の二重譲渡について,少なくとも私が完全に納得できるような形で説明した考え方に接したこともない。
そもそも,所有権の絶対という極めて理念的な概念と(取引の実際から生まれたとしか言いようのない)二重譲渡・対抗問題という極めて現実的な取引現象を,整合的且つ合理性をもって説明することなんて可能なのだろうか?

なお,
実務の世界に足を置く一人として
二重譲渡という事象が発生することについてはとても理解できる。
また,それを否定することは非現実的であって,二重譲渡という現象は受け入れざるを得ないものと言える(登記を効力要件とする制度を設けるといった二重譲渡問題の回避策を設けるのであれば別論であるが)。

従って,
私は,
理論的にはともかくとして,多重譲渡は現実的には可能であり且つ対抗要件によって決着をつけるというルールを設けたのだから,そのルールを前提として考えるしかない,と答えることにしている。

平井利明のメモ

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