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2009.09.25

「セカイカメラ」によって生じる不都合(?)

iPhoneのアプリケーションに「セカイカメラ」が加わった。

セカイカメラとはどのようなものであるかというと
「現実空間にエアタグと呼ばれるデジタルなポストイットを貼付けることでコミュニケートするソーシャルARアプリケーションです」と説明がなされている。
http://support.sekaicamera.com/service

 要は,アプリを起動させると,カメラが起動して画面にまわりの風景が映し出されることになる。その画面に映し出された風景に,ラベルとして「文字」,「画像」や「音」(音声等)を残したりすることが出来る。
 残すということは抽象的な表現だが,具体的には,書き込んだ位置の位置情報と書き込んだ内容である「文字」等を同時にサーバーに送信して,その位置に関する情報として残すというものなのだろう。
 セカイカメラを使用するユーザーは(登録無料),誰でもその情報にアクセスすることが出来る。
具体的には,カメラを通して画面に映し出される風景に,(自分や他人が)登録した「ラベル」(タブ)(エアタグと呼ばれる)が表示される。
 そのため,セカイカメラを使うと,場所に関する(書き込まれた)情報が手に取るようにわかることとなる。
 このようなコンセプトはかなり面白いものであって,今後の活用方法に大いに期待したいものである。

 しかし,他面,心配なところもある。
 極端なところでいうと,1件1件毎に,つまり各家庭毎に,目に見えない電子情報を貼り付けてしまうことが可能ということである(1件ごとに,一定の機会を持っているもののみが見える落書きがなされているのとにた感じであろう)。
 貼り付けられた方は,現実的に看板等が建てられるのではなく,そのような情報はインターネット上に残されているだけなので,普通は,そのような情報が自分に関して貼られていることすら知らず,そして,どのような内容の情報がどれだけの数存在するのかを判別することも困難である。
 例えば
 この家には「独身の女性が独りで住んでいる」
 この家には「人でなしが住んでいる」
 この家には「大金が隠されている」
 この建物には「不吉な影がある」 
 この家には「病人がある」
 このマンションの5階には「芸能人○○が住んでいる」
等々の情報を書き込むことさえ可能と言える。
もっというならば,ある犯罪行為を目論むものが,下見をした際に,そのようなラベル(タグ)を貼っておけば後にその場所を探すことが容易にもなるということも考えられる。

 このような使用方法があることは本当は書きたくはないことなのだが,このようなことは容易に考えつくことであろうから,敢えて警鐘を鳴らす意味合いで示すものである。
(不当な書き込みは,名誉毀損等の刑事罰が科せられることになり,また,損害賠償等の義務を生じさせることにもなりうる)

 そのような勝手に誰かが記載した情報は,正確なものであっても,また不正確なものであっても、かなりの迷惑(深厚な場合もあり得る)を及ぼす場合のあることが想像できる(位置情報が正確でない場合には,全くの第三者のところに情報が貼られてしまうこともあり得る)。

技術の進歩は,素晴らしいものである。
そして,進歩は続けていくことが必要であると思う。
私は、技術が進んでいくことは大好きである。

しかし,新たな技術が、それまでには考えられなかった人権の侵害を生じさせることもある。
運用会社(頓智・株式会社とのことである)等は,このような問題が含まれていることを十分に理解しているのだろうと思うが,被害を訴える人からの申し出があった際に迅速且つ適切な対応が出来るような体勢を整えている必要があるだろう。

ちなみに
FAQには
Q「不快に感じるエアタグを見つけました」
A「利用規約違反のエアタグを発見された方場合には、こちらまでご連絡下さい。」
http://support.sekaicamera.com/archives/406
とある。
また
「その他のお問い合わせ、利用規約に違反したユーザやコンテンツの通報、不具合等のご報告については、電子メールで以下までご連絡ください。なお内容によっては返答をお送りしない場合や回答までお時間をいただくことがありますので、あらかじめご了承ください。
お問い合わせ窓口: support @ sekaicamera.com」
と示されている。
http://support.sekaicamera.com/contact

Sekai Camera Support Center
http://support.sekaicamera.com/

平井利明のメモ

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