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2009.10.13

障がい,障害,障碍

大辞林には,「身体の器官が何らかの原因によって十分な機能を果たさないこと。また,そのような状態。」或いは「個人の特質としての機能障害(impairment),そのために生ずる制約としての能力低下(disability),その社会的結果である社会的不利(handicaps)を包括する概念」との説明が「しょうがい」(障害・障害・障礙)にあてられている。なお「障がい」と表記する場合もあることも示されている。

このような意味合いにおける「しょうがい」は,元来「障碍」あるいは碍の同義語の礙を用いた「障礙」と記されていたようである。
漢字源によれば「碍」の解字は,行くてをさえぎるように見える石をあらわす」とのことである。因みに「疑」はためらって足を止めることを意味し「礙」は足が邪魔して足を止めることとのことである。
なお,「障」の解字は,平面をあてて進行をさしとめること,章の原義(あきらか)には関係がない,と説明されている。
このような漢字の成り立ちを考えると,同じ意味の漢字を並列させているものであると言える。

この「障碍」は,昭和31年の国語審議会報告において「同音の漢字によるかきかえ」の例として「障碍→障害」と示された。
それ以後「障碍」という文字に変わって「障害」という文字が用いられるようになったようである。
因みに,昭和45年に成立した法律においては「障害者基本法」との名称が付されており,その第2条は「この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」と規定している。

ところで,「障害」の「害」は,イメージが悪い等の理由から「障がい」と記されることも少なくない。
漢字源によれば,「害」は,「宀(かぶせる物)+口または古(あたま)」で、かぶせてじゃまをし進行をとめることを示す,ものとのこと。
その意味は,
1)そこなう(そこなふ)。生長をとめる。また、じゃまをする。
2)生きものの命をとめる。ex「殺害」,「傷害」
3)じゃまだと思う。ねたむ。
4)じゃま。さまたげ。わざわい。〈対語〉利。ex「凶害」「冷害」
(以下,略)
確かに,「害」は「碍」「礙」が本来持つ意味を超えて悪い意味を持っているように感じられる。
用いるべき漢字を減らそうとする試みは理解できるが,同音であればよいだろうとの考えが,後世の人に不快な思いをもたらす原因ともなったように感じられる。

なお、法律用語ではあることから法律実務上は、「障害」という用語を現状避けて通ることができないということなのだろうや。

平井利明のメモ

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