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2009.12.15

法めも:私的使用のための複製@著作権法

第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二  技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

2  私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

メモ:
 例えば,著作物(本,音楽CD,ビデオ等)を複製をするときには,著作権者の了解を得ることが必要となることは複製権について説明したとおりです。
 しかし,個人的・家庭的に用いるような場合には,著作権者の了解なくても,複製をすることができるとされています。
 ただし,不特定あるいは多くの人の利用を目的とするコピー機等の機械を用いてコピーやダビングを使用する場合は,個人的使用を目的とする場合であっても,著作権者の了解を得ないと複製が出来ないとされています。
 例えば,不特定の人が来店するコンビニ等でのコピー機を用いたコピー・ダビングがこれにあたります。
 また,コピープロテクトがなされているものについては,個人的な利用を目的とするものであっても,著作権者の了解無くしてコピーやダビングは出来ないとされています。

 なお,コンビニ等でのコピー機を用いたコピー(複製)については驚かれる方が多いかも知れません。本などをコンビニに置かれてあるコピー機でコピーをされておられる方は多いでしょうから。
 このことに関しては,著作権法の【附則】(付け足しの部分)に例外的な規定が設けられているのです。
 
(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二  著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする

 つまり,文書や図画については,コピー機を用いる場合であっても,当分の間は,著作権者の了解を得なくてもよいとの規定が設けられているのです。
 この例外の取扱を認める規定があるので,著作権者の了解を得なくても,本,図面,絵等についてはコンビニ等においてコピー機を使ってコピーをすることが出来ることとなっているのです。
 しかし,音楽や映像については,このような例外規定がありません。したがいまして,コンビニにおいては,CDやDVD等のダビング機が置かれていないのです。
 この例外規定は,昭和46年1月1日に定められたものですが,昭和46年から現在までが「当分の間」となっているというのが実情です(笑)。
 でも,この暫定的な,例外規定がもしも削除されてしまうと,それ以後は,コンビニ等におけるコピー機を使った本などのコピーは許されなくなりますので,社会に対する影響は,少なくないでしょう。
 著作権法においては,本来,暫定的・おまけ的な意味合いのある「附則」が社会的に重要な役割を担っている場合があります。
 また,気をつけなければならないのは,私的利用の場合に,著作権者の了解が無くても良いとされているのは「複製」をする場合つまりコピーをする場合に限定されています。
 複製以外の利用は認められていません。
 昨今の利用形態で特に問題になりそうなのは,例えば,ブログに掲載する等のインターネット上での利用なのですが,これは個人的なブログ等に用いるものであっても許されていないのです(個人的な非営利のブログであっても)。
 従って,他人が作った詩の内容をインターネット上に掲載したり(例えばtwitterへの投稿も含まれます),他人が作った歌詞を掲載したり,他人が撮影した写真をブログに掲載したり,CDの音楽をホームページにアップしたりすることについては,(例外的に利用が許される他の根拠がない限り)著作権者の了解が必要となるので,注意が必要です。

 なお,2項は,読んだだけでは理解が困難だと思いますが,例えば,ブルーレイ等に対する課金等の根拠とされる規定となっています。そのような課金という制度等については,その是非・妥当性等が大きな議論の対象とされています。

平井利明のメモ

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