« 法めも:権利の目的とならない著作物@著作権法 | トップページ | twitter20100114_0120 »

2010.01.21

平成22年01月19日最高裁判所第三小法廷判決(共有不動産の賃料収入についての過大所得税申告と事務管理関連)

平成21(受)96事不当利得返還請求事件
平成22年01月19日最高裁判所第三小法廷判決

【破棄自判】

原審
名古屋高等裁判所   
平成20(ネ)240
平成20年10月09日

裁判要旨
共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として不動産所得の金額を計算し,納付すべき所得税の額を過大に申告してこれを納付したとしても,他人のために事務を管理したということはできず,事務管理は成立しない
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=38341&hanreiKbn=01

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100119141216.pdf

判決文より
「上告人と被上告人との共有に係る不動産から生ずる賃料を被上告人が単独で取得したとして,上告人が被上告人に不当利得返還請求をしたのに対し,被上告人が,上記賃料収入のうち上告人に帰属する部分を含め被上告人の不動産所得に係る収入金額に計上して所得税の確定申告をした結果同税及び市県民税を過大に支払ったことが事務管理に当たるなどとして,事務管理に基づく費用償還請求権との相殺を主張して争う事案」

「所得税は,個人の収入金額から必要経費及び所定の控除額を控除して算出される所得金額を課税標準として,個人の所得に対して課される税であり,納税義務者は当該個人である。本来他人に帰属すべき収入を自己の収入として所得金額を計算したため税額を過大に申告した場合であっても,それにより当該他人が過大に申告された分の所得税の納税義務を負うわけではなく,申告をした者が申告に係る所得税額全額について納税義務を負うことになる。」
「また,過大な申告をした者が申告に係る所得税を全額納付したとしても,これによって当該他人が本来負うべき納税義務が消滅するものではない。」
「したがって,共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として不動産所得の金額を計算し,納付すべき所得税の額を過大に申告してこれを納付したとしても,過大に納付した分を含め,所得税の申告納付は自己の事務であるから,他人のために事務を管理したということはできず,事務管理は成立しないと解すべきである。」
「このことは,市県民税についても同様である。」

平井利明のメモ

|

« 法めも:権利の目的とならない著作物@著作権法 | トップページ | twitter20100114_0120 »

裁判例」カテゴリの記事