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2010.01.19

法めも:営利を目的としない上演等@著作権法@第五款 著作権の制限

第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

3 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には受信装置を用いて公に伝達することができる通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。

4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。

5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるものは、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。

メモ:
 これらも読んだだけではなかなか理解することが難しい規定のように思えます。
 要するに,タダで見せるような場合には,著作権者の了解を得なくても良いということが規定されているのですが,媒体等によって微妙にニュアンスが異なっているので,そのあたりの理解が求められます。 
 この規定で,おもしろみを感じる点を1つ取り上げておきますと,3項に「通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。」と何気なく規定されている点です。これはどのような場面を想像されますでしょうか。
 TVやラジオの放送を,「営利を目的とせず」そして「タダの場合」には,他の人に見せたり聞かせたりすることは許されます。
 反対に,営利を目的とするような場所ではダメなのです。
 そこで考えてみてください。
 食事に行った店などで,テレビ番組が放送されていたり,タクシーの中でラジオが流れていたりします。
 飲食店やタクシーは営業が行われている場所です。そのような営業の場所で,テレビやラジオの放送を流して大丈夫なの?という疑問がわいてきておかしくないと思います。
 ここで登場するのが,「通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。」という規定なのです。
 「通常の家庭用受信装置」つまり家庭にあるようなテレビやラジオ等の用いている場合には,営業の場所であっても,テレビ番組やラジオ番組をお客さんの前で流しても良いということなのです。
 このように,何気ないような一文が,社会生活に大きく関わっているのです。

平井利明のメモ

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