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2010.03.19

平成22年03月16日最高裁判所第三小法廷判決(弁済の充当における指定関連)

平成20(受)1459破産債権査定異議事件
平成22年03月16日最高裁判所第三小法廷判決

原審
大阪高等裁判所   
平成19(ネ)2033
平成20年05月30日

裁判要旨
複数の債権の全部を消滅させるに足りない弁済を受けた債権者が,上記弁済を受けてから1年以上が経過した時期に初めて,弁済充当の指定に関する特約に基づいて充当指定権を行使することは,許されない
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=38702&hanreiKbn=01

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100316114211.pdf

判決文より

「原審は,保証人である破産者の破産手続開始の決定があった後に,主債務者の物上保証人であるCにより複数の被担保債権のうち一部の債権についてその全額が弁済された以上,本件破産債権のうち上記弁済に係る保証債権については,「その債権の全額が消滅した」(破産法104条5項,同条2項)ものであり,中小企業金融公庫は上記債権を破産債権として行使することはできないとした上,中小企業金融公庫が本件弁済充当特約に基づきCに対する根抵当権の行使により受けた弁済金を各口の貸付金の元本債権に案分して充当するように充当指定権を行使することは,信義則上許されないと判断して,本件破産債権の額を2244万4000円と査定すべきものとした。」

「本件弁済充当特約は,民法488条1項に基づく弁済者による充当の指定を排除するとともに,同条2項ただし書に基づく弁済受領者による充当の指定に対する弁済者の異議権を排除することを主たる目的とする合意と解すべきであり,本件弁済充当特約において,債権者において任意の時期に充当の指定ができる旨が合意されているとしても,上記合意に基づき弁済受領後いつまでも充当の指定をすることが許されるとすると,充当の指定がされるまで権利関係が確定せず,法的安定性が著しく害されることになる。」

「記録によれば,中小企業金融公庫は,本件各弁済を受けてから1年以上が経過した時期において初めて,本件弁済充当特約に基づく充当指定権を行使する旨を主張するに至ったことが明らかであり,上記の時期に本件弁済充当特約に基づく充当指定権を行使することは,法的安定性を著しく害するものとして,許されないというべきである。同一の給付について複数の者が「各自全部の履行をする義務」を負っており(以下,全部の履行をする義務を負う者を「全部義務者」という。),全部義務者の破産手続開始の決定後に,他の全部義務者が複数の債権のうちの一部の債権についてその全額を弁済した場合において,その破産債権の額につき見解の対立があったとしても,そのことは,上記判断を左右するものではない。」

平井利明のメモ

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