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2010.04.02

弁護士登録20年目を迎えて

 今年は弁護士登録から20年目を迎える。
 平成3年(2001年)の4月,今の新しい日弁連会館とは異なる古い古い日弁連会館に足を運んで登録手続を行った。そのときには,それまで見たこともない高額の印紙を貼付したこともあって割り印をするときに,申請書類に間違いがないかドキドキものだったことを今でも覚えている。

 弁護士となって,周りからは先生と呼ばれる身分となった。しかし,社会生活を何も送らず,何も知らない自分にとっては重いことだった。
 企業人との会議に加わると,「注文書」はともかくとして,「注文請書」,「インボイス」や「検収」などそれまで聞いたことのない言葉が飛び交う。
 司法試験勉強をし又司法修習を経て,法律を少しは知る立場となったが,その適用の前提となる社会的な事実等を何も知らないのだから,滑稽な場面である。

 その当時は,それまで経験したこともない北新地の世界に足を踏み入れると,人が混み合い,タクシーを手配しても来るのに1時間以上要するので,その時間待ちに更にもう1件飲みに行くという今では考えられないような時代だった。

 しかし,そのような一面はあれども,バブル崩壊後の経済悪化は徐々に形を表し,所有権留保を根拠とする任意交渉によって琵琶湖に飛んでいってクルーザーの引き揚げに立ち会ったり,断行の仮処分で機械や放送車を引き揚げたり,動産売買の先取特権(物上代位)という勉強中にはまず勉強することのない権利に基づく転売代金の差押え等という緊急時の手続を色々と経験することとなった。夜を徹して申請書類を作成し,あるいは,大阪から東京地裁に飛んで行き,今日中に発令をいただかないと事務所に帰れませんとお願いし,不足書類はFAXでのやりとりもお願いして即日の発令をいただいたこともあった(現在では考えられないことなのだが)。こうやって,身体を使って,法律の実務を覚えていった。

 その後も会社の不祥事や循環取引,架空取引等や株主総会の指導や契約のチェック等,企業再編,労働問題(労働審判,労働調停等),企業にまつわる色々な法律問題に携わることにより,社会における色々な側面を見ることとなった。会社というものはそれ自体が社会的存在であって,振り返ると色々な場面で法律やその運用等を前提とした判断や解決等が求められる。そのような場面を通じて,そしてその経験の上に今の自分があることを思う。

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平井利明のメモ

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