« 平成22年03月25日 最高裁判所第一小法廷判決 (充当合意関連) | トップページ | 「保証・物上保証の留意事項」(商事法務・債権管理実務研究会)(名古屋) »

2010.04.06

平成22年03月25日最高裁判所第一小法廷判決(退職後の競合関連)

平成21(受)1168損害賠償請求事件
平成22年03月25日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判】

原審
名古屋高等裁判所   
平成20(ネ)886
平成21年03月05日

裁判要旨
勤務先を退職した従業員が,当該勤務先と同種の事業を営み,その取引先から継続的に仕事を受注した行為が,不法行為法上違法とはいえないとされた事例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80022&hanreiKbn=01

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100325141939.pdf

判決文より
「本件は,被上告人の従業員であった上告人Y1及び同Y2(以下,両者を併せて「上告人Y1ら」という。)が,被上告人を退職後,上告人Y3(以下「上告人会社」という。)を事業主体として競業行為を行ったため,被上告人が損害を被ったとして,被上告人が上告人らに対し,不法行為又は雇用契約に付随する信義則上の競業避止義務違反に基づく損害賠償を請求する事案」

「前記事実関係等によれば,上告人Y1は,退職のあいさつの際などに本件取引先の一部に対して独立後の受注希望を伝える程度のことはしているものの,本件取引先の営業担当であったことに基づく人的関係等を利用することを超えて,被上告人の営業秘密に係る情報を用いたり,被上告人の信用をおとしめたりするなどの不当な方法で営業活動を行ったことは認められない。」
「また,本件取引先のうち3社との取引は退職から5か月ほど経過した後に始まったものであるし,退職直後から取引が始まったAについては,前記のとおり被上告人が営業に消極的な面もあったものであり,被上告人と本件取引先との自由な取引が本件競業行為によって阻害されたという事情はうかがわれず,上告人らにおいて,上告人Y1らの退職直後に被上告人の営業が弱体化した状況を殊更利用したともいい難い。」
「さらに,代表取締役就任等の登記手続の時期が遅くなったことをもって,隠ぺい工作ということは困難であるばかりでなく,退職者は競業行為を行うことについて元の勤務先に開示する義務を当然に負うものではないから,上告人Y1らが本件競業行為を被上告人側に告げなかったからといって,本件競業行為を違法と評価すべき事由ということはできない。」
「上告人らが,他に不正な手段を講じたとまで評価し得るような事情があるともうかがわれない。」
「以上の諸事情を総合すれば,本件競業行為は,社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法なものということはできず,被上告人に対する不法行為に当たらないというべきである。」
「なお,前記事実関係等の下では,上告人らに信義則上の競業避止義務違反があるともいえない。」

平井利明のメモ

|

« 平成22年03月25日 最高裁判所第一小法廷判決 (充当合意関連) | トップページ | 「保証・物上保証の留意事項」(商事法務・債権管理実務研究会)(名古屋) »

裁判例」カテゴリの記事