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2010.06.04

平成22年06月04日最高裁判所第二小法廷判決(過払金返還請求権と失権効関連)

平成20(受)2114不当利得返還請求事件
平成22年06月04日最高裁判所第二小法廷判決

原審
大阪高等裁判所   
平成20(ネ)685
平成20年09月25日

裁判要旨
更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することが信義則に反しないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80282&hanreiKbn=01

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100604143400.pdf

判決文より
「本件は,被上告人が,貸金業者である上告人との間の金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき,利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると過払金が発生しているなどと主張して,上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき過払金,民法704条前段所定の利息(以下,単に「法定利息」という。)及び遅延損害金の支払を求める事案である。上告人は,被上告人において,上告人が更生手続開始の決定を受けるまでに発生した請求権につき更生債権の届出期間内にその届出をしていないから,平成14年法律第154号による改正前の会社更生法241条本文により,その責めを免れると主張し(以下,更生債権につきその責めを免れることを「失権」という。),被上告人は,上告人において,上記のような主張(以下「失権の主張」という。)をすることは,信義則に反し許されないと主張する。」

「上告人が,本件更生手続において,顧客に対し,過払金返還請求権につき更生債権の届出をしないと失権するなどの説明をしなかったからといって,そのことをもって,上告人による失権の主張が信義則に反するということはできない(最高裁平成21年(受)第319号同年12月4日第二小法廷判決・裁判集民事232号登載予定参照)。そして,前記事実関係によれば,本件社告は,本件更生手続において,更生手続開始の申立てがされた後,更生手続開始の決定前にされたものであり,カード会員の脱会を防止して従前の営業を継続し,会社再建を阻害することなく進めることを目的として行われたものとみることができるのであって,その目的が不当であったとはいえない上,その内容も,顧客に対し更生債権の届出をしなくても失権することがないとの誤解を与えるようなものではなく,その届出を妨げるようなものであったと評価することもできない。そうであれば,本件社告が掲載された際に,上告人において,過払金返還請求権につき債権の届出をしないと失権するなどの説明をしなかったとしても,以上と別異に解する余地はない。また,上告人と同様にAをスポンサーとして進められたBの更生手続において,更生手続開始の決定前に発生した過払金返還請求権につき,更生債権としての届出を必要とせず,更生計画認可の決定による失権の効果は及ばないなどの取扱いがされたとしても,異なる事情の下で進められた上告人の更生手続において,これと同じ取扱いがされなければならないと解する根拠はなく,上告人による失権の主張が信義則に反することになるものでもない。」

平井利明のメモ

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