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2010.06.01

「医療訴訟判例データファイル」(新日本法規出版株式会社)

「医療訴訟判例データファイル」
(新日本法規出版株式会社)

編集/医療訴訟判例研究会
代表/西内 岳(弁護士),加藤 愼(弁護士),許 功(弁護士・医師),水澤亜紀子(弁護士・医師),棚瀬慎治(弁護士)

執筆担当
弁護士青山隆徳
弁護士鵜飼真貴子
弁護士金田 朗
弁護士小林和人
弁護士佐々木和顕
弁護士柴田崇
弁護士鈴木成之
弁護士高橋賢一
弁護士武輪耕世
弁護士田邉 昇(医師)
弁護士中園江里子
弁護士長谷川ゆき子
弁護士服部千鶴
弁護士平井利明
弁護士福岡聰一郎
弁護士藤井長弘
弁護士蒔田 覚
弁護士南出行生
弁護士横山真司
弁護士渡辺直大

http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0596.html

執筆担当しています。
この関係で,沢山の医療裁判の判決を読むことになりましたが,よくもこんな判決がまかり通っているものだと,あきれる内容のものが少なくなかったですね。驚きました。ホントに。
医学の知識のない者が,いくつかの文献から,責任を認めさせるに都合の良い部分を抜き書きして,病院や医師が高額の支払いを余儀なくされているとしか思えないようなものが,多く見られるところ,そんなことをすれば,過酷な中で多くの方々のために骨身を削って医療に当たっておられる方々のやる気を喪失させることになる。そのことは,治療を求めておられる多くの患者様にとって「負」である現実が裁判所にはもっと理解される必要があることを更に実感した次第。

平井利明のメモ

第1章 循環器内科
事 例
○心不全の疑いで入院した患者の精神状態が不安定となり不穏行動が認められたため、精神状態を落ち着かせる目的でいったん退院させたところ、退院の翌日に心筋梗塞の発作を起こして死亡した場合において、医師に過失はないとされた事例
○心筋梗塞で入院中の患者が心筋梗塞の再発で死亡した場合において、転医勧告、再発予防、診断治療等について過失はなく、診療契約上の不誠実な行為もないとされた事例
○心臓カテーテル検査中に脳梗塞を発症し、その後心不全で死亡した場合において、検査中の血圧の上昇に伴い、本件検査を中止すべき過失があるとされた事例
○拡張型心筋症の患者が心臓カテーテル検査を受けた際に脳塞栓症による脳梗塞を発症した場合について、同検査と脳梗塞との間の因果関係が否定され、説明義務も尽くしたとされた事例
○不安定狭心症に罹患し胸痛を訴えて受診した患者に対し、十分な問診を尽くさずに肋間神経痛の疑いと診断し、鎮痛剤を投薬して帰宅させたところ、患者が翌朝心筋梗塞による心嚢血腫症で死亡した場合において、医師の診断と処置に過失があるとされた事例
○通院患者が不安定狭心症又は切迫性心筋梗塞の発作を起こして1級の後遺障害となり死亡した場合において、発作の約2時間前に診察した循環器疾患専門病院の医師に狭心症発作を予見することが可能であり、ニトログリセリンなどの積極的薬物治療を行わなかった過失があるとされた事例
○客観的根拠に基づき判断した入院患者の死因を遺族に説明した場合において、遺族がその説明に納得しなかったとしてもさらに解剖等の提案等をしてまでの死因解明・説明義務はないとされた事例
○心筋炎の発見が遅れ、うっ血性心不全、肺水腫、腎不全により死亡したことについて、初診時に胸部レントゲン検査の検討を怠り、病因解明を懈怠した等の病院の不法行為責任が認められた事例
○糖尿病の合併症のある患者が経皮的冠動脈形成手術(PTCA)を受けた直後に冠動脈の閉塞を来し、低酸素脳症となり死亡した場合において、術式選択の過失と速やかに経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着すべき過失があったとされた事例
○冠動脈狭窄のため再度PTCA(経皮経管的冠動脈形成術)を実施したところ、患者が冠動脈破裂による急性心筋梗塞により死亡した場合に、PTCAの適応があったとされ、かつ、説明義務違反もなかったとされた事例 など

第2章 呼吸器内科
事 例
○アスピリン喘息患者が鼻茸の手術後にボルタレンを投与されてアナフィラキシー様ショックを起こして死亡した場合に、アスピリン喘息罹患の有無を確定診断するために、スルピリン吸入誘発試験に代わる詳細な問診をすべき注意義務に違反したとされた事例
○抗結核剤の投与を受けていた患者が失明した場合において、抗結核剤の投与と視力障害との因果関係を否定した鑑定が排斥されて因果関係が肯定されるとともに、投与した医師の過失が認められたが、衡平の原則により逸失利益は4割とされた事例
○重篤な喘息発作を起こし、重症の呼吸不全状態となった入院中の患者が転医先病院で呼吸不全で死亡した場合に、転医措置の遅れがあったとして転医義務違反が認められ、転医措置の遅れと死亡との間に因果関係が認められた事例 など

第3章 消化器内科
事 例
○高度の貧血、脱水、全身衰弱状態のもとで中心静脈栄養法を実施する際の鎖骨下静脈穿刺による血胸及び精神的ストレスによって患者がショック死した事案につき、医師にショック状態に陥らせた過失とショック状態が生じたときにとるべき適切な処置をも怠った過失があるとされた事例
○肝細胞癌治療のため肝動脈塞栓法及び肝動脈内抗癌剤注入法併用術を受けた患者が出血性胃潰瘍に伴う大量出血により死亡したことにつき担当医師に同手術に当たり薬剤の注入位置を誤った過失があるとし、生存可能年数を4年として請求を一部認容した事例
○急性虫垂炎に起因する腹膜炎ショックにより患者が死亡した事故について、何らかのグラム陽性菌のエキソトキシンショックを起こしたものとされ、必要な諸検査の実施を怠り、急性虫垂炎の確定診断に至らず、病変を進行させた大学病院の診療契約上の過失が認められた事例
○小脳出血等により入院中の患者に褥瘡が発症し、その後腎不全により死亡したことにつき、担当医師に適切な体位変換を実施しなかった過失があるとした上、褥瘡と死亡との因果関係を認めて損害賠償が肯定された事例
○急性胃腸炎のため入院した患者が点滴のため左前腕部に注射針を刺入された結果、左手背部等に疼痛が生じたのは、右手関節部神経を損傷し、RSD(反射性交感神経性異栄養症)に罹患したためであるとして、注射をした担当看護婦に過失があるとされた事例
○医師が肝硬変の患者につき肝細胞癌を早期に発見するための検査を実施しなかった場合において、医師が注意義務を尽くして診療行為を行っていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことの蓋然性が証明されれば、医師の上記不作為と患者の死亡との因果関係は認められるとして、因果関係を否定した原審の判断に違法があるとされた事例 など

第4章 神経内科
事 例
○ウイルス性脳炎で錯乱状態にあった患者を鎮静させ、筋弛緩剤を投与した上で気管切開をして人工呼吸管理をしていたところ、カニューレが気管から抜け出したため換気障害を起こして死亡するに至った事例
○薬剤投与後に急性肝炎が生じたが、薬剤以外に肝機能障害を起こす原因がない場合、薬剤投与が原因と考えるべきであり、投与自体に問題がなかったとしても、急性肝炎のリスクが能書に記載されている場合には、薬剤を継続した措置に関し経過観察に不備があるとされた事例 など

第5章 その他内科
事 例
○全身倦怠、腹痛、吐き気を訴えて受診した高校1年生男子の症状を急性胃炎と診断したが実際には若年性糖尿病であったことから患者が死亡するに至った事例
○開業医には悪性リンパ腫の診断をつけるまでの医療水準が要求されないと判断した事例
○遺伝性疾患である血友病患者の家系に病型の異なる血友病患者がいたことに留意せず、前医の治療方針を継続した医師の過失を認めた事例 など

第6章 小児科・新生児科
事 例
○風邪の症状がある体重16kgの4歳児に対して心房中隔欠損孔縫合閉鎖術を実施したところ、心筋疾患で死亡した場合において、患者の年齢、
体重、体調等から手術時期の選択に過失はないとされた事例
○重症のファロー四徴症の治療のために心内修復術を受けた2歳4か月の患者が手術後死亡した場合について、説明義務違反、手術適応判断等の過失がないとされた事例
○生後6ヶ月の乳児に対する術後の看護態勢に過失はなく、乳児の呼吸停止の原因がうつ伏せ寝による気道閉塞ではなく乳幼児突然死症候群(SIDS)の不全型(ALTE)であると判断された事例
○昭和49年12月に出生した未熟児が未熟児網膜症に罹患した場合において、当時の医療水準を前提とした注意義務違反があるとはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例
○生後6ヶ月の乳児が硬膜外出血のために後遺症が残った場合において転送先に対して緊急開頭手術を要する可能性が高い救急患者であることを告知しなかった過失があるとされた事例 など

第7章 心臓・血管外科
事 例
○心室中隔欠損を伴う大血管転位症兼肺動脈弁下狭窄症の患者が治療のため右心室流出路拡大の手術を受けたが、術翌日心停止し、これによる脳損傷により体幹機能障害の後遺障害を負ったことについて、診療上の過失はないとされた事例
○心室中隔欠損の治療のため右心室流出路拡大の手術を受けたが、術20日後に、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症による敗血症により死亡したことについて、手術室の消毒体制、処置に過失はないとされた事例 など

第8章 呼吸器外科
事 例
○グッドパスチャー症候群の疑いで入院中に、経気管支肺生検を実施した際、気管支粘膜上皮付近に突出していた動脈を、正体不明の隆起性小病変として採取したところ、大量に出血し、その後、心不全により死亡した事例
○ 結核後気管支狭窄が認められたため、気管切開後、切開部からTチューブを挿入して気管を拡張しようとした際に気管内に出血が生じて呼吸困難となり、人工呼吸器による呼吸管理が行われたが、死亡した事案について、担当医師の手技に過失はないとされた事例 など

第9章 消化器外科
事 例
○胆嚢癌患者が術後縫合不全による腹膜炎を発症し大量出血で死亡したことについて過失がないとされた事例
○食道静脈瘤に対する塞栓術中に呼吸停止にて死亡に至った事案について手術適応の判断の前提に過誤を肯定しまた説明義務違反等を認めた事例
○S状結腸癌切除術後の縫合不全の発生への対応に過失があったとされた事例
○鑑別のための検査が不十分であるにもかかわらず良性腫瘍を末期癌と誤診して患者に癌の告知したことに基づく損害について賠償請求が認められた事例 など

第10章 その他外科
事 例
○初診から約8か月後に至ってはじめて実施された注腸バリウム検査によって発見されたS状結腸癌等により患者が死亡した場合において、開業医に診療契約違反ないし注意義務違反がないとされた事例
○再発乳癌の発見が遅れたことにつき医師の過失を認め、患者の死亡との間の因果関係を否定しつつも、延命利益の喪失との間の因果関係を認め、慰謝料の支払が命じられた事 例
○乳房膿瘍切開排膿手術を受けた患者について、動脈血液ガス分析結果が強い代謝性アシドーシスの状態を示していたにもかかわらず、退院を許可したところ、同日に自宅で就寝中死亡するに至った事案について、医師の過失及び因果関係が認められた事例 など

第11章 脳神経外科
事 例
○座位による小脳血管芽腫摘出手術中に発生した空気塞栓によって患者が死亡した事案につき、手術に際して医師が適切なモニター装置を設置しなかったこと及び適切な事後措置をしなかったことに過失が認められた事例
○脳出血で入院中の患者が、病院3階の病室窓から地上に転落して死亡した事案について、医師及び看護婦の責任が否定された事例
○退院時の投薬(処方)に際し、医師に、抗けいれん薬等の副作用(中毒性表皮融解壊死症(TEN))についての情報提供義務違反(療養指導義務違反)が認められた事例
○脳動静脈奇形(AVM)に対する脳血管造影検査中にカテーテルが血管内で離断し、遺残部回収のための開頭術中に生じた脳内出血により死亡した事案について、カテーテルの欠陥、医師の操作ミス、説明義務違反が否定された事例
○頭痛を訴え個人病院で診療を受け、脳脊髄炎の疑いで第2の病院に転送され、さらに脳腫瘍の疑いで第3の病院に転送され、同病院で脳血腫除去術を受けたものの植物状態に近い状態となり約8年後に死亡するに至った患者について、第3の病院に手術時期が遅れた過失があるとして、慰謝料の支払を命じた事例 など

第12章 整形外科
事 例
○左脛骨非開放性骨折の観血的整復固定術を受けた患者が、骨髄炎に罹患したため、医師らの感染防止措置等の過失を主張して提訴したが、過失が認められなかった事例
○右手第4指の脱臼骨折を見落として関節捻挫と診断された事案において、当直をしていた救急担当の非専門科研修医及び病院の診療体制における過失は否定されたが、整形外科研修医の責任は認められた事例
○頸椎症性脊髄症の手術後に脊髄損傷の症状が現れた場合に、術後に急激かつ重大な症状悪化が生じており手術に何らの過誤もないとすることは不自然であることや、手術部位近くに直径5mmほどの穴が開いていたこと等を理由として、医師の過失が認められた事例
○右足関節脱臼骨折等に対し保存治療を実施継続する際には、適切な機会及び回数のレントゲン撮影を行って患部を観察し、転位を発見した際にはそれに対する処置を行うべきであったが、医師に同注意義務に違反した過失があるとされた事例 など

第13章 泌尿器科
事 例
○入院後5か月を過ぎた時点で患者が胃の不調を訴えているにもかかわらず、患者の胃部の内視鏡検査やレントゲン検査を行わず、患者のスキルス胃癌を発見できなかったことが債務不履行であるとされた事例
○人工透析を必要とする腎不全患者に精神疾患があることを理由として透析療法導入を断って患者が死亡した事案につき、当該患者には同療法の適応があったとして、同療法導入を拒んだ医師に過失が認められた事例 など

第14章 産婦人科
事 例
○分娩時に生じた男児の頭蓋内出血に関し、出産介助した助産婦に専門医師による出産介助を受ける機会を与えるべき義務違反を認めなかった事例
○産婦人科開業医の外出中、同医院入院中の産婦の分娩経過中児心音に異常が生じ、胎児が仮死状態に陥ったのに医師の診察が遅れて、出生児に脳性麻痺の後遺症を残した事案につき、当該医師の過失が認められた事例
○妊婦が重篤な妊娠中毒症に起因する脳出血によって死亡したことについて、脳出血を看過した妊婦中毒症の管理上の過失が認められた事例 など

第15章 眼 科
事 例
○眼科手術中の患者死亡に関して執刀医らに過失はないとされた事例
○近視矯正のための放射状角膜切開術(RK手術)による手術効果がなく後遺症が生じた場合において、医師に視力障害等の危険性があることを説明すべき注意義務(事前告知義務)違反があるとされた事例 など

第16章 耳鼻咽喉科
事 例
○化学療法施行後の舌癌の再発に対して、その発見が遅れたこと、及び手術による根治療法を行わず、再び化学療法を採用したことは過失であるとした上で、適切な時期に手術を実施した場合に予測される後遺障害と現実の後遺障害とを比較して逸失利益を算定しつつ、患者が治療を中断したことについて過失相殺を否定した事例
○先天性嚢胞による気道閉塞患者について、専門医への転送義務違反等が認められた事例 など

第17章 歯 科
事 例
○4歳の小児に対して抜歯治療を行ったところ、抜歯した歯が口腔内に落下して気道閉塞を来して死亡した場合において、歯科医師に異物摘出方法について過失があるとされた事例
○固定性ブリッジ補綴治療から約2年が経過した後に、ブリッジの離脱を繰り返すようになった場合に、ブリッジ補綴治療における支台歯築造に不完全履行があったとして損害賠償責任を認めた事例 など

第18章 麻酔科
事 例
○慢性気管支拡張症で通院中だった患者に対して行った胆嚢摘出手術中に低酸素血症が発症して術後に死亡した場合について、麻酔担当医の過失を認め、主治医ではなかった執刀医の過失を否定した事例
○中年で肥満の女性患者に対する左鼓室形成術において全身麻酔薬としてハローセンを使用したところ術後に劇症肝炎を発症して死亡した場合について、医師に過失は無いとされた事例 など

第19章 美容整形
事 例
○豊胸手術のやり直し手術後に患者に感染症・膿瘍が生じた事案で、やり直し手術に関して適応診断の過誤及び手技上の過誤があるとされ、やり直し手術の即時施行を求めた患者の行為が過失として斟酌された事例
○二重瞼の美容整形手術を受けた患者が角膜膿瘍となり、視力の著しい低下等の重篤な後遺障害が残った事案で、医師に術後の診察・治療を怠った過失があるとされた事例  など

第20章 皮膚科・形成外科
事 例
○全身熱傷の患者に緑膿菌対策としてアミノ配糖体系抗生物質を継続的に塗布投与したところ、その副作用で両耳の聴力がほぼ失われた事案で、副作用(難聴)を予見しそれを防止軽減する措置をとるべき義務を怠った過失があるとされた事例
○皮膚炎の患者に薬剤を注射したところショック死した事案で、医師に注射前の安全確認義務違反等の過失はないとされた事例 など

第21章 放射線科
事 例
○右頸部リンパ節等の腫脹に速中性子線照射治療
を受けた患者が、放射線性脊髄炎となり重度の後遺障害が残った事案で、誤った診断をした点には過失がないが、照射治療を選択・実施・継続した点に過失があるとされた事例 など

第22章 精神科・心療内科
事 例
○精神分裂病の治療のため入院していた患者が入浴中に急性心不全により死亡した事案で、抗精神病薬の投与に関して副作用管理上の過失があるとされたが、患者の身体的素因が死亡結果に4割寄与しているとして過失相殺法理の類推により損害賠償額が減額された事例
○精神科病院入院患者が無断外出時にナイフを購入し、帰院後に他の入院患者を殺害した事案につき、病院の安全配慮義務違反を認めた事例 など

第23章 検診・人間ドック
事 例
○受刑者の慢性腎炎が進行して末期腎不全に至ったことについて、刑務所の医師に、本人への生活指導や刑務所長へ適切な処遇意見を具申すべき義務を怠った過失があるとされた事例
○出血傾向検査の結果を見落として血友病に罹患していることに気付かないまま、腰椎穿刺を実施したことに過失があるとされた事例 など

第24章 救急・時間外診療
事 例
○マムシに咬まれ救急搬送された患者が血清投与の遅れによって死亡した事案で、主治医である医師は、受傷後一定時間は、病院に居残って注意深く患者の経過観察をするか、病院に定期的に連絡して容態を聴取する等して、現実に患者の経過観察をすると同程度に容態を把握しておくべき注意義務があったとされた事例
○酔って自宅の階段から転落した患者が、救急診療を受けて帰宅した後、容体が急変し、硬膜下出血等によって死亡した場合につき、救急診療を担当した医師に、問診義務違反及び患者を帰宅させるに当たり、付添人に、今後の容体変化に対する留意点やとるべき措置に関する療養上の説明義務を尽くさなかった過失があるが、予後不良事案であることを考慮して、全損害の50%の限度で損害賠償責任を認めた事例
○腹痛患者を自宅で経過観察させる場合において、医師の家族に対する観察の方法・内容、緊急時における対応に関する指示説明及び緊急時の病院受入態勢整備に過失があるが、外傷性腹膜炎による死亡結果との因果関係がないとして、請求が棄却された事例 など

第25章 介護・福祉施設
事 例
○デイケアを受けていた患者が、そのデイケアから帰宅するための送迎バスを降りた直後に転倒して骨折し、その後肺炎を発症して死亡した場合において、注意義務違反による債務不履行責任が認められた事例 など

第26章 説明義務
事 例
○変形性股関節症の患者に対して行った、人工股関節置換手術、寛骨臼廻転骨切手術について過失の存在を否定し、手術についての説明義務違反も存在しないとされた事例
○腎臓移植を受けた患者が慢性拒絶反応を示し、腎不全からうっ血性心不全による肺水腫により死亡した場合において、血液透析を受けるように説得すべき説明義務の違反がないとされた事例 など

第27章 その他

※ 内容を一部変更することがありますので、ご了承ください。

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