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2011.02.23

納税者権利憲章で税制が変わる!(峰崎直樹内閣官房参与V.S.三木義一青山学院大学教授の対談)

税制などの税金にまつわる制度は,全ての方にとって密接に関わりそして重要な問題である。
それにも関わらず,その税金にまつわる制度が,現在どのようなものとなっていてそして具体的にどのような問題点があるのか等については,関心が持たれていないことが実情であろう。

残念ながら,そういう私もその一人である。日常,比較的に法律に近い存在にあるとはいえるが,税法等には余り関心が無いのが正直なところだる。それは他の多くの弁護士等にも共通していることかも知れない。

そんな私だからこそ,三木先生は,この本を送って下さったのでしょう。

現在の税制の根幹部分には,具体的に大きな問題がある。

例えば,
「納税者の権利があるという意味合いが法律上は明確に示されていない」
「現在の税制においては課税庁からの増額更正(事後的な納税額の増額)の期間制限が5年であるのに対して,納税者からの更正の請求(事後的な納税額の減税)の期間制限が1年である」
「税務調査の事前告知が制度化されておらず処分に際する理由も明記されていない」
また実務的には,前近代的ともいうべき「嘆願書」なる書類がまかり通っている。
(ついでに言うと,裁判所に対して「上申書」なる書類を提出することがあることについては常々疑問を有するのだが,実務上まかり通っていて又他に良い名称を思い浮かばないこともあり,それに従っている私があるのだが)

現在の税制の根幹部分が抱えている問題,そして,現在の改正の手続の有り様等が,対談の形式を通じて次のお二人によって平易に示されているのが本書であった。
峰崎直樹/現内閣官房参与、前参議院議員、財務副大臣、政府税調企画委員会主査
三木義一/青山学院大学教授、政府税調専門会委員会委員・納税環境整備小委員会委員長

正直なところ,民主党政権も,(言っては失礼に当たるのだろうが)見えないところで本当に国民のためになる仕事を進めていることを感じさせられると共に,なぜ,今までこのような現状が続いてきたのだろうか,もっとこのような点はアピールすべきであろうし,マスコミも取り上げるべきであるのに,そのようなことが埋もれてしまっているのが昨今であるという点でも,色々と勉強させられた。

そんな思いを,今日この頃の通勤電車の中で本書を読みながら持っていたのだが,そんな折,fecebookにて「三木先生」のアカウントを見つけたので,友達になって頂いた。
http://ja-jp.facebook.com/people/Yoshikazu-Miki/100001978042312

三木先生の税制改革に対する思いは「あとがきに」記されていると感ずるので
それを引用させて頂く・

「平成23年度税制改正大綱で示された納税環境整備に関わる改革案は,政権交代を象徴する大きな意義のあるものである。国家の中枢である税務行政の手続法制を半世紀ぶりに改革し,市民社会にふさわしいものにしたからである。
これまでは,事前通知せずに調査をしたり,理由も書かずに不利益な処分をすること等も可能だったが,これからは原則として許されなくなり,納税者に対して適正な手続きに基づいて納税義務の履行を求めねばならないことになる。このような当然のことが漸く今回の改革案で実現できそうになったのである。
 しかし,実現のためには法律の成立を待たねばならない。具体的に法律になるまでの過程においても様々な議論があり得るが,今後の議論のためにも報告書作成に関わった峰崎参与の改革意図を確認したいと考え,今回の対談となった。
 私が担当した小委員会は論点を整理し,様々な考え方を取り上げたが,税調のPTの方々は非常に積極的な考え方に基づいて手続法制の整備を要求されたことがご理解いただけると思う。税調PTの政治家の方々に心から敬意を表したい。
 もちろん,今回の改革が手続法制の理想からみて100点満点ではありえない。不十分と批判される部分もあるだろう。しかし,そのことで全体を見失ってはならないし,角を矯めて牛を殺してはならない。今回の改革は,長い目で見れば,日本の税制を根底から変えていく第一歩になりうるものであるし,またそうしなければならないのである。」

納税者権利憲章で税制が変わる!
月刊「税理」編集局/編
ISBN 978-4-324-09262-0
図書コード 5107733-00-000
発行年月日 2011年02月10日

「納税者権利憲章」の意義や影響を、改正作業に携わった峰崎直樹内閣官房参与(前財務副大臣・政府税調企画委員会主査)、三木義一青山学院大学教授(政府税調納税環境整備小委員会座長)の対談でわかりやすく解説します。

編著者紹介(肩書は発刊当時)

平井利明のメモ

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