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2011.04.18

平成23年04月13日最高裁判所第二小法廷決定(文書提出命令と手続保障関連)

平成22(ク)1088 文書提出命令に対する抗告審の取消決定に対する特別抗告事件
平成23年04月13日最高裁判所第二小法廷決定

【破棄差戻し】

原審
東京高等裁判所
平成22(ラ)1687
平成22年09月22日

裁判要旨
即時抗告申立書の写しを即時抗告の相手方に送付するなどして相手方に攻撃防御の機会を与えることなく,相手方の申立てに係る文書提出命令を取り消し,同申立てを却下した抗告裁判所の審理手続に違法があるとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81253&hanreiKbn=02

決定文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110418162747.pdf

決定文より
「本件は,抗告人が,相手方に対し,時間外勤務手当の支払を求めて提起した訴訟(以下「本案訴訟」という。)において,同手当の計算の基礎となる労働時間を立証するために,相手方の所持する抗告人のタイムカード(以下「本件文書」という。)が必要であると主張して,本件文書について,文書提出命令の申立て(以下「本件申立て」という。)をした事案」
「原々審は,本件文書の提出を相手方に命じた。これに対し,相手方が,本件文書を所持している事実を争って即時抗告をしたところ,原審は,上記事実を認めるに足りないとして,原々決定を取り消し,本件申立てを却下」

「本件文書は,本案訴訟において,抗告人が労働に従事した事実及び労働時間を証明する上で極めて重要な書証であり,本件申立てが認められるか否かは,本案訴訟における当事者の主張立証の方針や裁判所の判断に重大な影響を与える可能性がある上,本件申立てに係る手続は,本案訴訟の手続の一部をなすという側面も有する。そして,本件においては,相手方が本件文書を所持しているとの事実が認められるか否かは,裁判所が本件文書の提出を命ずるか否かについての判断をほぼ決定付けるほどの重要性を有するものであるとともに,上記事実の存否の判断は,当事者の主張やその提出する証拠に依存するところが大きいことにも照らせば,上記事実の存否に関して当事者に攻撃防御の機会を与える必要性は極めて高い。」
「しかるに,記録によれば,相手方が提出した即時抗告申立書には,相手方が本件文書を所持していると認めた原々決定に対する反論が具体的な理由を示して記載され,かつ,原々決定後にその写しが提出された書証が引用されているにもかかわらず,原審は,抗告人に対し,同申立書の写しを送付することも,即時抗告があったことを抗告人に知らせる措置を執ることもなく,その結果,抗告人に何らの反論の機会を与えないまま,上記書証をも用い,本件文書が存在していると認めるに足りないとして,原々決定を取り消し,本件申立てを却下しているのである。そして,記録によっても,抗告人において,相手方が即時抗告をしたことを知っていた事実や,そのことを知らなかったことにつき,抗告人の責めに帰すべき事由があることもうかがわれない。」
「以上の事情の下においては,原審が,即時抗告申立書の写しを抗告人に送付するなどして抗告人に攻撃防御の機会を与えることのないまま,原々決定を取り消し,本件申立てを却下するという抗告人に不利益な判断をしたことは,明らかに民事訴訟における手続的正義の要求に反するというべきであり,その審理手続には,裁量の範囲を逸脱した違法があるといわざるを得ない。」 
   

平井利明のメモ

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