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2011.05.14

製造物責任法についてのメモ

 先日,製造物責任法に基づく製造者の責任を認める判決を大阪地裁にて頂いた。詳細は略するが,表示上の欠陥が存在することを認める内容である。
 製造物責任に関する裁判例というのは,多いように感じるが,実態はそうでないようである。
 
 

 製造物責任法は平成6年に成立して平成7年から施行されている法律である。
 製造物の欠陥により被害を発生させた場合には,製造者には,原則,過失が無くとも,つまり欠陥が生じたことについて落ち度が無くても製造者に損害賠償責任を負担させる仕組みとなっている。
 いわゆる無過失責任を採用していることから,製造物責任法が制定されるまでには,無過失責任を認める法律が出来ると損害賠償請求が多発するのではないか?そして訴訟が激増するのではないか?等大きな話題を提供し,製造物責任賠償保険(いわゆるPL保険)の開発及び販売が積極的に進められたということがあった。
 しかし,実際にふたを開けてみると,訴訟の件数は,かなり少ないのが実態のようである。
 製造物責任法に関しては,我が国における運用状況関する報告書が存在する。
「製造物責任法の運用状況等に関する実態調査報告書」平成18年7月内閣府国 民生活局
http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/seizoubutsu/file/hokoku.pdf

 この報告書の「製造物責任法に関係する国内訴訟事例」には次のように示されている。
 『本調査で対象とした訴訟事例は,国民生活センター調査(「消費生活年報2005」に掲載),判例データベース,法律雑誌,新聞記事等からできる限り幅広く収集し,平成18年2月28日現在で一審判決文または訴状を入手できた事案90件である。我が国における製造物責任訴訟を必ずしもすべて網羅するものではない。』
 このような事情からだろうと推察するが,製造物責任法に関する教科書的な本も数が少ない。
 従って,実際の裁判に当たっては,試行錯誤的なところを伴う。

製造物責任法
(定義)
第2条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
一  当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)
二  自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
三  前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者
(製造物責任)
第3条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
(免責事由)
第4条 前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。
一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。

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