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2011.09.15

平成23年09月08日最高裁判所第一小法廷判決(住民訴訟と弁護士報酬関連)

平成21(受)1408弁護士報酬請求事件
平成23年09月08日最高裁判所第一小法廷判決

原審
大阪高等裁判所
平成20(ネ)2729
平成21年04月22日

裁判要旨
「国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号の規定による住民訴訟において住民が勝訴した場合の同条7項にいう「相当と認められる額」の認定に当たり,判決の結果当該普通地方公共団体が回収した額を考慮する際には,その額は,現に回収された額とすべきであり,その回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除した額とすべきものではない。」

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81592&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110908145147.pdf

判決文より
「京都市の住民である上告人らが,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき被上告人に代位して提起した住民訴訟(以下「別件訴訟」という。)において,被上告人の発注に係るごみ処理設備建設工事(以下「本件工事」という。)の一般競争入札に参加して落札した会社(以下「別件被告会社」という。)が他の業者らと談合を行った結果落札価格が不当につり上げられたと主張して,別件被告会社に対し,不法行為に基づく損害賠償の請求をしたところ,一部勝訴したことから,同条7項に基づき,被上告人に対し,別件訴訟において訴訟委任をした弁護士らに支払うべき報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を求めている事案」

「法242条の2第7項にいう「相当と認められる額」とは,同条1項4号の規定による住民訴訟(以下「旧4号住民訴訟」という。)において住民から訴訟委任を受けた弁護士が当該訴訟のために行った活動の対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいい,その具体的な額は,当該訴訟における事案の難易,弁護士が要した労力の程度及び時間,認容された額,判決の結果普通地方公共団体が回収した額,住民訴訟の性格その他諸般の事情を総合的に勘案して定められるべきものである(最高裁平成19年(受)第2069号同21年4月23日第一小法廷判決・民集63巻4号703頁参照)。」
「同条7項において,旧4号住民訴訟を提起した住民が勝訴した場合に上記「相当と認められる額」の支払を普通地方公共団体に請求することができるとされているのは,当該勝訴判決により当該普通地方公共団体が現に経済的利益を確保することになるという事情が考慮されたことによるものと解される。そして,当該普通地方公共団体は,当該勝訴判決で認められた損害賠償等の請求権を行使することにより本来その認容額の全額を回収し得る地位に立つのであり,他方,本件のような国庫補助金相当額の返還は上記請求権の行使とは別の財務会計行為によるものであるから,その返還に係る国庫補助金相当額が最終的には当該普通地方公共団体の利得とならないとしても,当該勝訴判決の結果現に回収された金員が,当該弁護士の訴訟活動によって当該普通地方公共団体が確保した経済的利益に当たるものというべきである。そうすると,国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める旧4号住民訴訟において住民が勝訴した場合の上記「相当と認められる額」の認定に当たり,勝訴により確保された経済的利益の額として判決の結果当該普通地方公共団体が回収した額を考慮する際には,その額は,現に回収された額とすべきであり,現に回収された額からその回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除した額とすべきものではないと解するのが相当である。」

平井利明(弁護士@中村・平井・田邉法律事務所)のメモ

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