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2011.10.25

平成21(受)1096債務不存在確認等請求及び当事者参加事件(個品割賦購入あっせん関連)

平成21(受)1096債務不存在確認等請求及び当事者参加事件
平成23年10月25日最高裁判所第三小法廷判決

原審

名古屋高等裁判所
平成20(ネ)747
平成21年02月19日

判示事項
個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合でも,これと一体的に購入者とあっせん業者との間の立替払契約の効力を否定することを信義則上相当とする特段の事情がない限り,同契約は無効とならない

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81723&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111025143508.pdf

判決文より

「本件は,第1審脱退被告(以下「本件あっせん業者」という。)の加盟店である販売業者(以下「本件販売業者」という。)との間で宝飾品の売買契約を締結し,本件あっせん業者との間で購入代金に係る立替払契約を締結した被上告人が,本件あっせん業者から事業の譲渡を受けた上告人に対し,上記売買契約が公序良俗に反し無効であることにより上記立替払契約も無効であること又は消費者契約法5条1項が準用する同法4条1項1号若しくは同条3項2号により上記立替払契約の申込みの意思表示を取り消したことを理由として,不当利得返還請求権に基づき,上記立替払契約に基づく既払金の返還を求めるとともに,本件あっせん業者がその加盟店の行為について調査する義務を怠ったことにより本件販売業者の行為による被害が発生したことを理由として,不法行為に基づき,上記既払金及び弁護士費用相当額の損害賠償を求め,他方,上告人が,被上告人に対し,上記立替払契約に基づき,未払割賦金の支払を求める事案」
「上記の不法行為の成立を否定し,弁護士費用相当額の損害賠償請求を棄却した原審の判断については,不服の申立てがなく,原判決中,同部分は当審の審理の対象ではない。」

「個品割賦購入あっせんは,法的には,別個の契約関係である購入者と割賦購入あっせん業者(以下「あっせん業者」という。)との間の立替払契約と,購入者と販売業者との間の売買契約を前提とするものであるから,両契約が経済的,実質的に密接な関係にあることは否定し得ないとしても,購入者が売買契約上生じている事由をもって当然にあっせん業者に対抗することはできないというべきであり,割賦販売法30条の4第1項の規定は,法が,購入者保護の観点から,購入者において売買契約上生じている事由をあっせん業者に対抗し得ることを新たに認めたものにほかならない(最高裁昭和59年(オ)第1088号平成2年2月20日第三小法廷判決・裁判集民事159号151頁参照)。
そうすると,個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても,販売業者とあっせん業者との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし,販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ,売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを信義則上相当とする特段の事情があるときでない限り,売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となる余地はないと解するのが相当である。」

「これを本件についてみると,本件販売業者は,本件あっせん業者の加盟店の一つにすぎず,本件販売業者と本件あっせん業者との間に,資本関係その他の密接な関係があることはうかがわれない。そして,本件あっせん業者は,本件立替払契約の締結の手続を全て本件販売業者に委ねていたわけではなく,自ら被上告人に本件立替払契約の申込みの意思,内容等を確認して,本件立替払契約を締結している。また,被上告人が本件立替払契約に基づく割賦金の支払につき異議等を述べ出したのは,長期間にわたり約定どおり割賦金の支払を続けた後になってからのことであり,本件あっせん業者は,本件立替払契約の締結前に,本件販売業者の販売行為につき,他の購入者から苦情の申出を受けたことや公的機関から問題とされたこともなかったというのである。これらの事実によれば,上記特段の事情があるということはできず,他に上記特段の事情に当たるような事実もうかがわれない。」

「本件売買契約が公序良俗に反し無効であることにより,本件立替払契約が無効になると解すべきものではなく,被上告人は,本件あっせん業者の承継人である上告人に対し,本件立替払契約の無効を理由として,本件既払金の返還を求めることはできない。」

平井利明(弁護士@中村・平井・田邉法律事務所)のメモ

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