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2012.01.14

平成24年01月13日最高裁判所第二小法廷判決(「その収入を得るために支出した金額」関連)

平成21(行ヒ)404所得税更正処分等取消請求事件平成24年01月13日最高裁判所第二小法廷判決

原審
福岡高等裁判所
平成21(行コ)11
平成21年07月29日

裁判要旨
1 所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」の支出の主体
2 会社が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該会社の代表者らが受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該会社における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81881&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120113153829.pdf

判決文より
「本件は,被上告人らの経営する株式会社が契約者となり保険料を支払った養老保険契約(被保険者が保険期間内に死亡した場合には死亡保険金が支払われ,保険期間満了まで生存していた場合には満期保険金が支払われる生命保険契約をいう。以下同じ。)に基づいて満期保険金の支払を受けた被上告人らが,その満期保険金の金額を一時所得に係る総収入金額に算入した上で,当該会社の支払った上記保険料の全額が一時所得の金額の計算上控除し得る「その収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)に当たるとして,所得税(平成13年分から同15年分まで)の確定申告をしたところ,所轄税務署長から,上記保険料のうちその2分の1に相当する被上告人らに対する貸付金として経理処理がされた部分以外は上記「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとして,更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたため,上記各処分(更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求める事案である。」

平井利明のメモ

「所得税法は,23条ないし35条において,所得をその源泉ないし性質によって10種類に分類し,それぞれについて所得金額の計算方法を定めているところ,これらの計算方法は,個人の収入のうちその者の担税力を増加させる利得に当たる部分を所得とする趣旨に出たものと解される。一時所得についてその所得金額の計算方法を定めた同法34条2項もまた,一時所得に係る収入を得た個人の担税力に応じた課税を図る趣旨のものであり,同項が「その収入を得るために支出した金額」を一時所得の金額の計算上控除するとしたのは,一時所得に係る収入のうちこのような支出額に相当する部分が上記個人の担税力を増加させるものではないことを考慮したものと解されるから,ここにいう「支出した金額」とは,一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解するのが上記の趣旨にかなうものである。また,同項の「その収入を得るために支出した金額」という文言も,収入を得る主体と支出をする主体が同一であることを前提としたものというべきである。
したがって,一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解するのが相当である。
なお,所得税法施行令183条2項2号についても,以上の理解と整合的に解釈されるべきものであり,同号が一時所得の金額の計算において支出した金額に算入すると定める「保険料…の総額」とは,保険金の支払を受けた者が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解すべきであって,同号が,このようにいえない保険料まで上記金額に算入し得る旨を定めたものということはできない。所得税法基本通達34-4も,以上の解釈を妨げるものではない。」

 

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