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2012.02.24

平成24年02月24日最高裁判所第二小法廷判決(労災関連)

平成22(行ヒ)273労働災害補償金不支給決定処分取消請求事件
平成24年02月24日最高裁判所第二小法廷判決

原審
広島高等裁判所
平成21(行コ)15
平成22年03月19日

裁判要旨
建設の事業を行う中小事業主が,その使用する労働者を個々の建設等の現場における事業にのみ従事させ,本店等の事務所を拠点とする営業等の事業に従事させていないときは,当該営業等の事業について労働者災害補償保険の特別加入の承認を受けることはできない。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82025&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120224161638.pdf

判決文より

「建築工事の請負を業とする有限会社A(以下「A社」という。)の代表取締役であり労働者災害補償保険法(平成12年法律第124号による改正前のもの。以下「法」という。)27条1号所定の事業主(以下「中小事業主」という。)の代表者として法28条1項の承認に基づき労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)に特別加入していたBが,A社において受注を希望していた工事の予定地の下見に赴く途中で事故により死亡したことに関し,その妻である上告人が,Bの死亡は同項2号にいう「業務上死亡したとき」に当たるとして,法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ,広島中央労働基準監督署長から,これらを支給しない旨の決定(以下「本件各処分」という。)を受けたため,その取消しを求めている事案」

平井利明(弁護士@中村・平井・田邉法律事務所)のメモ

「法28条1項が定める中小事業主の特別加入の制度は,労働者に関し成立している労災保険の保険関係(以下「保険関係」という。)を前提として,当該保険関係上,中小事業主又はその代表者を労働者とみなすことにより,当該中小事業主又はその代表者に対する法の適用を可能とする制度である。そして,法3条1項,労働保険の保険料の徴収等に関する法律3条によれば,保険関係は,労働者を使用する事業について成立するものであり,その成否は当該事業ごとに判断すべきものであるところ(最高裁平成7年(行ツ)第24号同9年1月23日第一小法廷判決・裁判集民事181号25頁参照),同法4条の2第1項において,保険関係が成立した事業の事業主による政府への届出事項の中に「事業の行われる場所」が含まれており,また,労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則16条1項に基づき労災保険率の適用区分である同施行規則別表第1所定の事業の種類の細目を定める労災保険率適用事業細目表(昭和47年労働省告示第16号)において,同じ建設事業に附帯して行われる事業の中でも当該建設事業の現場内において行われる事業とそうでない事業とで適用される労災保険率の区別がされているものがあることなどに鑑みると,保険関係の成立する事業は,主として場所的な独立性を基準とし,当該一定の場所において一定の組織の下に相関連して行われる作業の一体を単位として区分されるものと解される。そうすると,土木,建築その他の工作物の建設,改造,保存,修理,変更,破壊若しくは解体又はその準備の事業(同施行規則6条2項1号。以下「建設の事業」という。)を行う事業主については,個々の建設等の現場における建築工事等の業務活動と本店等の事務所を拠点とする営業,経営管理その他の業務活動とがそれぞれ別個の事業であって,それぞれその業務の中に労働者を使用するものがあることを前提に,各別に保険関係が成立するものと解される。」

「建設の事業を行う事業主が,その使用する労働者を個々の建設等の現場における事業にのみ従事させ,本店等の事務所を拠点とする営業等の事業に従事させていないときは,上記営業等の事業につき保険関係の成立する余地はないから,上記営業等の事業について,当該事業主が法28条1項に基づく特別加入の承認を受けることはできず,上記営業等の事業に係る業務に起因する事業主又はその代表者の死亡等に関し,その遺族等が法に基づく保険給付を受けることはできないものというべきである。」

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