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2013年4月

2013.04.30

アラウによるワルトシュタイン

はるかはるか昔にラジオで聴いた。
このワルトシュタインの3楽章は衝撃的だった。
とても歌心のある曲であることを初めて知り
演奏者が80歳台であることに驚愕させられた。
たぶんその時の演奏だと思う。(ワルトシュタインの第2楽章,第3楽章)
http://www.youtube.com/watch?v=mX0IYsGZXEw

Beethoven Piano Sonata opus 53 no.21 in C ''Waldstein'' (2-2)
Piano: Claudio Arrau

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2013.04.28

訴状,準備書面等における署名

民事事件における訴状や準備書面等では,署名(押印無し)はダメなのですね。

民事訴訟規則第2条 
訴状、準備書面その他の当事者又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。

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2013.04.27

逸失利益におけるフィクション

法律実務における逸失利益の計算は,誰もが納得出来ない壮大なるフィクションが前提となっている。
たとえば,死亡ケースを考えると,死亡時の年収が67歳まで定額であることを前提とする。
例えば,現在400万円の稼ぎがあれば,67歳まで,毎年毎年400万円の年収であることを前提として計算する。その間,増額することもなければ減額することもない。
昇級の可能性も考えなければ,退職の可能性もも考えない。インフレもデフレも考えない。
しかし,これらの要素を捨象することはある程度やむを得ないのでしょう。
ただ,定時昇給すらもないことが前提となっていることはいかがなものかと思われる。
現在価値に引き直すと,給料は毎年減ることになるw
また,中間利息の控除においては,労働者といえども,稼いだ給料を,法定利率(年5%)という非現実的な高金利で且つ複利で運用することが前提とされている(そうでなければライプニッツ係数はとりえないはず)。(私の考え違い?)
上記の通り給料は増えることはないのだが,もらった給料は複利で運用しているはずであることを前提とすることは極めて不可思議な考えである。
このように,とてもとても非現実的な要素を含む計算方法なのだが,これに代わる現実的モデルがどこからも提示されていないところが法律実務界という不思議な世界。
なお,それは,変わってしまうと実務に混乱をもたらすからでもあるのだが(予測可能性がなくなる),だからといって,フィクションの世界がいつまで通用するのか。
授業資料としてのライプニッツ係数の説明文書等を作成しながら,こんなことを改めて思う。

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取引法としての民法財産編

民法の財産編は,基本的には取引に関する法律のはず
(相隣関係等物権にまつわる部分は異なった要素もありますが)。
そして平等な取引主体を作るための法律であるはず。
なにしろ近代国家を目指す途上であった明治時代の法律ですから。
そのことが,民法を扱う際に,忘れられてしまっているのが昨今かなと。

そんな法律だからこそ,特別法による多くの修正がなされているのですが,特別法等により修正されてしまっている現在の民法をみると,民放の本質というは原点は,見えてこなくなってしまうのだろうと思います。
民法を理解するためには,民法が生まれた頃の姿をまずイメージすることが重要であり,その上で修正の必要性を理解し,そして現在の民法を理解することが必要だと考えている。

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定家と名付けられた丸いせんべい

多分、新古今和歌集の編者である藤原定家が由来なのでしょう。
そして,定家の日記である明月記からきているのでしょうね。
なお、昔からの多くの日記を題材とした最近は読んでいたドナルド=キーン氏の「百代の過客」によって初めて知ったことだけれども、明月記は漢文で書かれていて今の人にはとても読めたものではないようですね。
大和言葉であるカナ文よりは、高級官僚等の知識人の世界ではやはり漢文だったのですね。
それはさておき、明月記は天文学の世界でも貴重な資料となっているのですね。
超新星爆発の経過が記されているので。
私が知っていることはその程度ではありますが。

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賃貸契約書の特約事項について

主に学生向けの賃貸物件。
特約条項として賃貸物件から3月に退去する際には20日までにと定められている。
しかし,日割りとならず。
京都の慣習とのことだが,他の地域ではどうなっているのだろうか。
なお,20日までに退去ということは理解できるのだが,日割り計算にならないということにはそれを裏付ける合理性があるのだろうか。
なお,例えば次の入居者から3月分の家賃を日割りで取得すると,2重の利益になるように思える。

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2013.04.26

勝訴判決を得て

今日は難しい事件の判決の言渡し日だった。
結果は前面勝訴。
前にも少し触れたが、患者側である原告にはなぜかその道の名実ともに大家の医師が応援者として登場し意見書作成だけでなく証人としてまで登場してきた案件。
ということで証人尋問の機会に大家を理解させるしかなかった事案。
結論的には、そのことに成功し、そのときはじめて形勢が逆点した。
ということで今日の判決は、私としては予想どおりではあった。
しかし,素人がその道の大家にこちらが示す事実を認めさせるのは容易なことではない。
たいへんだった。
しかし,客観的に認めざるを得ないところは認める。
さすがにその点は大家といわれる医師だった。
そのようなことすらしない医師も増えてきた昨今ではあることを考えると,潔い。
腰のひけるまわりを私がはげましてここまで来させたので、それだけに理解をいただいた判決をいただいて正直ほっとしている。
ただ、今日は東京出張のため、判決をきけなかったことは残念。

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iPadを久しぶりに持ち出す日

始発に近い電車にて東京行きの日。
さすがに外は明るくなるのが早くなった。
そして外気が心地よい。

こんな日だがiPadminiを事務所に忘れてきてしまった。
よって,今日の資料の持ち運びはiPad(3)。
やはり手に持って資料を読むには重い。
しかし
資料を見るにはこの大きさと画質はやはりありがたい。
次期のiPadはminiレベルとまではいかないが、かなり軽量化がはかられるとのうわさ。
期待したい。

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株主への告知(西武線にて)

東京の地下鉄車両における告知。
TOB等には応じないで下さいという希望が記された西武ホールディングスからの告知内容。
このようにして対抗するのですね。

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2013.04.25

京都にて

京都もいい季節となった。
風と光が織りなす雰囲気は,パリとまではいえないかもしれないが、日本の都市であるにもかかわらず今日まで何とか保っていることに感心させられる。

なお
もうすぐ世間はゴールデンウイークとのこと。
しかし,4月29日月曜日,5月6日月曜日は両日とも絶賛授業日。

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2013.04.24

準備書面の提出

あまりにもナンセンスな頭にカチンとくる相手方準備書面を見ると,条件反射で反論準備書面を書いてしまう。
明日の期日は,次回までの準備期間をお伝えする予定だったとしても。

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日経平均平成25年4月24日終値

13,843.46円   前日比+313.81円

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動産売買の先取特権についての対抗要件具備の要否

先般,動産売買の先取特権の物上代位の行使を実行。
容易でない手続きであり,時間との戦いでもあるが,この度も,裁判所の決定を得ることが出来て安堵。

決定の送達後
第三債務者である破産管財人より,電話があり,動産売買の先取特権について対抗要件を備えているのか?等の問い合わせ。

困った・・・

対抗要件は備えていない。
というより対抗要件が必要である根拠が不明(笑)。
ということで,面白い戦いとなりそうだ。

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2013.04.23

平成25年04月19日最高裁判所第三小法廷決定(文書提出命令関連)

平成25(行フ)2文書提出命令申立一部認容決定に対する許可抗告事件
平成25年04月19日最高裁判所第三小法廷決定

【破棄自判】

原審
広島高等裁判所
平成22(行タ)1
平成24年11月16日

裁判要旨
全国消費実態調査の調査票情報を記録した準文書が民訴法231条において準用する同法220条4号ロ所定の「その提出により…公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たるとされた事例」

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83206&hanreiKbn=02

決定文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130422160241.pdf

「本案訴訟は,広島県内に居住して生活保護法に基づく生活扶助の支給を受けている相手方らが,同法の委任に基づいて厚生労働大臣が定めた「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号。以下「保護基準」という。)の数次の改定により,原則として70歳以上の者を対象とする生活扶助の加算が段階的に減額されて廃止されたことに基づいて所轄の福祉事務所長らからそれぞれ生活扶助の支給額を減額する旨の保護変更決定を受けたため,保護基準の上記改定は憲法25条1項,生活保護法3条,8条,9条,56条等に反する違憲,違法なものであるとして,上記福祉事務所長らの属する地方公共団体を被告として上記各保護変更決定の取消し等を求める事案」
「本件は,相手方らが,本案訴訟の控訴審において,厚生労働大臣が保護基準を改定するに当たって根拠とした統計に係る集計の手法等が不合理であることを立証するために必要があるとして,抗告人の所持に係る下記の準文書(以下「本件申立て準文書」という。)につき,文書提出命令の申立て(以下「本件申立て」という。)をした事件」

「本件申立てに関し,民訴法231条において準用する同法223条3項所定の当該監督官庁である総務大臣は,同項に基づく意見聴取手続において,仮に本件申立て準文書が本案訴訟において提出されると統計行政に対する信頼を損ない,今後の統計調査の実施に著しい支障が生ずることなどを理由として,本件申立て準文書が同法220条4号ロ所定の「公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たる旨の意見を述べ,また,本件申立て準文書の所持者である抗告人は,同様の理由により本件申立て準文書を提出すべき義務を負わない旨の意見を述べた。」

「基幹統計調査としての全国消費実態調査における被調査者の当該統計制度に係る情報保護に対する信頼の確保に係る上記(1)の要請に加え,全国消費実態調査に係る調査票情報である本件準文書に記録された情報の性質や内容等に係る上記(2)の事情も併せ考慮すれば,仮に本件準文書が本案訴訟において提出されると,上記(1)及び前記1(5)ウのように調査票情報に含まれる個人の情報が保護されることを前提として任意に調査に協力した被調査者の信頼を著しく損ない,ひいては,被調査者の任意の協力を通じて統計の真実性及び正確性を担保することが著しく困難となることは避け難いものというべきであって,これにより,基幹統計調査としての全国消費実態調査に係る統計業務の遂行に著しい支障をもたらす具体的なおそれがあるものといわなければならない。
以上によれば,本件準文書は,民訴法231条において準用する同法220条4号ロ所定の「その提出により…公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たるものというべきである。」

裁判官田原睦夫の補足意見より
「私は,法廷意見に与するものであるが,民訴法220条4号ロの意義に関して判示する最高裁平成17年(許)第11号同年10月14日第三小法廷決定・民集59巻8号2265頁につき私の理解するところについて述べたうえで,基幹統計と同条4号ロの要件との関係につき,以下のとおり補足して意見を述べる。
1 民訴法220条4号ロの「その提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」の意義について
(1) 上記最高裁平成17年決定
同決定は,「民訴法220条4号ロにいう『その提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある』とは,単に文書の性格から公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずる抽象的なおそれがあることが認められるだけでは足りず,その文書の記載内容からみてそのおそれの存在することが具体的に認められることが必要である」との一般的な判示をしているところ,その判示するところを理解するうえで,事案の内容と同判示の関係について以下にみておく。
事案は,労災事故に係る労働基準監督署等の調査担当者作成の災害調査復命書に対する文書提出命令の申立てであり,その内容には,事故に係る客観的な事実関係のほか,以下の二種類のものが含まれていた。
① 当該調査担当者が,事業場や労働者らから聴取したところを取纏めたもの,事業者から提供を受けた関係資料や当該事業場内の見分等に基づいて推測,評価,分析した事項。
② 再発防止策,行政指導の措置内容についての当該担当者の意見,署長判決及び意見等の行政内部の意思形成過程に関する情報。
同決定は,①の情報に係る部分が本案訴訟において提出されても,関係者の信頼を著しく損ない,また以後調査担当者が労働災害に関する調査を行うに当たって関係者の協力を得ることが著しく困難となるということや,提出によって災害調査復命書の記載内容に実質的な影響が生ずるとは考えられないので,公務の遂行に著しい支障が具体的に存在するということはできないとして,同号ロ該当性を否定した。
他方,②の情報に係る部分は,行政内部の意思形成過程に関する情報が記載されたものであり,その記載内容に照らして,これが本案事件において提出されると,行政の自由な意思決定が阻害され,公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれが具体的に存在することが明らかであるとして,同号ロ該当性を肯定した。
(2) 文書の内容と同号ロ該当性の判断
文書の内容が同号ロに該当するか否かは,上記最高裁平成17年決定を踏まえると,以下のとおり解析することができるものと解される。
ア 公共利益を害する文書該当性
文書の記載内容自体に高度の公益性があり,それが公表された場合には,公共の利益を害することが明らかな文書がそれに当たると解される。例えば,防衛秘(東京高裁平成20年2月19日決定・判例タイムズ1300号293頁は,元海上自衛隊員の自殺事故に関する報告書について,自衛艦の乗員数,泊地等につき同号ロ該当性を肯定した。),外交秘,治安関係事項に関する文書等がそれに当たるであろう。
イ 公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれのある文書該当性
公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれの有無が問題になり得る文書は,以下のとおり分類できる。
(ア) 当該文書の内容から,それが公表されること自体が公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる文書
例えば,行政内部の意思形成過程の文書で,公表が予定されていない文書(同条4号ニ本文の「内部文書」に相当する文書),具体的には,上記平成17年決定の②の文書,病院の医療事故に関し病院内部で作成された報告書等(広島高裁岡山支部平成16年4月6日決定・判例時報1874号69頁,東京高裁平成23年5月17日決定・判例タイムズ1370号239頁等),相手方との信頼関係保持との関係上,公表することが予定されていない文書(最高裁平成17年(行フ)第4号同年7月22日第二小法廷決定・民集59巻6号1888頁・外務省が口上書の形式で外国公機関に交付した文書の控え等),非公開の委員会の議事録等がそれに当たると解される。
(イ) 当該文書の内容が,訴訟当事者に直接関係し,あるいは訴訟の争点に関連する事項を内容とする文書
a 訴訟当事者に直接関連する事項を内容とする文書例えば,事故に係る損害賠償請求訴訟において,当該事故に関する報告書のうち,当該訴訟当事者に直接関係する部分等については,それが公表されることにより生じ得る支障の事項,内容を具体的に想定し得るのであり,それが著しい支障と評価すべきものか否かは,当該訴訟の内容に応じて個別具体的に検討されるべきものである(多くの場合,その支障は否定されるであろう。)。
b 訴訟当事者に間接的に関連する事項を内容とする文書
例えば,訴訟の対象たる事故の遠因を調査するための第三者からの聴取書,再発防止策のための検討資料等がそれに当たるであろう。
かかる文書の場合には,①それを公表すること自体により当該第三者の利益を侵害し,そのことが公務の遂行に著しい支障を生じるおそれをもたらす場合と,②その公表により,同種の事故が生じた場合に同様の調査を行うことが困難となることとなって公務の遂行に著しい支障が生ずる場合とが想定される。
そのうち,①については,具体的なおそれの有無を個別事案毎に検討することが可能であるが,②については,将来予測であるだけに,その具体的なおそれの認定は,①に比すれば具体性の程度を緩やかに解さざるを得ないと言える。
かかる観点から4号ロの要件該当性を肯定したものとして,最高裁平成15年(許)第48号同16年2月20日第二小法廷決定・裁判集民事213号541頁(漁業補償交渉資料として作成された補償額算定資料),前掲東京高裁平成20年2月19日決定の事故報告書の一部等がある。
(ウ) 当該文書が訴訟当事者と関係なく作成された文書である場合
その場合も(イ)bと同様に,①それが公表されることにより,その内容に関わる関係者の利益を直接侵害するおそれがあり,そのことによって公務の遂行に著しい支障を来すか否かという点と,②その公表により,将来それと同種の文書を作成することに困難を来し,その結果,爾後の公務の遂行に著しい支障を来すか否かが問題となり得る。
そのうち①の点は,ある程度具体的に検討することが可能であるが,本件統計調査の如く,法廷意見に記載したようにその対象者が多数に上る場合には,ある程度緩やかなレベルで判断せざるを得ないと言えよう。また②の点は,より一般的な将来予測であるだけに,(イ)bの場合に比して,具体性の程度をより緩やかに解さざるを得ないと言えよう。
ウ 小括
以上検討したとおり,公務の遂行に著しい支障が生ずるか否かの認定における具体性の程度は,当該文書の内容(訴訟当事者との関係及びその記載内容)との関係から,比較的明確に認定し得るものから,その生ずるおそれの事項や内容について相当程度まで具体的に想定し得ても,それが生ずるおそれの認定についてはある程度緩やかなレベルに止まらざるを得ないものがあると言える。
本件準文書についても,以上に述べたところを前提に検討する必要があるといえよう。なお,その公務の遂行に著しい支障が生ずるか否かの認定においても,後記3に記載する相関的な観点から認定がなされるべきものと解される。
(以下略)」

【コメント】
田原先生の意見には,最高裁平成17年(許)第11号同年10月14日第三小法廷決定をふまえながら「民訴法220条4号ロ」の「その提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」の意義について書かれていますね。
「(ア) 当該文書の内容から,それが公表されること自体が公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる文書」は文書提出義務がないとしているのですが,その中に「病院の医療事故に関し病院内部で作成された報告書等(広島高裁岡山支部平成16年4月6日決定・判例時報1874号69頁,東京高裁平成23年5月17日決定・判例タイムズ1370号239頁等)」が具体例として示されていますね。

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2013.04.21

安川忠之君コンサート

安川くんのコンサート
ピアジュリアンにて

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2013.04.20

歴史の壺(法務省)

歴史の壺(法務省)

feedlyよりの初投稿
http://www.moj.go.jp/content/000109886.pdf

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平成25年03月28日最高裁判所第一小法廷決定(面接交渉権と間接強制関連)

平成24(許)41間接強制決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件
平成25年03月28日最高裁判所第一小法廷決定

原審
高松高等裁判所
平成24(ラ)100
平成24年09月24日

裁判要旨
監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83151&hanreiKbn=02

決定文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130401160937.pdf

決定文より
「本件は,未成年者の父である抗告人が,未成年者の母であり,未成年者を単独で監護する相手方に対し,抗告人と未成年者との面会及びその他の交流(以下「面会交流」という。)に係る審判に基づき,間接強制の申立てをした事案」

「平成24年2月,高知家庭裁判所において,相手方に対し,抗告人と長男及び二男が,1箇月に2回,土曜日又は日曜日に,1回につき6時間面会交流をすることを許さなければならないなどとする審判がされ,同審判は,同年3月確定した(以下,この審判を「本件審判」といい,上記の面会交流を命じた条項を「本件条項」という。)。」

「子を監護している親(以下「監護親」という。)と子を監護していない親(以下「非監護親」という。)との間で,非監護親と子との面会交流について定める場合,子の利益が最も優先して考慮されるべきであり(民法766条1項参照),面会交流は,柔軟に対応することができる条項に基づき,監護親と非監護親の協力の下で実施されることが望ましい。一方,給付を命ずる審判は,執行力のある債務名義と同一の効力を有する(平成23年法律第53号による廃止前の家事審判法15条)。監護親に対し,非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判は,少なくとも,監護親が,引渡場所において非監護親に対して子を引き渡し,非監護親と子との面会交流の間,これを妨害しないなどの給付を内容とするものが一般であり,そのような給付については,性質上,間接強制をすることができないものではない。」
「したがって,監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。」
「これを本件についてみると,本件条項は,1箇月に2回,土曜日又は日曜日に面会交流をするものとし,また,1回につき6時間面会交流をするとして,面会交流の頻度や各回の面会交流時間の長さは定められているといえるものの,長男及び二男の引渡しの方法については何ら定められてはいない。そうすると,本件審判においては,相手方がすべき給付が十分に特定されているとはいえないから,本件審判に基づき間接強制決定をすることはできない。」

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モーツアルトの第4番のミサ曲

珍しく,短調の曲。
13歳になる前つまり12歳の時に作曲されたとのこと。
さすがに神童,作品も神々しい。
http://www.youtube.com/watch?v=mBnzXm3LXT4

Wolfgang Amadeus Mozart - Missa Brevis in D minor KV 65
I. Kyrie II. Gloria III. Credo IV. Sanctus V. Benedictus VI. Agnus Dei

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ハンバーグステーキランチ

事務所まで自転車で来たものの、これで帳消し? かなり肉分が多くスパイシーでもあり。

久しぶりにココログアプリからの投稿 1366432364522.jpg

続きを読む "ハンバーグステーキランチ"

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GppgleReaderの後釜

RSSリーダーとして,googlereaderを便利に使わせて頂いていたのだがこの7月1日以降使えなくなるとのこと。
従って,引越を考えなければならない。
最初にMyyahooにチャレンジしてみたが,300カウントしか登録できないとのことなので私には利用できない。
そんなこともあって,人気が高そうなFeedlyとFlipboardにチャレンジ。
導入はとても簡単な。それぞれからgooglereaderにログインすればそれで足りる。

比較すると全体的にはFeedlyの方が優れている。
Feedlyの場合は,Webからも見ることが出来る。
googlereaderで設定していた分類(フォルダ)がそのまま反映される。

反対にFlipboadはアプリからでしか見ることが出来ないし,フォルダも反映されない。
しかし,閲覧はFlipboardの場合の方が馴染みやすい。ページをめくるような感じがとてもよく画面等も非常に工夫されている。雑誌を読んでいる感がして見ていてとても楽しい。
また,Flipboadの場合は,facebookやtwitterも登録できる。
そして,投稿したい記事を見かけたときには,Flipboardを利用すると,「見出し」と「アドレス」を比較的容易に入手できる。Feedlyの場合は,そうではない。

そんなことを色々とチャレンジしながら,それぞれの特性に応じた利用をすることになるのだろう。

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他のデバイスへのアプリの自動ダウンロード

設定
>iTunesStore/AppStore
>自動ダウンロード → オンに

他のデバイス(iPhone,iPad等)で新規購入した項目を自動的にダウンロードできるようになる。

この機能があることはわかっていたのだが,設定未了のデバイスがあったところ,その設定方法を忘れてしまっていたので,備忘として。

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2013.04.19

平成25年03月26日最高裁判所第三小法廷判決(建築主事の義務違反関連)

平成22(受)2101損害賠償請求事件
平成25年03月26日最高裁判所第三小法廷判決

原審
大阪高等裁判所
平成21(ネ)3080
平成22年07月30日

裁判要旨
1 建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合
2 一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83104&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130326113312.pdf

「本件は,建築物の建築主である上告人が,建築基準法(平成14年法律第22号による改正前のもの。以下同じ。)6条4項によりその計画の確認をした建築主事が属する被上告人に対し,確認の申請書に添付された構造計算書に一級建築士による偽装が行われていたことを看過してされた確認は国家賠償法1条1項の適用上違法であり,それによって改修工事費用等の財産的損害を受けたとして,同項に基づき損害賠償を求める事案」

「建築主事が負う職務上の法的義務の内容についてみるに,上記(1)のとおり,建築士の設計に係る建築物の計画について建築主事のする確認は,建築主からの委託を受けた建築士により法令又は条例の定める基準に適合するように設計されたものとして当該建築主により申請された当該計画についての建築基準関係規定との適合性の審査を内容とするものであり,建築士は建築士法に基づき当該計画が上記基準に適合するように設計を行うべき義務及びその業務を誠実に行い建築物の質の向上に努めるべき義務を負うものであることからすると,当該計画に基づき建築される建築物の安全性は,第一次的には建築士のこれらの義務に従った業務の遂行によって確保されるべきものであり,建築主事は,当該計画が建築士により上記の義務に従って設計されるものであることを前提として審査をすることが予定されているものというべきである。このことに加え,上記(1)のとおり申請書及び法令上これに添付すべき図書(以下併せて「申請書類」という。)の記載事項等がこれらの様式や審査期間を含めて法令で個別具体的に規定されていること等に鑑みると,建築主事による当該計画に係る建築確認は,例えば,当該計画の内容が建築基準関係規定に明示的に定められた要件に適合しないものであるときに,申請書類の記載事項における誤りが明らかで,当該事項の審査を担当する者として他の記載内容や資料と符合するか否かを当然に照合すべきであったにもかかわらずその照合がされなかったなど,建築主事が職務上通常払うべき注意をもって申請書類の記載を確認していればその記載から当該計画の建築基準関係規定への不適合を発見することができたにもかかわらずその注意を怠って漫然とその不適合を看過した結果当該計画につき建築確認を行ったと認められる場合に,国家賠償法1条1項の適用上違法となるものと解するのが相当である(なお,建築主事がその不適合を認識しながらあえて当該計画につき建築確認を行ったような場合に同項の適用上違法となることがあることは別論である。)。」

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2013.04.18

平成25年03月22日最高裁判所第二小法廷判決(売買の瑕疵担保責任関連)

平成23(受)1490損害賠償等請求事件
平成25年03月22日最高裁判所第二小法廷判決

【破棄自判】

原審
広島高等裁判所
平成22(ネ)422
平成23年04月07日

裁判要旨
土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に賦課金を課された場合において,上記売買の当時買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83092&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130322142115.pdf

判決文より
「本件は,土地区画整理事業の施行地区内の土地を上告人らから売買により取得した被上告人らが,売買後に土地区画整理組合から賦課金を課されたため損害を被ったと主張して,上告人らに対し,瑕疵担保責任に基づく賦課金相当額の損害賠償等を求める事案である。上記売買の当時,被上告人らが賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,上記土地に民法570条にいう瑕疵があるといえるか否かが争われている。」

「前記事実関係によれば,B組合が組合員に賦課金を課する旨決議するに至ったのは,保留地の分譲が芳しくなかったためであるところ,本件各売買の当時は,保留地の分譲はまだ開始されていなかったのであり,B組合において組合員に賦課金を課することが具体的に予定されていたことは全くうかがわれない。そうすると,上記決議が本件各売買から数年も経過した後にされたことも併せ考慮すると,本件各売買の当時においては,賦課金を課される可能性が具体性を帯びていたとはいえず,その可能性は飽くまで一般的・抽象的なものにとどまっていたことは明らかである。そして,土地区画整理法の規定によれば,土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の施行地区内の土地について所有権を取得した者は,全てその組合の組合員とされるところ(同法25条1項),土地区画整理組合は,その事業に要する経費に充てるため,組合員に賦課金を課することができるとされているのであって(同法40条1項),上記土地の売買においては,買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課される一般的・抽象的可能性は,常に存在しているものである。したがって,本件各売買の当時,被上告人らが賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,本件各土地が本件各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず,本件各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできない。」

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眺めを何に

学校の窓から滝廉太郎の「花」が流れだしてくる。
そんな季節ですね。

暑めの日ではあるが。

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2013.04.17

追憶のテーマ

タクシー内で,ラジオからアルトサックスによる追憶(memory)のテーマが流れてくる。
懐かしや。
高校時代の吹奏楽部で取り上げた曲。

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平成25年03月21日最高裁判所第一小法廷判決 (契約に基づく債務の履行としてされた支出命令の適法性関連)

平成23(行ツ)406損害賠償等請求事件
平成25年03月21日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判】

原審
福岡高等裁判所
平成23(行コ)24
平成23年09月21日

裁判要旨
普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法であるとしても私法上無効ではない場合における,当該契約に基づく債務の履行としてされた支出命令の適法性

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83089&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130321155624.pdf

判決文より
「本件は,築上町(以下「町」という。)が町有地上の建物の取壊しに伴いこれを使用していた団体との間で同団体に移転補償をすることを合意してその旨の契約を締結した上,その契約に基づき町長が補償金の支出命令をしたところ,町の住民である被上告人らが,上記契約は公序良俗に反し無効であるか又は地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に反して違法であるから,上記支出命令も違法であり,それにより町が損害を受けたとして,町の執行機関である上告人を相手に,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,町長として上記支出命令をしたAに対して不法行為に基づく損害賠償の請求をすることを求める住民訴訟」

「地方自治法242条の2第1項4号に定める普通地方公共団体の職員に対する損害賠償の請求は,財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員に対して職務上の義務に違反する財務会計上の行為による当該職員の個人としての損害賠償義務の履行を求めるものにほかならないから,当該職員の財務会計上の行為を捉えて上記損害賠償の請求をすることができるのは,たといこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても,その原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である(最高裁昭和61年(行ツ)第133号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。」

「しかるところ,普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が違法に締結されたものであるとしても,それが私法上無効ではない場合には,当該普通地方公共団体はその相手方に対しそれに基づく債務を履行すべき義務を負うのであるから,その債務の履行としてされる財務会計上の行為を行う権限を有する職員は,当該普通地方公共団体において当該相手方に対する当該債務を解消することができるときでなければ,当該行為を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものではないと解される。」
「そして,当該行為が支出負担行為たる契約に基づく債務の履行としてされる支出命令である場合においても,支出負担行為と支出命令は公金を支出するために行われる一連の行為ではあるが互いに独立した財務会計上の行為というべきものであるから(最高裁平成11年(行ヒ)第131号同14年7月16日第三小法廷判決・民集56巻6号1339頁参照),以上の理は,同様に当てはまるものと解するのが相当である。」

「そうすると,普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法に締結されたものであるとしても,それが私法上無効ではない場合には,当該普通地方公共団体が当該契約の取消権又は解除権を有しているときや,当該契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ,当該普通地方公共団体が当該契約の相手方に事実上の働きかけを真しに行えば相手方において当該契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったというような,客観的にみて当該普通地方公共団体が当該契約を解消することができる特殊な事情があるときでない限り,当該契約に基づく債務の履行として支出命令を行う権限を有する職員は,当該契約の是正を行う職務上の権限を有していても,違法な契約に基づいて支出命令を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものとはいえず,当該職員が上記債務の履行として行う支出命令がこのような財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなることはないと解するのが相当である(最高裁平成17年(行ヒ)第304号同20年1月18日第二小法廷判決・民集62巻1号1頁,最高裁平成21年(行ヒ)第162号同年12月17日第一小法廷判決・裁判集民事232号707頁参照)」

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平成25年04月16日最高裁判所第三小法廷判決(弁護士の説明義務関連)

平成24(受)651損害賠償請求事
平成25年04月16日最高裁判所第三小法廷判決

【破棄差戻し】

原審
福岡高等裁判所 宮崎支部
平成23(ネ)233
平成23年12月21日

裁判要旨
債務整理に係る法律事務を受任した弁護士が,特定の債権者の債権につき消滅時効の完成を待つ方針を採る場合において,上記方針に伴う不利益等や他の選択肢を説明すべき委任契約上の義務を負うとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83191&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83191&hanreiKbn=02

判決文より
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130416113943.pdf

「本件は,弁護士である被上告人に債務整理を依頼した第1審原告亡Aの相続人である上告人が,被上告人に対し,債務整理の方針についての説明義務違反があったことなどを理由として,債務不履行に基づき慰謝料等を損害賠償として求める事案」

「本件において被上告人が採った時効待ち方針は,DがAに対して何らの措置も採らないことを一方的に期待して残債権の消滅時効の完成を待つというものであり,債務整理の最終的な解決が遅延するという不利益があるばかりか,当時の状況に鑑みてDがAに対する残債権の回収を断念し,消滅時効が完成することを期待し得る合理的な根拠があったことはうかがえないのであるから,Dから提訴される可能性を残し,一旦提訴されると法定利率を超える高い利率による遅延損害金も含めた敗訴判決を受ける公算が高いというリスクをも伴うものであった。
また,被上告人は,Aに対し,Dに対する未払分として29万7840円が残ったと通知していたところ,回収した過払金から被上告人の報酬等を控除してもなお48万円を超える残金があったのであるから,これを用いてDに対する残債務を弁済するという一般的に採られている債務整理の方法によって最終的な解決を図ることも現実的な選択肢として十分に考えられたといえる。
 このような事情の下においては,債務整理に係る法律事務を受任した被上告人は,委任契約に基づく善管注意義務の一環として,時効待ち方針を採るのであれば,Aに対し,時効待ち方針に伴う上記の不利益やリスクを説明するとともに,回収した過払金をもってDに対する債務を弁済するという選択肢があることも説明すべき義務を負っていたというべきである。」

裁判官田原睦夫の補足意見より
「1 債務整理の依頼を受けた弁護士の説明・報告義務について
(1) 受任時における説明義務について
弁護士は,法律事務の依頼を受ける依頼者に対しては,委任契約締結過程における信義則上の義務の一環として,依頼を受けることとなる事務の内容に関して説明義務を負うものであるが,その受任する事務の内容は,一般に法律事務としての専門性が高く,またその事務の性質上受任者に一定の裁量権を伴うことが前提とされるところから,その受任時において,その委任契約の締結に伴う種々の問題点について説明すべき義務を負っているものというべきである。以下,その具体的内容についてみてみる。
ア 依頼者から債務整理の依頼を受けた弁護士は,その受任に当たり,当該事案
に応じて適切と認められる法的手続(例えば破産,個人再生,特定調停,私的整理等)について,依頼者の資力や依頼者自身の対応能力等に応じて適切な説明をなすべき責任がある。
イ その説明に当たっては,それらの各手続に要する時間やコスト,依頼者自らが行うべき事務等の負担の内容等,メリット・デメリット(破産手続を選択する場合の免責の見込みの有無,免責を受けられない場合の就業制限等の制約内容,個人再生手続を選択する場合の履行の見込み,各手続と保証人等関係者への影響の有無,程度等)を説明することが求められる。
ウ 依頼者が経済的に困窮しているような場合には,法律扶助手続の制度の説明も含まれるというべきである。
エ なお,本件記録を見る限り,被上告人が本件受任時に上記の説明義務を尽くしていたかという点については,大きな疑義が残る。
(2) 受任後の説明義務について
弁護士は,依頼者から法律事務の委任を受けた後は,途中経過についての報告義務を免除するなどの特段の合意がない限り,委任契約における善管注意義務の一環として,適宜に受任事務の遂行状況について報告し,説明すべき義務を負うものというべきである。)。
なお,上記の報告・説明義務の内容には,受任時以降の事案の進展状況に応じたその後の見通し,対応等に関する説明義務が当然に含まれるものというべきである。
2 受任事務の遂行にかかる善管注意義務について
(1) 受任事務の遂行と裁量権の行使について
一般に弁護士の受任する法律事務の遂行においては,弁護士業務の専門性との関係上,委任契約に特段の定めがない限り受任者たる弁護士に一定の裁量権が認められていると解することができる。
しかし,その裁量権の行使に当たっては,専門家としての善管注意義務を尽くして行使すべきものであって,その行使の際に専門家として通常考慮すべき事項を考慮せず,あるいはその行使の内容が,専門家たる弁護士が行うものとして社会的に許容される範囲(それは,弁護士倫理上許容される範囲と必ずしも一致するものではない。)を超え,その結果依頼者外の関係者の権利を侵害するに至る場合には,善管注意義務違反が問われることとなる。
(2) 受任事務の適宜遂行義務について
受任者は,その受任事務を,その事務の性質上社会的に許容される期間内に適切に処理すべき義務を受任者としての善管注意義務の内容として求められる。
その履行が,その事務の性質上通常求められる期間を超えた場合には,債務不履行責任を問われることとなり,また,弁護士倫理違反として懲戒処分の対象となり得る。」
「3 本件における「時効待ち」手法の選択と善管注意義務について
(1) 債務整理における「時効待ち」手法の選択の可否について
ア 債務整理における債権者に対する誠実義務
債務整理を受任した弁護士が,その対象となる債権者に受任通知及び債務整理についての協力依頼の旨を通知した場合には,債権者は,正当な理由のない限りこれに誠実に対応し,合理的な期間は強制執行等の行動に出ることを自制すべき注意義務を負担し,それに違反する場合には不法行為責任を負うものと解されている(東京高裁平成9年6月10日判決・高裁民事判例集50巻2号231頁)こととの対応上,かかる通知を発した弁護士は,その対象となる債権者に対して,誠実に且つ衡平に対応すべき信義則上の義務を負うものというべきである。
そして,受任弁護士の債権者に対する不誠実な対応の結果,債権者との関係が悪化し通常の対応がなされていれば適宜の解決が図れたのにも拘ずその解決が遅れ,その結果,依頼者がその遅延に伴い過分な負担を負うこととなった場合には,当該弁護士は依頼者に対して債務不履行責任を負うことがあり得るといえる。
 上記で述べたところからすれば,受任した弁護士が一部の債権者と示談を進め乍ら,他の債権者との交渉をすることなく「時効待ち」を行ったり,債権者と誠実な交渉を行うことなく一方的に示談条件を提示し,その条件以外では示談に応じることを拒み,他の債権者とのみ交渉を行うようなことは許容されないと言わねばならない。
 イ 債務整理における「時効待ち」の手法と債務者の地位
弁護士が債務整理につき受任する場合,債務者の経済的再生の環境を整えることがその最大の責務であり,専門家としてそれに最も適した債務整理の手法を選択して,それを債務者に助言すべき義務を善管注意義務の内容として負っているものというべきである。
債務者が経済的再生を図るには,債権者からの取立ての不安を払拭し,安心して自らの再生への途を踏む態勢を整えることが肝要であり,債務整理に徒に時間を費やすべきではない。
かかる観点からすれば,債務整理の手段として「時効待ち」の手法を採ることは,対象債権者との関係では,時効期間満了迄債務者を不安定な状態に置くこととなり,その間に訴訟提起された場合には,多額の約定遅延損害金が生じ,又債権者が既に債務名義を取得している場合には,給与債権やその他の財産に対する差押えを受ける可能性がある等,債務者の再生に支障を来しかねないのであって,原則として適切な債務整理の手法とは言えない。かかる手法は,債権者と連絡がとれず交渉が困難であったり,債権者が強硬で示談の成立が困難であり且つ当該債権者の債権額や交渉対応からして訴の提起や差押え等債務者の再生の支障となり得る手段を採ることが通常予測されない等,特段の事情があると認められる場合に限られるべきである。
そして,債権者が上場企業等一定の債権管理体制を備えている企業の場合には,一般に,債権の時効管理は厳格に行われており,超小口債権で回収費用との関係から法的手続を断念することが予想されるような場合を除き,時効まで放置することは通常あり得ないのであって,かかる債権者に対して「時効待ち」の手法を採ることは,弁護士としての善管注意義務違反に該るということができる。
なお,債務整理に関する一部の文献に,債務整理の手法として「時効待ち」の手法が紹介されていることをもって被上告人はその主張の根拠としているが,法的な正当性を欠くそのような文献の存在をもって,安易に「時効待ち」の手法を採用することを合理化する理由とはならず,上記の善管注意義務を免除すべき理由とはなり得ないというべきである。
また,一部の債権者と和解し,一部の債権者に対して「時効待ち」の対応をし,その後破産手続に移行した場合には,当該債権者との和解それ自体が否認の対象となる可能性が生じるのであって,却って全体の解決を遅らせる危険も存する点についても配慮すべきである。
ウ 本件における「時効待ち」の手法の選択の適否
本件では,被上告人は,Dの残債権額について同社との間での確認作業を十分に行わず,被上告人が算定した計算結果(記録によれば,過去の取引履歴からして,取引が二口に岐れ,一口については過払金返還請求権が時効にかかっている可能性があるのにそれを無視して一連計算した結果)に基づいて一方的に示談条件を提示し,Dがそれに応じないからとの理由で「時効待ち」の方針を採用したことがうかがわれるが,かかる方針の採用自体,上述の受任弁護士としての債権者に対する誠実義務に反するものであり,又,Dが上場企業であって,企業としてシステム的に時効管理を行っていることが当然に予測される以上,「時効待ち」によってその債権が時効消滅することは通常予測し得ないのであるから,「時効待ち」の方針を採用すること自体,受任弁護士としての裁量権の逸脱が認められて然るべきである。
(2) 「時効待ち」手法の選択と説明義務について
本件において,被上告人が「時効待ち」の手法の選択をAに薦めるに当っては,Dの債権額についてDの主張する金額と被上告人が算定した金額との差異について,その理由を含めて詳細にAに対して説明し,訴訟を提起される場合に負担することとなる最大額,及び時効の成立まで相当期間掛りその間不安定な状態におかれることについて具体的に説明すべきであり,また,Dが上場企業であって,時効管理について一定のシステムを構築していることが想定されるところから,「時効待ち」が奏功しない可能性が高いことについても説明すべき義務が存したというべきである。
ところが,被上告人は,法廷意見に指摘するとおり,裁判所やDから連絡があった場合には,被上告人に伝えてくれれば対処すること,Dとの交渉に際して必要になるかもしれないので返還する預り金は保管しておいた方がよいことなどの説明はしたものの,記録によれば「時効待ち」方針を採る場合の不利益やリスクについて具体的に説明していないばかりか,仮に裁判所やDから通知があった場合に,被上告人が具体的にどのように対処するのか,その際に被上告人に対して新たな弁護士報酬が発生するのか否か,被上告人が対処することによってAは最大幾何程の経済的負担を負うことになるのか,またそれにどの程度の期間を要するのか等について,説明をしていないのであって,被上告人の説明義務違反は明らかである。」

裁判官大橋正春の補足意見より
「法律事務を受任した弁護士には,法律の専門家として当該事務の処理について一定の裁量が認められ,その範囲は委任契約によって定まるものであるが,特段の事情がない限り,依頼者の権利義務に重大な影響を及ぼす方針を決定し実行するに際しては,あらかじめ依頼者の承諾を得ることが必要であり,その前提として,当該方針の内容,当該方針が具体的な不利益やリスクを伴うものである場合にはそのリスク等の内容,また,他に考えられる現実的な選択肢がある場合にはその選択肢について,依頼者に説明すべき義務を負うと解される。さらに,受任した法律事務の進行状況についての報告が求められる場合もあるというべきであり,例えば,訴訟を提起して過払金を回収したような場合には,特段の事情がない限り,速やかにその内容及び結果を依頼者に報告すべき義務を負うものと解される。こうした弁護士の依頼者に対する説明義務が委任契約に基づく善管注意義務の一環として認められるものであることは,法廷意見の述べるとおりであり,上記の報告義務についても同様に解すべきであろう。
本件において被上告人が採用した時効待ち方針には,法廷意見が指摘する不利益やリスクがあり,また,他に考えられる現実的な選択肢があったのであるから,これらを説明しなかった被上告人は説明義務違反を免れないものである。更に,弁護士からの受任通知及び協力依頼に対しては,正当な理由のない限り,これに誠実に対応し,合理的な期間は強制執行等の行動に出ることを自制している貸金業者との関係においても,時効待ち方針は,債務整理を受任した弁護士が積極的に採用するものとしてはその適切性に疑問があり,こうした方針を採用する場合は弁護士には依頼者に対しその内容等を説明することがより強く要求される。
弁護士職務基本規程(平成16年日本弁護士連合会会規第70号。以下「基本規程」という。)36条は,「弁護士は,必要に応じ,依頼者に対して,事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し,依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。」と弁護士の依頼者に対する報告及び説明義務を定めているが,同条はその違反が懲戒の対象となり得る行為規範・義務規定として定められたものであり(基本規程82条2項参照),弁護士と依頼者との間の委任契約の解釈適用に当たって当然に参照されるべきものである。弁護士の依頼者に対する報告及び説明義務については,自治団体である弁護士会が基本規程36条の解釈適用を通じてその内容を明確にしていくことが期待される。」

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平成25年04月16日最高裁判所第三小法廷判決(誤嚥と傷害保険普通保険約款関連)

平成23(受)1043傷害保険金等請求事件
平成25年04月16日最高裁判所第三小法廷判決

【破棄差戻し】

原審
大阪高等裁判所
平成22(ネ)3097
平成23年02月23日

裁判要旨
吐物の誤嚥は傷害保険普通保険約款において保険金の支払事由として定められた「外来の事故」に該当する

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83190&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130416111315.pdf

判決文より
「本件は,普通傷害保険契約の契約者兼被保険者が嘔吐した物を誤嚥して窒息し,死亡したことについて,保険金受取人である上告人らが,保険者である被上告
人に対し,死亡保険金の支払を求める事案である。」

「本件約款は,保険金の支払事由を,被保険者が急激かつ偶然な外来の事故によってその身体に傷害を被ったことと定めている。ここにいう外来の事故とは,その文言上,被保険者の身体の外部からの作用による事故をいうものであると解される(最高裁平成19年(受)第95号同年7月6日第二小法廷判決・民集61巻5号1955頁参照)。」
「本件約款において,保険金の支払事由である事故は,これにより被保険者の身体に傷害を被ることのあるものとされているのであるから,本件においては,Aの窒息をもたらした吐物の誤嚥がこれに当たるというべきである。そして,誤嚥は,嚥下した物が食道にではなく気管に入ることをいうのであり,身体の外部からの作用を当然に伴っているのであって,その作用によるものというべきであるから,本件約款にいう外来の事故に該当すると解することが相当である。この理は,誤嚥による気道閉塞を生じさせた物がもともと被保険者の胃の内容物であった吐物であるとしても,同様である。」

裁判官田原睦夫の補足意見より
「誤嚥とは,一般的な医学用語辞典によれば,本来口腔から咽頭を通って食道に嚥下されるべき液体又は固体が,嚥下時に気管に入ることをいうものであって,誤嚥自体が外来の事故であり,誤嚥の対象物が口腔に達するに至った経緯の如何,即ち経口摂取か,吐瀉物(吐物,吐血を含む。)か,口腔内の原因(口腔内出
血,破折歯片等)によるかは問わないものである。」

このような結論であるが,現在の多くの死因が肺炎であるが,それは,加齢による嚥下機能の低下に基づく障害による誤嚥によるのもが多いように感じられる。そのような誤嚥も含むのであろうか?その際に,程度が酷くて窒息を生じさせれば保険金が支払われるが
,程度が低いため肺炎の発症の原因となり以後肺炎により死亡に至った場合には保険金が支払われないことになるということだろうか?

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2013.04.16

平成25年03月21日最高裁判所第一小法廷判決(税務関連)

平成22(行ヒ)242神奈川県臨時特例企業税通知処分取消等請求事件
平成25年03月21日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判】

原審
東京高等裁判所
平成20(行コ)171
平成22年02月25日

裁判要旨
資本金等が一定額以上の法人の事業活動に対し臨時特例企業税を課すことを定める神奈川県臨時特例企業税条例の規定は,法人事業税の所得割の課税標準(平成15年法律第9号による地方税法の改正前は法人事業税の課税標準)である所得の金額の計算上過去の事業年度の欠損金額に相当する金額の繰越控除の必要的な適用を定める地方税法72条の23第1項本文(上記改正前は72条の14第1項本文)の規定に違反し,無効である

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83087&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130321141249.pdf

「本件は,神奈川県臨時特例企業税条例(平成13年神奈川県条例第37号。以下「本件条例」という。)に基づき道府県法定外普通税(以下「法定外普通税」という。)である臨時特例企業税(以下「特例企業税」という。)を課された上告人が,本件条例は法人の行う事業に対する事業税(以下「法人事業税」という。)の課税標準である所得の金額の計算につき欠損金の繰越控除を定めた地方税法の規定に違反し,違法,無効であるなどと主張して,被上告人に対し,主位的に,上告人が納付した平成15年度分及び同16年度分の特例企業税,過少申告加算金及び延滞金に相当する金額の誤納金としての還付並びにその還付加算金の支払を,予備的に,神奈川県川崎県税事務所長が上告人に対してした上記各年度分の特例企業税の更正及び過少申告加算金の決定の取消し並びに上記金額の過納金としての還付及びその還付加算金の支払を求める事案」

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工場視察

播磨の地にて工場を見ている。
現場を見ることは色々と勉強になる。

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2013.04.15

特急はるかにハングルでの電光掲示

関西空港と京都間を走る特急はるか車内の電光掲示にハングル表示も加わっていますね。
国際空港と観光都市を結ぶ列車の性格から考えますと,もっと早くてもよかったのでしょうけれども、遅くともまずは実施ですね。

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2013.04.14

平成25年03月07日最高裁判所第一小法廷判決(金利スワップ取引と説明義務関連)

平成23(受)1493 損害賠償請求事件
平成25年03月07日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判】

原審
福岡高等裁判所
平成20(ネ)658
平成23年04月27日

裁判要旨
銀行と顧客との間で固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引に係る契約を締結した際に銀行に説明義務違反があったとはいえないとされた事例

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83047&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130307144539.pdf

判決文より
「被上告人が,銀行である上告人との間で行った金利スワップ取引(以下「本件取引」という。)に係る契約(以下「本件契約」という。)を締結した際,上告人に説明義務違反等があったと主張して,上告人に対し,不法行為等に基づく損害賠償を求める事案」

「本件取引は,当事者間の合意に基づき,同一通貨間で,一定の想定元本(計算上でのみ必要とされる元本をいう。),取引期間等を設定し,固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するというもので,プレーン・バニラ・金利スワップと呼ばれる単純なものである。本件取引には,契約締結と同時に取引が始まるスポットスタート型と,契約締結から一定期間経過後に取引が始まる先スタート型がある。」

「デメリットとして,「現時点で将来の調達コストを実質的に確定させるため,約定時点以降にスワップ金利が低下した場合,結果として割高になる可能性があります。」,「スワップ取引開始日以降は短期プライムレートが低下しても貴社の調達コストは実質的に一定となり金利低下メリットを享受することができません。よって金利スワップを約定しなかった場合と比べて実質調達コストが結果として割高になる可能性があります。」との記載がされていた。さらに,本件提案書には,「必ずお読み下さい」として,「本取引のご契約後の中途解約は原則できません。やむを得ない事情により弊行の承諾を得て中途解約をされる場合は,解約時の市場実勢を基準として弊行所定の方法により算出した金額を弊行にお支払い頂く可能性があります。」との記載がされていた。」

「原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判断して,不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した。上告人は,被上告人に対し,契約締結の是非の判断を左右する可能性のある,①中途解約時において必要とされるかもしれない清算金の具体的な算定方法,②先スタート型とスポットスタート型の利害得失,③固定金利の水準が金利上昇のリスクをヘッジする効果の点から妥当な範囲にあることについて,説明しておらず,上告人の説明は,極めて不十分なものであった。」

しかし
「前記事実関係によれば,本件取引は,将来の金利変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右されるものであって,その基本的な構造ないし原理自体は単純で,少なくとも企業経営者であれば,その理解は一般に困難なものではなく,当該企業に対して契約締結のリスクを負わせることに何ら問題のないものである。上告人は,被上告人に対し,本件取引の基本的な仕組みや,契約上設定された変動金利及び固定金利について説明するとともに,変動金利が一定の利率を上回らなければ,融資における金利の支払よりも多額の金利を支払うリスクがある旨を説明したのであり,基本的に説明義務を尽くしたものということができる。原審は,上告人が上記3の①~③の事項について説明しなかったことを問題とす
る。しかしながら,本件提案書には,本件契約が上告人の承諾なしに中途解約をすることができないものであることに加え,上告人の承諾を得て中途解約をする場合には被上告人が清算金の支払義務を負う可能性があることが明示されていたのであるから,上告人に,それ以上に,清算金の具体的な算定方法について説明すべき義務があったとはいい難い。また,上告人は,被上告人に対し,先スタート型とスポットスタート型の2種類の金利スワップ取引について,その内容を説明し,被上告人は,自ら,当面変動金利の上昇はないと考えて,1年先スタート型の金利スワップ取引を選択したのであるから,上告人に,それ以上に,先スタート型とスポットスタート型の利害得失について説明すべき義務があったともいえない。さらに,本件取引は上記のような単純な仕組みのものであって,本件契約における固定金利の水準が妥当な範囲にあるか否かというような事柄は,被上告人の自己責任に属すべきものであり,上告人が被上告人に対してこれを説明すべき義務があったものとはいえない。そうすると,本件契約締結の際,上告人が,被上告人に対し,上記3の①~③の事項について説明しなかったとしても,上告人に説明義務違反があったということはできない。」

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ブックカバーにもなる時刻表(阪神電車)

便利そうですね。
ただし,個人的には,阪神線はあまり使うことがないので,JRや大阪市営地下鉄や京阪線などでもお願いしたいのですが。

http://rail.hanshin.co.jp/station/timetable.html

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平成25年04月12日最高裁判所第三小法廷判決(製薬と製造物責任関連:イレッサ事件)

平成24(受)293損害賠償請求事件
平成25年04月12日最高裁判所第三小法廷判決

原審
東京高等裁判所
平成23(ネ)3630
平成23年11月15日

裁判要旨
医療用医薬品について,引渡し時点で予見し得る副作用の危険性が添付文書によりその処方者等である医師に十分明らかにされているといえない場合には,製造物責任法2条2項に規定する欠陥がある

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83185&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130412154718.pdf

判決文より
「本件は,被上告人が平成14年7月に厚生労働大臣の輸入承認を得て輸入販売した抗がん剤「イレッサ錠250」(以下「イレッサ」という。)を服用後,間質性肺炎を発症して死亡した末期の肺がん患者らの遺族である上告人らが,イレッサには添付文書における副作用の記載が不適切であるなど製造物責任法2条2項に規定する欠陥(以下,単に「欠陥」という。)があり,そのために上記患者らは死亡したものであるなどとして,被上告人に対し,同法3条に基づき損害賠償を求める事案である。」

「がんは,昭和56年以来日本人の死因の第1位であり,中でも肺がんは,早期では自覚症状に乏しく,自覚症状発現時点では既に相当程度進行している場合が多いことなどから,がんの中で死亡者数が最も多いものである。肺がんの80%以上を占める非小細胞肺がんは,原則として手術不能とされる病期ⅢBの5年生存率が3~18%とされ,同Ⅳでは,5年生存率が1%程度,1年生存率も30~50%程度とされており,極めて予後不良の難治がんである。これらの病期又は再発例の非小細胞肺がんは,化学療法(薬物療法)適応例とされるが,他のがんや小細胞肺がんに比べ化学療法の感度が低く,これによる治癒を期待することはできず,延命効果も僅かしか認められない。その上,非小細胞肺がんと診断された時点で既に70%程度が上記いずれかの病期であることなどから,化学療法の発展が強く望まれてきた。」

「 (2)ア 平成14年7月当時,医薬品の輸入には,薬事法(平成14年法律第96号1条の規定による改正前のもの。以下「法」という。)23条において準用する法14条所定の厚生労働大臣の承認が必要とされていたところ,この承認申請をするには,臨床試験の試験成績に関する資料その他の資料を申請書に添付しなければならないとされていた(法23条,14条3項前段)。イレッサのような新薬の場合には,上記資料を収集するための試験につき,国際的に合意された基準に準拠して制定された「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年厚生省令第28号)等が定められ,さらに,平成14年当時は,抗がん剤の臨床試験について,「「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」について」(平成3年2月4日薬新薬第9号厚生省薬務局新医薬品課長通知)により標準的方法についてのガイドラインが示されていた。このガイドラインによれば,抗がん剤の臨床試験は,主として薬剤の毒性を確認するため,通常の治療法では効果が認められない,又は一般に認められた標準的治療方法がないがんの入院患者を対象に実施される第Ⅰ相,効果が期待されるがん腫の探索と安全性の検討や,そのがん腫について用法・用量の選択決定及び有効性と安全性の程度の確定をする第Ⅱ相,有効性と安全性を確認検証し有用性を確立するための第Ⅲ相という3段階の手続で行われ,第Ⅲ相の試験結果は,厚生労働大臣の上記承認後に提出することも一般的に認められていた。」

「イ 医薬品の添付文書に記載すべき事項については,法52条が定めるほか,厚生労働大臣が定める医療用医薬品の具体的な記載要領として,「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成9年4月25日薬発第606号厚生省薬務局長通知),「医療用医薬品の使用上の注意記載要領について」(同日薬発第607号同局長通知)及び「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(同日薬安第59号同局安全課長通知)が定められ,必要に応じて欄を設け,対応する指示,説明等の記載を行うべきものとされている(以下,これらによる記載要領の定めを「本件記載要領」と総称する。)。
本件記載要領では,添付文書の「警告」欄は,「致死的又は極めて重篤かつ非可逆的な副作用が発現する場合,又は副作用が発現する結果極めて重大な事故につながる可能性があって,特に注意を喚起する必要がある場合に記載する」とされ,医師等に対して必要な情報を提供する目的で設けられている「使用上の注意」欄の「副作用」欄は,「重大な副作用」と「その他の副作用」とに分けられ,前者には,「当該医薬品にとって特に注意を要するもの」を記載するとされている。そして,製薬会社によって構成される任意団体である日本製薬工業協会の自主基準では,上記の「特に注意を要するもの」につき,「医薬品等の副作用の重篤度分類基準について」(平成4年6月29日薬安第80号厚生省薬務局安全課長通知。以下「重篤度分類基準」という。)における3段階の分類のうち最も重篤なグレード3を参考に記載するとされているところ,重篤度分類基準でグレード3に分類される副作用とは,「重篤な副作用と考えられるもの。すなわち,患者の体質や発現時の状態等によっては,死亡又は日常生活に支障をきたす程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるもの」とされており,間質性肺炎はこれに分類されている。」

「(3)ア 従来,効能・効果を肺がんとする抗がん剤は,異常増殖するがん細胞の分裂を阻害することにより腫瘍縮小効果を得ようとする殺細胞性のものであり,その作用機序のため,正常細胞の分裂をも阻害することによる血液毒性,消化器毒性,脱毛等の副作用が不可避であった。上記抗がん剤のうち,1990年代以降に製造が承認された主要な6種類の抗がん剤においては,第Ⅱ相試験において,1.0~4.9%の頻度で副作用と疑われる間質性肺炎の発症が認められ,うち2剤では各2例の間質性肺炎による副作用死亡症例があり,他の1剤では1例の間質性肺炎と疑われる死亡症例があったが,その余の3剤では間質性肺炎による副作用死亡症例は認められていなかった。
また,これら6種類の抗がん剤の添付文書のうち,第Ⅱ相試験で間質性肺炎による副作用死亡症例が認められた2剤については,「警告」欄に間質性肺炎患者には投与しない旨の,「禁忌」欄に間質性肺炎患者に投与すると致死的となることがある旨の記載がそれぞれされたが,間質性肺炎と疑われる死亡症例があった1剤については,「使用上の注意」欄の「慎重投与」欄及び「副作用」欄の「重大な副作用」欄に間質性肺炎についての記載がされたものの,致死的となることがある旨の記載はなく,「警告」欄にも間質性肺炎についての記載はされなかった。」

「イ 他方,平成14年7月当時において,薬剤性間質性肺炎は,抗がん剤,抗リウマチ剤等特定の疾病ないし症状に著効のある医薬品の投与により生ずる一般的な副作用であり,一般に死亡の危険を伴う疾患であったことから,少なくとも肺がんについて抗がん剤治療を行う医師には,上記当時,抗がん剤等の医薬品の投与により間質性肺炎が発症した場合には,それが致死的となり得ることが認識されていた。」

「 (4)ア イレッサ(有効成分ゲフィチニブ)は,がん細胞増殖に関連する上皮成長因子受容体(EGFR)のシグナル伝達経路を選択的に遮断することによって,がん性腫瘍に対する腫瘍縮小効果を発揮する分子標的薬であり,従来の殺細胞性抗がん剤と異なる作用機序を有するものであるため,従来の抗がん剤にほぼ必ず生ずる血液毒性等の副作用がほとんどみられないという特徴がある。
イ イレッサの輸入承認時点までに行われた臨床試験のうち国内の臨床試験133例中において,イレッサとの関連を否定することができない間質性肺炎が発症した例は3例あったが,いずれも治療が奏効して軽快した。国外の臨床試験においては,各1000例以上の登録症例数を有する米国の2種類の臨床試験において計3例,その他の臨床試験において2例の間質性肺炎発症例が認められ,うち4例が死亡症例である。しかし,いずれの死亡症例についても,殺細胞性抗がん剤との併用投与,がん自体の相当程度の進行等の事情により,イレッサ投与と死亡との因果関係の存在については,せいぜい可能性ないし疑いがある程度にとどまる
また,臨床試験に参加することができない患者に対する治験薬の投与を可能とする英国の拡大供給プログラム(Expanded Access Program)に基づき,イレッサは,標準治療で効果がなかった患者,他の全身性抗がん剤治療が受けられない患者等上記臨床試験に参加できなかった患者にも投与され,その数は,平成14年7月までに全世界で約1万5000人に上る。これらのイレッサ投与患者において有害事象が生じた場合には,イレッサを合成・開発した被上告人の親会社(英国法人)に報告されることとなっていたところ(以下,この報告に係る有害事象の症例情報を「EAP副作用情報」という。),このEAP副作用情報において,イレッサ投与による副作用としての間質性肺炎の発症を否定することができないものは15例あり,うち11例が死亡症例である。もっとも,上記死亡症例のうち2例については,イレッサ投与と死亡との因果関係はなく,残り9例についても,イレッサ投与と死亡との因果関係は,否定はしきれないものの肯定することまではできない。また,EAP副作用情報は,臨床試験における副作用情報と異なり,担当医作成の症例票が上記親会社に送付されるのみで,モニタリング等が行われないため,報告内容と診療録等の第1次資料との照合や,医師間の相互点検による誤りの訂正,整合性の確認等がされないという問題点がある。
以上の臨床試験及びEAP副作用情報における間質性肺炎発症例において,イレッサ投与後発症までの期間は2~148日,イレッサ投与との因果関係が否定されない死亡症例における発症から死亡までの期間は0~30日であり,全体として,早期に発症し急速に進行する間質性肺炎が副作用として存在することをうかがわせるものではなかった。」

「(5) 被上告人は,平成14年1月,第Ⅱ相までの試験結果等を添付してイレッサの輸入承認申請をし,同年7月5日,効能・効果を手術不能又は再発非小細胞肺がんとし,250㎎を1日1回経口投与するなどのものとして,厚生労働大臣の輸入承認(以下「本件輸入承認」という。)を得た。また,同大臣は,本件輸入承認と同時に,イレッサを,劇薬(法44条2項)及び医師等の処方箋がなければ販売等ができない要指示医薬品(法49条。現行薬事法における処方せん医薬品。以下同じ。)に指定するとともに,本件記載要領に従って添付文書を記載すべき医療用医薬品と定めるなどした。
そして,被上告人は,平成14年7月16日からイレッサの輸入販売を開始したが,当時の添付文書(以下「本件添付文書第1版」という。)には,副作用である間質性肺炎につき,「警告」欄には記載されず,「重大な副作用」欄に,「重度の下痢(1%未満),脱水を伴う下痢(1~10%未満)」,「中毒性表皮壊死融解症,多形紅斑(頻度不明)」及び「肝機能障害(1~10%未満)」との記載に続けて,4番目に「間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。」と記載されたが,間質性肺炎が致死的となり得る旨の明示的な記載はされなかった。なお,上記「重大な副作用」欄にある「重度の下痢」,「脱水を伴う下痢」及び「中毒性表皮壊死融解症」は,いずれも重篤度分類基準で間質性肺炎と同じグレード3に分類されており,「肝機能障害」のうち本件添付文書第1版でイレッサ投与中止が指示されている「重度の肝機能検査値変動が認められた場合」も,同様にグレード3に分類されている。」

「(6)ア イレッサの販売が開始されると,平成14年10月11日までの約3箇月の間に,被上告人又は厚生労働省に対し合計34例の間質性肺炎についての副作用症例報告がされた。このうち少なくとも3例は,同日までの追加報告で間質性肺炎の発症が否定され,その余の31例のうち死亡症例は17例であった。
イ 被上告人は,平成14年10月15日,厚生労働省の指導を受け,イレッサによる急性肺障害,間質性肺炎について緊急安全性情報(以下「本件緊急安全性情報」という。)を発出した。
本件緊急安全性情報には,イレッサの販売開始後の推定使用患者数が7000人以上のところ,イレッサ投与と発症との関連性を否定することができない間質性肺炎を含む肺障害22例(うち死亡との関連性を否定することができない症例11例)が報告されており,これらの症例の中には,服薬開始後早期(14日以内12例)に症状が発現し,急速に進行する症例がみられたとして,「1.本剤の投与により急性肺障害,間質性肺炎があらわれることがあるので,胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。」,「2.急性肺障害,間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり,致命的な経過をたどることがあるので,本剤の投与にあたっては,臨床症状(呼吸状態,咳および発熱等の有無)を十分に観察し,定期的に胸部X線検査を行うこと。」などの記載がされた。
ウ また,被上告人は,上記同日,イレッサの添付文書の第3版(以下「添付文書第3版」という。)を作成し,その冒頭に「警告」欄を設け,同欄や「使用上の注意」欄の「重要な基本的注意」欄に本件緊急安全性情報における上記記載と同の記載をするとともに,「重大な副作用」欄の筆頭に「急性肺障害,間質性肺炎があらわれることがある」などと記載した。
さらに,被上告人は,平成14年12月25日,厚生労働省のゲフィチニブ安全問題検討会の結果を受け,イレッサの添付文書の第4版を作成し,「警告」欄に,「急性肺障害や間質性肺炎が本剤の投与初期に発生し,致死的な転帰をたどる例が多いため,少なくとも投与開始後4週間は入院またはそれに準ずる管理の下で,間質性肺炎等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと」という記載を追加した。
エ なお,イレッサの副作用による死亡が疑われるとして厚生労働省に報告され
た症例数の推移は,平成14年が180例,平成15年が202例,平成16年が175例であったが,平成17年に80例と半減し,平成21年には34例となっている。」
「 (7) 本件輸入承認後の臨床研究結果等によれば,イレッサによる副作用としての間質性肺炎の発症率及び死亡率は,最も高いもので5.81%及び2.26%とされ,発症ないし死亡危険因子としては,間質性肺炎疾患の合併ないし既往,喫煙歴あり,男性,全身状態の非良好等が一般的に挙げられているが,その発症機序は,現在の知見でも明らかではない。」

「4(1) 医薬品は,人体にとって本来異物であるという性質上,何らかの有害な副作用が生ずることを避け難い特性があるとされているところであり,副作用の存在をもって直ちに製造物として欠陥があるということはできない。むしろ,その通常想定される使用形態からすれば,引渡し時点で予見し得る副作用について,製造物としての使用のために必要な情報が適切に与えられることにより,通常有すべき安全性が確保される関係にあるのであるから,このような副作用に係る情報が適切に与えられていないことを一つの要素として,当該医薬品に欠陥があると解すべき場合が生ずる。そして,前記事実関係によれば,医療用医薬品については,上記副作用に係る情報は添付文書に適切に記載されているべきものといえるところ,上記添付文書の記載が適切かどうかは,上記副作用の内容ないし程度(その発現頻度を含む。),当該医療用医薬品の効能又は効果から通常想定される処方者ないし使用者の知識及び能力,当該添付文書における副作用に係る記載の形式ないし体裁等の諸般の事情を総合考慮して,上記予見し得る副作用の危険性が上記処方者等に十分明らかにされているといえるか否かという観点から判断すべきものと解するのが相当である。」

「ア 前記事実関係によれば,本件輸入承認時点においては,国内の臨床試験において副作用である間質性肺炎による死亡症例はなく,国外の臨床試験及びEAP副作用情報における間質性肺炎発症例のうち死亡症例にイレッサ投与と死亡との因果関係を積極的に肯定することができるものはなかったことから,イレッサには発現頻度及び重篤度において他の抗がん剤と同程度の間質性肺炎の副作用が存在するにとどまるものと認識され,被上告人は,この認識に基づき,本件添付文書第1版において,「警告」欄を設けず,医師等への情報提供目的で設けられている「使用上の注意」欄の「重大な副作用」欄の4番目に間質性肺炎についての記載をしたものということができる。そして,イレッサは,上記時点において,手術不能又は再発非小細胞肺がんを効能・効果として要指示医薬品に指定されるなどしていたのであるから,その通常想定される処方者ないし使用者は上記のような肺がんの治療を行う医師であるところ,前記事実関係によれば,そのような医師は,一般に抗がん剤には間質性肺炎の副作用が存在し,これを発症した場合には致死的となり得ることを認識していたというのである。そうであれば,上記医師が本件添付文書第1版の上記記載を閲読した場合には,イレッサには上記のとおり他の抗がん剤と同程度の間質性肺炎の副作用が存在し,イレッサの適応を有する患者がイレッサ投与により間質性肺炎を発症した場合には致死的となり得ることを認識するのに困難はなかったことは明らかであって,このことは,「重大な副作用」欄における記載の順番や他に記載された副作用の内容,本件輸入承認時点で発表されていた医学雑誌の記述等により影響を受けるものではない。

イ 他方,前記事実関係によれば,本件緊急安全性情報は,服薬開始後早期に症状が発現し,急速に進行する間質性肺炎の症例が把握されたことを受けて発出されたもので,このように急速に重篤化する間質性肺炎の症状は,他の抗がん剤による副作用としての間質性肺炎と同程度のものということはできず,また,本件輸入承認時点までに行われた臨床試験等からこれを予見し得たものともいえない。
そして,イレッサが,手術不能又は再発非小細胞肺がんという極めて予後不良の難治がんを効能・効果とし,当時としては第Ⅱ相までの試験結果により厚生労働大臣の承認を得ることが認められており,このような抗がん剤としてのイレッサのありようも,上記のような肺がんの治療を行う医師には容易に理解し得るところであるなどの事情にも照らせば,副作用のうちに急速に重篤化する間質性肺炎が存在することを前提とした添付文書第3版のような記載がないことをもって,本件添付文書第1版の記載が不適切であるということはできない。
ウ 以上によれば,本件添付文書第1版の記載が本件輸入承認時点において予見し得る副作用についてのものとして適切でないということはできない
(3) A及びBに投与されたイレッサは,遅くとも両名への投与開始時には被上告人からの引渡しがされていたことは明らかであるところ,本件輸入承認時点から上記投与開始時までの間に,本件添付文書第1版の記載が予見し得る副作用についての記載として不適切なものとなったとみるべき事情はない。
そうすると,A及びBの関係では,イレッサに欠陥があるとはいえないことに帰する
。」

裁判官田原睦夫の補足意見より。
「私は,本件事案に鑑み,法廷意見に関連して,以下に取上げる若干の問題点について補足的に意見を述べる。
1 製造物の「欠陥」認定の基準時と事後の知見について
本件受理決定の対象は,イレッサが流通におかれた時点における「指示,警告上の欠陥」の有無であるが,その前提として,製造物の「欠陥」認定の基準と事後の知見との関係についてみておくこととする。
製造物責任法2条に定める「欠陥」は,当該製造物が「通常有すべき安全性を欠いていることをいう」と定義されているところ,その安全性具備の基準時は,あく迄,当該製造物が流通におかれた時点と解すべきものである。
製造物が流通におかれた時点においては,社会的にみて,「通常有すべき安全性」を具備していたにも拘ず,事後の知見によってその安全性を欠いていたことが明らかになったからといって,遡及的に流通におかれた時点から「欠陥」を認定すべきことにはならない(事後の知見によって安全性を欠いていることが明らかになった後に流通におくことについては,製造物責任が問われ得るが,それ以前に流通しているものは製造物責任の問題ではなく,回収義務,警告義務等の一般不法行為責任の有無の問題である。)。
同法4条との関係から,学説上,欠陥の有無は,口頭弁論終結時の知見をもって判断すべきものとされているが,それはあく迄,流通におかれた時点における「通常有すべき安全性」の有無との関係を意味するのである。
本件では,イレッサの承認がなされた当時は,抗癌剤については,第Ⅱ相試験の結果をもってその承認の可否を決することが出来るとされていたところ,イレッサは,その基準に従って実施された第Ⅱ相試験の結果を踏まえて承認がなされ,第Ⅲ相試験は承認により一般に供用を開始した後に実施するものとされ,その結果は,再審査申請時(承認の6年後)に報告するをもって足りるとされていたのである。
従って,本件イレッサの承認時に欠陥が存したと認められるか否かは,本件承認時の第Ⅱ相試験の結果得られた知見及び第Ⅱ相試験によって得られたことが想定されるその後の知見や,本件承認時迄に得られたであろうことがその後明らかになった知見によって判断されるべきものであり,第Ⅲ相試験の結果の如何は,第Ⅱ相試験の結果によって承認された本件イレッサの「欠陥」の判断には影響しないものというべきである。そして,本件記録上,第Ⅱ相試験終了時点において,イレッサの承認を差控えるべき欠陥が存したことを窺わせる事情は何ら認められないのである。
2 医療用医薬品の副作用について
医薬品,殊に医療用医薬品は,身体が日常生活において通常摂取しないものを,その薬効を求めて摂取するものであるから,アレルギー体質による反応等を含めて,一般に何らかの副作用を生じ得るものである
医療用医薬品のうち汎用的に用いられるものについては,その求められる安全性の水準は高く,副作用の発生頻度は非常に低く,又その副作用の症状も極めて軽微なものに止まるべきものであり,かかる要件を満たしている医薬品は,「通常有すべき安全性」が確保されていると言えよう
次に,一般に医療用医薬品は,薬効が強くなれば,それと共に一定程度の割合で副作用が生じ得るものである。当該医薬品の副作用につき,医師等は一定の用法に従うことによりその発生を抑止することができ,あるいは発生した副作用に対し,適切に対応し,またその治療をすることが出来るのであれば,かかる副作用が生じ得ること及びそれに対する適切な対応方法等を添付文書に記載することによって,「通常有すべき安全性」を確保することが出来ると言って差支えないと考える。
しかし,薬効の非常に強い医薬品の場合,如何に慎重かつ適切に使用しても,一定の割合で不可避的に重篤な副作用が生じ得る可能性があることは,一般に認識されているところである。そうであっても,副作用の発生確率と当該医薬品の効果(代替薬等の可能性を含む。)との対比からして,その承認が必要とされることがある。その場合,「慎重投与や不可避的な副作用発生の危険性」については添付文書に詳細に記載すべきものではあるが,その記載がなされていることによって当該医薬品につき「通常有すべき安全性」が確保されていると解することには違和感がある(その記載の不備については,不法行為責任が問われるべきものと考える。)。
他方,かかる危険性を有する医薬品であっても,その薬効が必要とされる場合があり,その際に,かかる重大な副作用の発生可能性が顕在化したことをもって,当該医薬品の「欠陥」と認めることは相当ではない
上記のように副作用が一定の確率で不可避的に発生し得る場合には,「通常有すべき安全性」の有無の問題ではなく,「許された危険」の問題として捉えるべきものであり適正に投与したにも拘ず生じた副作用の被害に対しては,薬害被害者救済の問題として考えるべきものではなかろうか
3 副作用としての間質性肺炎の評価について
イレッサでは,薬事法による承認後一般に供用されたところ,法廷意見にて述べるとおり,投与後早期に間質性肺炎を発症し,急激に増悪し死亡するとの症例が次々と報告されたところから,平成14年10月に本件緊急安全性情報が発出されている。
しかし,同情報の記載によれば,推定使用患者7,000人以上中,間質性肺炎を含む肺障害は22例(0.31%),同死亡例は11例(0.16%)に止まっているのである。また,法廷意見に記載する間質性肺炎の発症率が最も高い例である5.81%との研究結果は,第一審判決の認定によれば診療録等の第一次資料を入手し得た140例中22例においてイレッサ起因性が否定されたというのであり,同研究により間質性肺炎の発症が認められた全例につき同率で起因性が否定されるとすれば,その発症率は4.91%となる。この値は,第一審判決の認定する第Ⅱ相試験の結果を踏まえて承認された他の抗癌剤の間質性肺炎の発生頻度に比して,イリノテカン(4.89%)とほぼ同率であって,格段に高い数値とは言えない。
また,薬剤性間質性肺炎自体は,第一審判決が詳細に認定するとおり非常に死亡率の高いといわれている病気であり,急性型も存するのであって,イレッサの服用が即急性型に結びつくかは必ずしも明らかではない。
他方,イレッサは,「手術不能又は再発非小細胞肺癌」に適用するもので,具体的には病期ⅢB又はⅣの患者で,他の化学療法が施されたが副作用等から同様の化学療法の実施が困難な患者を対象に投与されているものなのであって(原判決の認定によれば,亡Aの場合は,脳を含む多発的な転移で治療が手詰まりの状態であったのが,イレッサ投与後摂食できるようになり,一旦退院している。また,亡Bは,非小細胞肺癌の診断を受ける2年半前から間質性肺炎の診断を受けていたものであり,癌の症状は進展し,平成14年9月には治療の手段は手詰まり状態であったところ,イレッサ投与により,痛みは和らぎ,安定した状態が約一週間継続した),イレッサの副作用の内容,程度を評価するに当っては,かかる患者(他に治療の選択手段が殆どない患者)に対して投与される薬剤であることが,十分に考慮されるべきであると思慮する。
4 添付文書における副作用の表示について
添付文書の表示は,当該医薬品を使用する対象者に対してその理解に資する為に記載すべきものであるところ,イレッサは,前記のとおり劇薬で要指示医薬品の指定を受け,「手術不能又は再発非小細胞肺癌」を適応対象とする薬剤であるから,その使用者は,一般の臨床医ではなく,難治性癌の治療に携っている臨床医である(原判決のようにそれを「専門医」と表示するのは少し適切さを欠くであろう。)。
このような医師は,従前から抗癌剤の投与歴を有していると推認されるところ,従前から用いられている抗癌剤には,何れも副作用として間質性肺炎が含まれていたのであるから,新規に承認された抗癌剤においても,その副作用に間質性肺炎が含まれていることは,それらの医師にとっては言わば公知の事実であり,また,間質性肺炎が一旦発症した場合には,それが難治性であることも同様に認識されていたと言えよう
そして,原判決も認定するとおり,添付文書の「重大な副作用」の表示はグレード3を示すところ,イレッサの添付文書に「重大な副作用」として記載されている重度の下痢や肝機能障害は,何れもグレード3であり,イレッサの適用対象となる重篤な癌患者にとってそれらの副作用の発症は,死亡への転帰となり得るものなのであるから,「間質性肺炎」を「重大な副作用」の一つとして記載したことは,イレッサの承認時迄の第Ⅱ相試験の結果からすれば,必要にして十分な記載であったということができると言えよう(なお,法廷意見に指摘するとおり,イレッサ承認当時供用されていた他の抗癌剤のうち,間質性肺炎に関して「警告」欄に記載されているもの及び「禁忌」欄に記載されているものが二例あるが,何れも「間質性肺炎患者」への投与についてのものであり,未だ同病に罹患していない患者についてのものではない。)。

裁判官岡部喜代子の補足意見より
「上告人らの主張するように販売開始時における添付文書に主張のような副作用の発生に関する指示警告を行うためには,販売開始時点において指示警告を行うことが可能でなければならず,そのような副作用の発生が予見可能でなければならないが,この予見可能性は,副作用症例として報告されたもののうちその副作用とされる症状とイレッサ投与との間に積極的に因果関係が認められる症例のみに基づいて判断すべきものではない。その症状の重篤性,上記因果関係が客観的には存在する可能性の程度等に照らし,副作用として指示警告をするのが相当であるとすべき場合もあるのであるから,因果関係を否定できない症例を含めて検討し,判断すべきものである。この点に関する原審の説示は,上記予見可能性を肯定する判断の根拠とし得る症例は積極的に因果関係が認められる症例のみであるとの誤解を生じさせかねないのであり,相当とはいい難い。」

裁判官大谷剛彦,同大橋正春の補足意見より
「結論としては,法廷意見が述べるように,本件添付文書第1版の記載が不適切であったということはできないであろう。添付文書に記載を求めるとしても,概括的には危険が予見できても具体的内容が明らかでない限り,その記載は一般的・概括的なものにならざるを得ず,指示・警告としての効果に疑問がある。概括的に予見される危険については,処方に当たる肺がん治療を担当する医師がこれを理解していることを前提に指示・警告を記載しないとしても,特段の事情がない限り,やむを得ないものといわざるを得ない。また,後に判明した結果を前提に具体的な記載を求めるとすれば被上告人に不可能を強いることになり法の趣旨に反することになろう。
イレッサが,手術不能又は再発非小細胞肺がんという極めて予後不良の難治がんを効能・効果として,第Ⅱ相の試験結果により厚生労働大臣の承認がなされ,要指示医薬品,医療用医薬品とされた上で輸入販売が開始されたのは,有効な新薬の早期使用についての患者の要求と安全性の確保を考慮した厚生労働大臣の行政判断によるものであり,その判断に合理性がある以上は,その結果について医薬品の輸入・製造者に厳格な責任を負わせることは適当ではない。その一方で,副作用が重篤であり,本件のように承認・輸入販売開始時に潜在的に存在していた危険がその直後に顕在化した場合について,使用した患者にのみ受忍を求めることが相当であるか疑問が残るところである。法の目的が,製造者の責任を規定し,被害者の保護を図り,もって国民生活の向上と国民経済の健全な発展に寄与することにあるならば,有用性がある新規開発の医薬品に伴う副作用のリスクを,製薬業界,医療界,ないし社会的により広く分担し,その中で被害者保護,被害者救済を図ることも考えられてよいと思われる。」

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7noteに用いられている手書き認識システム「mazec」をNoteAnytimeに

iPad(mini)で,手書きしたものをそのまま残すアプリとして「NoteAnytime」を利用している。
走り書きを残したいときや,図示しながら考察するときなどに便利である。

なお,手書きのままではなく,テキスト化して残したいときには,手書き文字をテキスト文字に変換させるアプリとして7noteを用いている。

NoteAnytimeでは,テキスト文字を組み込ませることも出来る。しかしその際の入力方法はキーボードになる。それも悪くはないのだが,手書き文字をテキスト化して入力できれば更に便利なはず。

NoteAnytimeに,7noteに用いられている手書き認識システム「mazec」をアドオンさせることが出来るとのこと(但し,今日現在600円を要する)。
私は,仕事の際のストレスを取り除くためのグッズはできるだけ取り入れようと思っていることもあり,導入してみた。

たしかに便利。

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2013.04.13

災害時伝言板@NTTドコモ

災害があった時にこれを全部読んでからの利用は、現実的なのだろうか?
使い方がよくわからない。
災害用伝言板 | お知らせ | NTTドコモ
www.nttdocomo.co.jp

災害発生時には、Googleパーソンファインダー (安否情報)の方が直感的に利用が可能かも。

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防災情報 Hazard Lab【ハザードラボ】

このようなものがあるのですね。

地震予測番組/動画一覧|地震予測検証 / 防災情報 Hazard Lab【ハザードラボ】
www.hazardlab.jp
「地震予測情報の検証、防災・減災につながる情報のニュース・コラムを掲載し、皆様の防災意識の向上を目指します。」とのこと

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平成25年02月28日最高裁判所第一小法廷判決(相殺滴状と消滅時効関連)

平成23(受)2094 根抵当権設定登記抹消登記手続請求本訴,貸金請求反訴事件
平成25年02月28日最高裁判所第一小法廷判決

【破棄自判,破棄差戻】

原審
札幌高等裁判所
平成22(ネ)592
平成23年07月08日

判示事項
1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというための要件
2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするために消滅時効が援用された自働債権がその消滅時効期間経過以前に受働債権と相殺適状にあったことの要否

裁判要旨
1 既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要する。
2 時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには,消滅時効が援用された自働債権は,その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要する。

参照法条
 (1,2につき)民法505条1項 (1につき)民法136条 (2につき)民法145条,民法508条

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83023&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130326090103.pdf

判決文より
「本件の本訴請求は,被上告人が,自己の所有する不動産に設定した根抵当権について,その被担保債権である貸付金債権が相殺等により消滅したとして,上告人に対し,所有権に基づき,根抵当権設定登記の抹消登記手続を求めるものであり,反訴請求は,上告人が,被上告人に対し,上記貸付金の残元金27万6507円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めるものである。被上告人による上記相殺につき,被上告人は自働債権の時効消滅以前に相殺適状にあったから民法508条によりその相殺の効力が認められると主張するのに対し,上告人は同相殺が無効であると主張して争っている。」

「民法505条1項は,相殺適状につき,「双方の債務が弁済期にあるとき」と規定しているのであるから,その文理に照らせば,自働債権のみならず受働債権についても,弁済期が現実に到来していることが相殺の要件とされていると解される。また,受働債権の債務者がいつでも期限の利益を放棄することができることを理由に両債権が相殺適状にあると解することは,上記債務者が既に享受した期限の利益を自ら遡及的に消滅させることとなって,相当でない。したがって,既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要するというべきである。」

「当事者の相殺に対する期待を保護するという民法508条の趣旨に照らせば,同条が適用されるためには,消滅時効が援用された自働債権はその消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要すると解される。」

「事実関係によれば,消滅時効が援用された本件過払金返還請求権については,上記の相殺適状時において既にその消滅時効期間が経過していたから,本件過払金返還請求権と本件貸付金残債権との相殺に同条は適用されず,被上告人がした相殺はその効力を有しない。そうすると,本件根抵当権の被担保債権である上記2(2)の
貸付金債権は,まだ残存していることになる。」

上告代理人前田陽司,同黒澤幸恵,同那須由佳里ですね。

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2013.04.12

森 麻季 ソプラノリサイタル@いずみホール

森 麻季 ソプラノリサイタル

いずみホール
4月12日(金)19時00分

ソプラノ:森 麻季
ピアノ :山岸茂人

プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」より“私のいとしいお父さん”
プッチーニ:「トゥーランドット」より“氷のような姫君の心も”
プッチーニ:「つばめ」より”ドロエッタの夢”
ワグナー/リスト編曲 イゾルデの愛の死(ピアノ独奏)
ヴェルディ:「エルニーナ」より”エルニーナよ,一緒に逃げて”
ヴェルディ:「リゴレット」より”慕わしい人の御名”(ジルダのアリア)

グノー:「ロミオとジュリエット」より“私は夢に生きたい”
グノー:「ファウスト」より”宝石の歌”
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ・ソロ)
リスト:”おお!私が眠りにつくときには”
デュパルク:”旅への誘い”
シューベルト/リスト:万聖節の連祷(ピアノ・ソロ)
マイアベーア:「ディノラー」より”影の歌”

アンコール
久石譲(誌:小山薫堂):「坂の上の雲」より”Stand Alone”
菅野よう子(詩:岩井俊二):”花は咲く”(NHK「明日へ」東日本大震災復興支援ソング)

チケットを持っていくのを忘れてしまい,会場前で一旦は諦めたのだが,たまたま手帳に座席を控えていたことを思い出して,スタッフの方に聞いてみた。
その結果,了解をもらうことが出来て,この夜の心地よい演奏を聞くことが出来た。
有り難し。感謝。
森さんは,人気だけでなく,それに見合う実力を兼ね備えた方ですね。
本当にこの夜は聞くことが叶ってよかった。

なお,ピアノの名手のリストに歌曲があることはこの夜まで知らなかった。よく考えてみると,リストの生き方から考えると,歌曲のない方が不自然ですよね。なかなか良い曲で,今宵の発見の一つ。
ピアノといえば,いずみホールという音響のとても良いホールで,ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌを聴けたことも私にとっては,よい経験だった。

5月5日記

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ソプラノの森麻季さんのリサイタル

実力のある方ですね。
しっかりとした演奏でした。

なお,チケットを忘れてきてしまったのですが,
番号を控えていたところ,その番号で空席確認をしていただき
中に入れていただきました。
ありがたし。

イズミホールにて

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平成25年02月26日最高裁判所第三小法廷判決(地役権関連)

平成23(受)1644道路通行権確認等請求事件
平成25年02月26日最高裁判所第三小法廷判決

【破棄差戻し】

原審
名古屋高等裁判所
平成22(ネ)1094
平成23年05月19日

判示事項
通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合

裁判要旨
通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,通行地役権者は,特段の事情がない限り,登記がなくとも,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができる。

参照法条
民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83014&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130226130259.pdf

判決文より
「被上告人らが,上告人に対し,被上告人らがそれぞれ所有し,又は賃借する土地を要役地とし,上告人が所有する土地を承役地とする通行地役権又は土地通行権の確認等を求める事案」

「通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,特段の事情がない限り,登記がなくとも,通行地役権は上記の売却によっては消滅せず,通行地役権者は,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができると解するのが相当である。」
「抵当権者は,抵当権の設定時において,抵当権の設定を受けた土地につき要役地の所有者が通行地役権その他の何らかの通行権を有していることを容易に推認することができる上に,要役地の所有者に照会するなどして通行権の有無,内容を容易に調査することができる。これらのことに照らすと,上記の場合には,特段の事情がない限り,抵当権者が通行地役権者に対して地役権設定登記の欠缺を主張することは信義に反するものであって,抵当権者は地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらず,通行地役権者は,抵当権者に対して,登記なくして通行地役権を対抗することができると解するのが相当であり(最高裁平成9年(オ)第966号同10年2月13日第二小法廷判決・民集52巻1号65頁参照),担保不動産競売により承役地が売却されたとしても,通行地役権は消滅しない。」
「これに対し,担保不動産競売による土地の売却時において,同土地を承役地とする通行地役権が設定されており,かつ,同土地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用され,そのことを買受人が認識していたとしても,通行地役権者が承役地の買受人に対して通行地役権を主張することができるか否かは,最先順位の抵当権の設定時の事情によって判断されるべきものであるから,担保不動産競売による土地の売却時における上記の事情から,当然に,通行地役権者が,上記の買受人に対し,通行地役権を主張することができると解すること
は相当ではない。」
「上告人所有地に抵当権が設定された当時の事情等について更に審理を尽くさせるため,上記の部分につき,本件を原審に差し戻すこととする。」

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2013.04.11

「清められた夜」他~長原幸太 with フレンズ~@いずみホール

モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
シェーンベルク:浄められた夜 op.4

2013年4月11日(木)19時00分
いずみホール

出演者
長原幸太,西江辰郎(ヴァイオリン)
鈴木康浩,大島 亮(ヴィオラ)
上森祥平,富岡廉太郎(チェロ)

新聞か何かで,「清められた夜」(Verklarte Nacht)がこのメンバーにより演奏されることがわかり即座に予約。
この曲は,是非ともライブで聴いてみたい,それも名手によるオリジナルとなる弦楽6重奏版を聞いてみたいとかねてから考えていた。
そんな思いを長年持っていたのだから,今宵はとてもとても楽しみにしていた。
中央辺りの前から3番目にて,6人による重厚な響きの中でくすみ煌めき蠢きながら二人の心を表す弦の音に包まれた時間と空間を十二分に楽しませていただいた。とても満ち足りた時間だった。

5月5日記

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遅延損害金計算ソフトウェア@法務省

法務省が遅延損害金計算ソフトを無償配布しているのですね。

遅延損害金計算ソフトウェアのダウンロードについて
法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00073.html

注:現時点では,閏年の処理が出来ないという問題があるようですね。

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2013.04.10

羅生門の変遷

芥川龍之介の羅生門のwikiによれば
ラストの部分には変遷のあることが指摘されている。

現在のバージョンの結びは含みがあって,より人間という存在を考えさせる。

wikiより
「最後の結びの一文はたびたび変更されている。上述『帝国文学』の初出では「下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。」になっており、第1短編集『羅生門』では「下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。」となり、初出から二年半たって短篇集『鼻』(1918年大正7年7月(春陽堂))収録時に改稿され、現在のように「下人の行方は、誰も知らない」となった。」
とのこと。

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2013.04.09

第2回東証独立役員セミナー講演録

東証より届けられた。
勉強しなさいということです。 

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教員の懇親会

学部、院の合同で毎年賑やかな機会。
なお,今年は,ドイツからはライポルド先生が来られています。

ロースクールには、裁判所と検察庁から現役の裁判官と検察官が派遣されて来ます。
そして,将来の法曹を目指す院生に対して色々と指導をしていただくのです。
この度,検察庁から立命館大学法科大学院に来られた検察官は私の司法研修所同期の方でした。旧姓の頭文字はU。きっと,わかる人にはわかるのでしょう。

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2013.04.08

私の今年度の授業開始日@立命館大学法科大学院

今日は私が担当する今年度の授業の始まり日。
3コマどんなことになるのか。
週に1度の出講ではあれども,1日で3コマは準備も含め大変ではある。
(昨年までの1日4コマと比較するとましにはなってはいますけれども)。

— 場所: 立命館大学 朱雀キャンパス

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2013.04.05

フェニックスバード40周年記念パーティー

40周年も人と接する道を続けてこられたことは
頭の下がることであり,とても素晴らしいことです。

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金融商品取引法の役員の責任と会社法の役員の責任―虚偽記載をめぐる役員の責任を中心に―@日本証券経済研究所

金融商品取引法の役員の責任と会社法の役員の責任
―虚偽記載をめぐる役員の責任を中心に―

金融商品取引法研究会
研究記録第41 号

公益財団法人 日本証券経済研究所
金融商品取引法研究会

http://www.jsri.or.jp/web/publish/record/pdf/041.pdf

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2013.04.03

ようやく,ココログ for iPhoneが

iOS6に対応するようにアップデートとなりましたね。
もう,niftyにはそのような力が無いのかとも思っていましたが,そうでもないのでしょうかね。
しばらく使わせていただいて,その実力の程を確認させていただくことと致します。

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2013.04.02

入学式の日

今日は、立命館大学法科大学院の入学式があり歓迎会などもありの一日。

なお,二条城周りをジョギングしている人を見かけると羨ましく思える。
昨夜は京都泊まり。
定宿のホテルから三条に下りそして三條商店街を抜けてロースクールに行くコースがお気に入り。

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