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2013.04.27

逸失利益におけるフィクション

法律実務における逸失利益の計算は,誰もが納得出来ない壮大なるフィクションが前提となっている。
たとえば,死亡ケースを考えると,死亡時の年収が67歳まで定額であることを前提とする。
例えば,現在400万円の稼ぎがあれば,67歳まで,毎年毎年400万円の年収であることを前提として計算する。その間,増額することもなければ減額することもない。
昇級の可能性も考えなければ,退職の可能性もも考えない。インフレもデフレも考えない。
しかし,これらの要素を捨象することはある程度やむを得ないのでしょう。
ただ,定時昇給すらもないことが前提となっていることはいかがなものかと思われる。
現在価値に引き直すと,給料は毎年減ることになるw
また,中間利息の控除においては,労働者といえども,稼いだ給料を,法定利率(年5%)という非現実的な高金利で且つ複利で運用することが前提とされている(そうでなければライプニッツ係数はとりえないはず)。(私の考え違い?)
上記の通り給料は増えることはないのだが,もらった給料は複利で運用しているはずであることを前提とすることは極めて不可思議な考えである。
このように,とてもとても非現実的な要素を含む計算方法なのだが,これに代わる現実的モデルがどこからも提示されていないところが法律実務界という不思議な世界。
なお,それは,変わってしまうと実務に混乱をもたらすからでもあるのだが(予測可能性がなくなる),だからといって,フィクションの世界がいつまで通用するのか。
授業資料としてのライプニッツ係数の説明文書等を作成しながら,こんなことを改めて思う。

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