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2014.04.18

平成26年03月14日最高裁判所第二小法廷判決(時効の停止関連)

平成25(受)1420遺留分減殺請求事件
平成26年03月14日最高裁判所第二小法廷判決

【破棄差戻し】

原審
東京高等裁判所
平成24(ネ)7255
平成25年03月19日

裁判要旨
時効期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において,少なくとも,時効期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは,民法158条1項が類推適用される。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84040&hanreiKbn=02

判決文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140314112552.pdf

判決文より
「本件は,亡Bの妻である上告人が,Bがその遺産の全てを長男である被上告人に相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して,被上告人に対し,遺留分減殺を原因として,第1審判決別紙不動産目録記載の不動産の所有権及び共有持分の各一部移転登記手続等を求めた事案であり,上告人の遺留分減殺請求権が時効によって消滅したか否かが争われているもの」

「民法158条1項は,時効の期間の満了前6箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人(以下「成年被後見人等」という。)に法定代理人がないときは,その成年被後見人等が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は時効は完成しない旨を規定しているところ,その趣旨は,成年被後見人等は法定代理人を有しない場合には時効中断の措置を執ることができないのであるから,法定代理人を有しないにもかかわらず時効の完成を認めるのは成年被後見人等に酷であるとして,これを保護するところにあると解される。また,上記規定において時効の停止が認められる者として成年被後見人等のみが掲げられているところ,成年被後見人等については,その該当性並びに法定代理人の選任の有無及び時期が形式的,画一的に確定し得る事実であることから,これに時効の期間の満了前6箇月以内の間に法定代理人がないときという限度で時効の停止を認めても,必ずしも時効を援用しようとする者の予見可能性を不当に奪うものとはいえないとして,上記成年被後見人等の保護を図っているものといえる。
 ところで,精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるものの,まだ後見開始の審判を受けていない者については,既にその申立てがされていたとしても,もとより民法158条1項にいう成年被後見人に該当するものではない。しかし,上記の者についても,法定代理人を有しない場合には時効中断の措置を執ることができないのであるから,成年被後見人と同様に保護する必要性があるといえる。また,上記の者についてその後に後見開始の審判がされた場合において,民法158条1項の類推適用を認めたとしても,時効を援用しようとする者の予見可能性を不当に奪うものとはいえないときもあり得るところであり,申立てがされた時期,状況等によっては,同項の類推適用を認める余地があるというべきである。
 そうすると,時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において,少なくとも,時効の期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がされたときは,民法158条1項の類推適用により,法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は,その者に対して,時効は,完成しないと解するのが相当である。」

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