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2018年8月

2018.08.21

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2018.08.11

医師及び医療機関が遵守すべき注意義務(医療水準論)

医師及び医療機関が遵守すべき注意義務は,最高裁判所によって次のように指摘されている。
 
「人の生命及び健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は,その業務の性質に照らし,危険防止のために実験上必要とされる最善の注意義務を要求される」(最判昭和36年2月16日)
「具体的な個々の案件において,債務不履行又は不法行為をもって問われる医師の注意義務の基準となるべきものは,一般的には,診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準である」(最判昭和57年3月30日)
※ 日赤高山病院事件:昭和44年12月出生の未熟児に対して光凝固法が実施されなかったケース。昭和45年当初,光凝固法は未熟児網膜症についての先駆的研究家の間で漸く実験的に試みられ始めたという状況であり光凝固治療を一般的に実施することができる状態ではなく,光凝固治療の実施可能な医療施設へ転医させるにしても,転医の時期を的確に判断することを一般的に期待することは無理な状況であったので,担当医には説明指導義務及び転医指示義務はないとした。
「この臨床医学の実践における医療水準は,全国一律に絶対的な基準として考えるべきものではなく,診療に当たった当該医師の専門分野,所属する診療機関の性格,その所在する地域の医療環境の特性等の諸般の事情を考慮して決せられるべきものである」(最判平成7年6月9日)
※ 姫路日赤事件:姫路赤十字病院は,昭和49年12月の時点で光凝固療法の存在を知っていた小児科医師が中心となって眼科との連携体制を取っていたことから一般的病院よりも高いレベルの診療が行われるべきであり,予算上の制約等の事情により光凝固治療実施のための技術・設備等を有しない場合にはこれを有する他の医療機関に転医させるなど適切な措置を採るべき義務があったとされた。
 
 医療水準に達していない行為についてはそれを実施する義務は無い(最判平成4年6月8日)
  そのような療法を実施している病院についての情報を知らせたり転送させる義務は無い(最判昭和63年3月31日)。
  但し,医療水準に達した治療とは言えないがある程度確立されつつある療法については説明義務が生じる(最判平成13年11月27日)
  乳がんの手術に当たり当時医療水準として未確立であった乳房温存療法について医師の知る範囲で説明すべき診療契約上の義務があるとされた事例(後述)
 
 医療水準と医療慣行は異なり,医薬品の添付文書(説明文書)に従わなかった場合には医師の過失が推定される(最判平成8年1月23日)
  ペルカミンSショック事件:麻酔剤ペルカミンSの添付文書には注入後10~15分間は2分ごとに血圧測定をすべきだと記載されていたが,当時の医療慣行としては5分間隔の測定となっていたところ,慣行=医療水準ではなく,添付文書の内容が医療水準であり,添付文書に違反して有害事象(重篤な後遺障害)が生じた場合には医療側の過失が推定される。
→ コメント:とても出来の悪い最高裁判決の例の一つ
 
【転送義務】
  診療所等においては,病状に応じて大病院に対して患者を転送させる義務等がある(最判平成9年2月25日)。参照,療担規則16条
  風邪症状を訴えた患者に対し投与された抗生物質等が原因で顆粒球減少症にかかって死亡したケースについて,開業医の役割は,風邪などの比較的軽度の病気の治療に当たるとともに,患者に重大な病気の可能性がある場合には高度な医療を施すことのできる診療機関に転医させることにあり,長期間にわたり毎日のように通院してきているのに病状が回復せずかえって悪化さえみられるような患者について診療機関に転医させるべき疑いのある症候を見落とすことは,職務上の使命の遂行に著しく欠けるところがある。

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