医事関連

2018.08.11

医師及び医療機関が遵守すべき注意義務(医療水準論)

医師及び医療機関が遵守すべき注意義務は,最高裁判所によって次のように指摘されている。
 
「人の生命及び健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は,その業務の性質に照らし,危険防止のために実験上必要とされる最善の注意義務を要求される」(最判昭和36年2月16日)
「具体的な個々の案件において,債務不履行又は不法行為をもって問われる医師の注意義務の基準となるべきものは,一般的には,診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準である」(最判昭和57年3月30日)
※ 日赤高山病院事件:昭和44年12月出生の未熟児に対して光凝固法が実施されなかったケース。昭和45年当初,光凝固法は未熟児網膜症についての先駆的研究家の間で漸く実験的に試みられ始めたという状況であり光凝固治療を一般的に実施することができる状態ではなく,光凝固治療の実施可能な医療施設へ転医させるにしても,転医の時期を的確に判断することを一般的に期待することは無理な状況であったので,担当医には説明指導義務及び転医指示義務はないとした。
「この臨床医学の実践における医療水準は,全国一律に絶対的な基準として考えるべきものではなく,診療に当たった当該医師の専門分野,所属する診療機関の性格,その所在する地域の医療環境の特性等の諸般の事情を考慮して決せられるべきものである」(最判平成7年6月9日)
※ 姫路日赤事件:姫路赤十字病院は,昭和49年12月の時点で光凝固療法の存在を知っていた小児科医師が中心となって眼科との連携体制を取っていたことから一般的病院よりも高いレベルの診療が行われるべきであり,予算上の制約等の事情により光凝固治療実施のための技術・設備等を有しない場合にはこれを有する他の医療機関に転医させるなど適切な措置を採るべき義務があったとされた。
 
 医療水準に達していない行為についてはそれを実施する義務は無い(最判平成4年6月8日)
  そのような療法を実施している病院についての情報を知らせたり転送させる義務は無い(最判昭和63年3月31日)。
  但し,医療水準に達した治療とは言えないがある程度確立されつつある療法については説明義務が生じる(最判平成13年11月27日)
  乳がんの手術に当たり当時医療水準として未確立であった乳房温存療法について医師の知る範囲で説明すべき診療契約上の義務があるとされた事例(後述)
 
 医療水準と医療慣行は異なり,医薬品の添付文書(説明文書)に従わなかった場合には医師の過失が推定される(最判平成8年1月23日)
  ペルカミンSショック事件:麻酔剤ペルカミンSの添付文書には注入後10~15分間は2分ごとに血圧測定をすべきだと記載されていたが,当時の医療慣行としては5分間隔の測定となっていたところ,慣行=医療水準ではなく,添付文書の内容が医療水準であり,添付文書に違反して有害事象(重篤な後遺障害)が生じた場合には医療側の過失が推定される。
→ コメント:とても出来の悪い最高裁判決の例の一つ
 
【転送義務】
  診療所等においては,病状に応じて大病院に対して患者を転送させる義務等がある(最判平成9年2月25日)。参照,療担規則16条
  風邪症状を訴えた患者に対し投与された抗生物質等が原因で顆粒球減少症にかかって死亡したケースについて,開業医の役割は,風邪などの比較的軽度の病気の治療に当たるとともに,患者に重大な病気の可能性がある場合には高度な医療を施すことのできる診療機関に転医させることにあり,長期間にわたり毎日のように通院してきているのに病状が回復せずかえって悪化さえみられるような患者について診療機関に転医させるべき疑いのある症候を見落とすことは,職務上の使命の遂行に著しく欠けるところがある。

|

2018.03.29

がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療連携病院の一覧表

がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療連携病院の一覧表
(平成 30 年4月1日現在)

|

2018.02.01

講演:大和高田市立病院

「医療事故紛争に耐えうる記録とは」

|

2017.12.26

緩和ケア病棟のある病院を探す(がん情報サービス)

検索してみると
以前に比すると多くはなってきていますが

まだまだ緩和ケア病棟のある医療機関は少ないのですね。

https://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpPalliativeSearchTop.xsp

|

希少がんにおける専門施設のリストと情報公開を開始(国立研究開発法人国立がん研究センター)

国立研究開発法人国立がん研究センターが
全国の手足・体幹表面の軟部肉腫治療の53施設リストを初公開
とのこと(2017年12月25日)
国立研究開発法人国立がん研究センターは,厚生労働省委託事業「希少がん対策」の一環として、希少がんの一種である軟部肉腫(手足あるいは体幹の浅い部分:内臓以外に発生した)の専門的な治療が可能な53施設のリストとその実績を含む概要について、ホームページ「がん情報サービス」において情報公開を開始しました。
とのことです。
希少がん情報公開専門病院を探す
希少がん診療の実績から探す
がんの種類と地域を選択し、診療実績やセカンドオピニオンの症例件数を一覧でご覧いただけます。
とのことです。

|

2017.11.22

講演「改正個人情報保護法について・医療事故調査制度のその後について」@一般社団法人滋賀県病院協会

平成29年11月22日実施
 
一般社団法人滋賀県病院協会
平成29年度医療安全対策研修会

講演
「改正個人情報保護法について・医療事故調査制度のその後について」

|

2017.11.20

講義:医療安全学「(実際の事例から学ぶ)医療者の法的責任」@京都大学

講義:医療安全学
「(実際の事例から学ぶ)医療者の法的責任」
京都大学医学部・薬学部(いずれも4回生)

|

2017.09.20

講演「医療事故調査制度及び医療安全について」@綾部市立病院

医療事故調査制度及び医療安全について
平成29年9月20日実施
綾部市立病院(院内学術集談会:医療安全研修会)

|

2017.09.13

日本遺伝学会 遺伝学用語集編纂プロジェクト

「日本遺伝学会 遺伝学用語集編纂プロジェクト」

勉強になります。

http://genetics.ibio.jp/fast/index.php/main/home

なお,毎日新聞によりますと
日本遺伝学会は,例えば次のように用語を改めることを決めたことが報じられています。

優勢 → 顕性
劣勢 → 潜性
突然変異 → 変異
変異 → 多様性
色覚異常 → 色覚多様性

同学会は近く一般向けに初の用語集を出版し、普及を図る
とのことですね。

|

2017.09.10

大阪の医療機関の英名の例


Osaka General Medical Center
大阪急性期・総合医療センター
(地方独立行政法人大阪府立病院機構:Osaka Prefectural Hospital Organization)

JCHO Osaka Hospital
(Japan Community Health care Organization Osaka Hospital)
大阪病院
(独立行政法人地域医療機能推進機構)
(旧:大阪厚生年金病院)

Osaka University Hospital
大阪大学医学部附属病院

Osaka City University Hospital
大阪市立大学医学部附属病院

Osaka Medical College Hospital
大阪医科大学附属病院

Osaka City General Hospital
大阪市立総合医療センター
(地方独立行政法人大阪市民病院機構)

Osaka International Cancer
大阪国際がんセンター
(地方独立行政法人大阪府立病院機構)
(旧:大阪府立成人病センター)

Osaka Women's and Children's Hospital
大阪母子医療センター
(地方独立行政法人大阪府立病院機構)

Osaka Phychiatric Medical Center
大阪精神医療センター
(地方独立行政法人大阪府立病院機構)

National Hospital Organization Osaka National Hospital
大阪医療センター
(独立行政法人国立病院機構)

Kenporen Osaka Central Hospital
大阪中央病院
(健康保険組合連合会)

Osaka Red Cross Hospital
大阪赤十字病院

大阪府下ということで
National Cerebral and Cardiovascular Center Hospital
国立循環器病研究所センター病院
(国立研究開発法人国立循環器病研究センター)
英名を見ないと脳の関係を扱っていることがわからない医療機関かも。


|

より以前の記事一覧