滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールに危機が訪れている?
京都新聞(平成20年3月1日)によると
「滋賀県議会の最大会派「自民党・湖翔クラブ」は29日までに、開会中の2月定例会に提出された新年度一般会計予算案を「福祉が不十分で承認できない」として、一部修正する案を3月下旬の予算特別委員会に提出する方針を固めた。」
「委員会で可決されれば、同24日の最終本会議に提出される。」
「関係者によると、修正案は、県が財政構造改革プログラムで削減した乳幼児などの福祉医療費約4億円を増額し、前年度と同水準に引き上げる。その財源として、びわ湖ホール(大津市)を約半年間休館し、その間に民間会社も含めた管理者を公募して自主運営費を削減することなどを検討している」
とのこと。
滋賀県では
知事と議会の対立が言われていますが,その一つの表れなのでしょうか?
上記記事には
「同クラブの県議の1人は「知事と対決するための修正案ではない。福祉を削るような予算案は通すべきではないし、知事のマニフェスト(公約集)にもそぐわない」と話している。」
わざわざ「知事と対決するための修正案ではない」と弁明しなければならないこと自体が,背景事情を示しているようですね。
このような政争が,文化を後退させることになるとすれば悲しむべきことです。
ただし,次の点も考えなければなりません。
私は,滋賀県にも知り合いがありますが,琵琶湖ホールについて積極的な考え方を持っている人ばかりではありません。というよりは,どちらかといえばそうでない方の方が多いのかも。
実際問題として,我が国ではオペラ等に興味の無い方が圧倒的に多数であり,そのような方々にとってはオペラハウスの意義といってもピンと来ないところはあるでしょう。
クラシック音楽を聞く私でさえも,(器楽曲志向だったこともあり)オペラハウスなんて?と考えていたことがありました。声楽とはリートでしょ。オペラなんて・・・・・という気持ちは正直ありました。
私ですらこのような有様だったことを考えると,クラシック音楽に興味のない方が,オペラハウスに大金をつぎ込まれていることに良い感情を持たないことは考えなければならない問題です。
特に,海外から来るとてつもなく高いオペラに県民の方々がなんからの恩恵を享受しているかと言えば,考えにくく,何のためのホールなのだ?等の疑義が出ることもあるでしょう。
このような点を克服することはとても大事なことであり,オペラへの理解を広めそして深め,更に,県民の負担を軽くするにはどのようなことが出来るのかも考える必要もあるのでしょう。
その意味では,我が国で音楽活動を行っている方々,海外で活動を行っている日本人の方々を含め,私のような一クラシック音楽ファンも積極的に取り組んでいく問題なのでしょう。
ただ、滋賀県の方にも考えていただきたいのは、びわ湖ホールは県立のホールではあるが、それは世界に向けられた意義の大きな存在ということ。このように世界に誇れるものを是非とも大事にしていただきたい。
いずれにせよ,今回の件は
新幹線問題の敵とも思えるような措置(修正案の提示)にしか思えない。
このようなことで,ホールへの支援が打ちきられることは
文化の否定としか思えず,全くもって賛同できることではない。
今回の件については
「びわ湖ホールを応援する会」が
署名活動を行っているとのこと(3月13日リンク先修正)。
この会は「3月4日に結成され、県議会において予算の修正議決がなされないよう、緊急署名活動を行っています。」とのこと(署名の第1次締め切りは3月15日とのこと)。
因みに、自由民主党滋賀県支部連合会のサイトにはメールでの連絡窓口が設けられています(jiminto@mx.biwa.ne.jp)。
なお,江口二美さんのブログにて
上記問題を知った次第。
追記)ウィーンの音楽情報を)K&K+k&aの生活(ウィーンに住む音楽家K&Kとチワワk&ロットワイラーaの生活!by kwien)にもこの件が紹介されていますね。
「緊急!!!びわ湖ホールの危機!」
(このサイト,勝手ながらすばらしいサイトとして以前に勝手ながらご紹介させていただいたことがあります。過去ログ:「2007年1月14日 (日)K&K+kの生活(ウイーンフィルの情報等)(ブログの紹介))